この地は味の素グループ創業者の名前にちなんで「鈴木町」と命名されています。
鈴木三郎助(すずきさぶろうすけ)が、1914年(大正3年)9月にこの地で、うま味調味料「味の素®」の操業を開始。以来、関東大震災や太平洋戦争など数々の困難を近隣の皆さまとともに乗り越え、110年もの間地域との絆を育んできました。
その川崎事業所では、年に一度「あじ祭り」というイベントを開催しています。近隣にお住まいの方を中心に一般の方々を敷地内にお招きして楽しんでいただくイベントです。
2024年(令和6年)は川崎市制100周年のメモリアルイヤー。川崎市との連携もさらにパワーアップした第7回「あじ祭り」が11月16日(土)に開催されました。その模様をお伝えします。
「あじ祭り」とは?
「あじ祭り」とは、味の素社の川崎事業所(神奈川県川崎市)が企画・運営・主催するイベントです。川崎事業所の工場敷地や味の素グループうま味体験館に一般の方々をお招きし、さまざまな催し物を楽しんでいただいています。
「あじ祭り」は2015年(平成27年)に、地域への感謝の気持ちを込めて、近隣にお住まいの方々を招待するイベントとして始まりました。コロナ禍の3年間は中止となっていましたが、2023年(令和5年)は4年ぶりの開催となり、約1,000人の方々が訪れました。
2024年(令和6年)11月16日(土)、7回目の開催となる「あじ祭り」はさらにスケールアップしたといいます。2024年に市制100周年を迎えた川崎市ともより強く連携させたという「あじ祭り」。さて、どういった内容となったのでしょうか。
2024年の来場者数は2,100人!開場前に長蛇の列
「あじ祭り」は入場無料ですが、事前にインターネットから予約いただく必要があります。2024年の応募者数はなんと約2,500人。これは昨年の倍以上の入場者数であり、過去最大規模の「あじ祭り」となりました。
来場者の方々に話をきくと「アジパンダ®やアジパンナ®に会いたい」「社員食堂のランチが楽しみ」「売店でお買い物がしたい」「なんかおもしろそうだから」と目的はさまざま。
来場者は子ども連れのファミリーを中心に、若いカップル、高齢のご夫婦、お友だち同士の姿も多く、非常にバラエティに富んでいるようでした。
「あじ祭り」は川崎事業所だけでなく、研究所や関連する事業部の従業員が一緒になってこのイベントを盛り上げる、味の素グループの従業員と来場者とのコミュニケーションの場ともいえます。
今年の「あじ祭り」は、工場見学、社員食堂開放、その他たくさんのブース出展、ブラインドサッカー体験など、楽しいイベントが目白押し!
さながら「味の素社ファン感謝デー」や「味の素社ファンミーティング」といったイベントのように思えますが、川崎事業所では、このイベントを通じて「ありたい姿」の実現を目指しているといいます。
地域・人のHub拠点へ「笑顔倍増計画」とは?
2024年の「あじ祭り」の基本コンセプトは「笑顔倍増計画」。
味の素グループは、1914年(大正3年)、創業の地、川崎に工場を建設しました。一方、川崎市は1924年(大正13年)に誕生し、2024年(令和6年)に市制100周年を迎えました。つまり川崎事業所は、100年という長い時間を川崎市とともに過ごし成長してきたのです。
2024年は川崎市市制100周年という節目を迎え、市制100周年記念事業を立ち上げ、川崎事業所は、この動きに共感するほかの企業とともに幹事会社として記念事業に参加しています。
また、このエリアには、食品事業本部、バイオ&ファインケミカル事業本部、コーポレート事業本部といったすべての事業本部の組織が居を構え、味の素食品株式会社、味の素ファインテクノ株式会社など多くのグループ会社や協力会社もあわせ、およそ4,000人の従業員が働いています。
味の素グループ最大の拠点であり、多種多様な製品やサービスが生み出される川崎事業所は、多くの人や組織が行き交う、まさに「味の素グループの価値が生み出される拠点」です。
2024年の「あじ祭り」は、川崎市と味の素グループのHub(ハブ)となり、地域と人をつなぐ「笑顔が生み出される拠点」の象徴として開催されました。
来場者数も倍増し、内容も盛りだくさん。まさに「笑顔倍増」の「あじ祭り」は、スタッフ全員が笑顔で来場者をもてなしていました。
「あじ祭り」おもな見どころをレポート!
では、2024年の「あじ祭り」のおもな催し物を簡単にご紹介しましょう。この機会でしか体験できないさまざまな内容で「笑顔倍増」のおもてなしを展開しました。
バラエティ豊かな「工場見学」企画
この日は、「ほんだし®」の製造現場を見学できる「ほんだし®」コース、「クノール®」スープ工場見学でも人気のコンテンツである「コーンレンジャー体験コース」、商品の包装ラインを見学できる「包装工場コース」を楽しむことができました。
非常に人気が高く、なかなか予約が取れない川崎事業所の工場見学が、この日は予約なしで参加できるとあって多くの来場者に参加いただきました。
「ほんだし®」コースと「クノール®」スープコースの内容は過去の記事でも紹介しています。
このほかにも、広大な工場敷地内をバスで周遊する見学ツアーもあり、工場内での環境への取り組み、災害対応などへの取り組みを紹介していました。
もちろん、バスはアジパンダ®バス、アジパンナ®バスで周遊します。それだけでも思わず笑顔がこぼれます。
人気の「包装体験」とレアな企画「だしBAR」
味の素グループうま味体験館では、うま味調味料「味の素®」の充填・包装体験と、この日だけのスペシャル企画「だしBAR」を行っていました。
うま味調味料「味の素®」の充填・包装体験は、通常は「味の素®」親子おしごと体験 イベントコースに含まれている内容で「味の素®」を小さなアジパンダ®瓶に詰める作業を行います。
通常は小学生とその保護者のみが参加できるコースですが、この日は特別に未就学児の参加や、大人同士の参加も可能。多くの方々に参加いただきました。
「だしBAR」は、かつお節職人が燻し分けた3種のかつお節を使っている「ほんだし®」、北海道昆布を使用している「ほんだし® こんぶだし」、国産いわしを使用している「ほんだし® いりこだし」の3種の「だし」がお湯でといたカップに用意され、利き酒ならぬ「利きだし」をするイベントです。
ブレンドされた「だし」を当てるゲームに大盛り上がり!実際にまったく異なる風味や味から「うま味」を再認識できる貴重な機会となりました。
ブラインドサッカー®パリ2024パラリンピック日本代表「鳥居健人」選手とプレー!
味の素社は、ビクトリープロジェクト®を通じ、パラアスリートへの支援を行っています。
体育館では、ストーリーの記事や動画にも登場いただいたブラインドフットボール(ブラインドサッカー®)パリ2024パラリンピック日本代表の鳥居健人選手(参天製薬株式会社)をゲストに招き、来場者とともにブラインドサッカー体験を行いました。
実際に目隠しをして音を頼りに目指した場所にボールを蹴るのは想像以上に難しく、また、単純なパス回しでも、ボールを受けて蹴りだすまでが難しい。参加者はブラインドサッカーの競技としての難しさや、鳥居選手のハイレベルなプレーに汗を流し、「日本代表選手とパスを回すのは貴重な体験!」と興奮気味に語っていました。
アジパンダ®とアジパンナ®に会える!!
なんといっても、リアルなアジパンダ®とアジパンナ®に会えるのもこのイベントならではの体験です。
味の素グループうま味体験館の1Fでは、この日アジパンダ®とアジパンナ®が出没するという情報を入手。
担当者にうかがうと、アジパンダ®とアジパンナ®がそろって登場するのは、非常にレアとのこと。「兄妹ふたり」が揃うと会場からは大きなざわめきが起こり、この貴重な機会を逃がすまいと、その場で写真撮影会が始まりました。
最初に撮影できた親子は「近所に住んでいるんですが、今日はアジパンナ®ちゃんに会えるから来たんです!」と感激の笑顔で語っていました。
このほかにも、味の素グループうま味体験館では、アジパンダ®バスの撮影コーナーなどもあり、お子さまたちに大人気。ここでも笑顔がひろがっていきます。
消防はしご車や音楽隊もやってきた!
川崎事業所の近隣地域の方々への安全・安心は、大きな責任だと考えています。
危険物を扱う工場運営に関わる防災・安全において、川崎事業所は川崎市消防局とも日頃から連携しており、今回の「あじ祭り」では、はしご車の展示や救急車・地震を体験するための起震車の出動のほか、水による消火体験などを行いました。
また、工場エリアの防災活動に係る取り組みも紹介。この日は、災害支援バンダナ「ヘルプアジバンダナ」の展示、場内十数箇所に設置されているAEDの使い方の実演を行いました。
災害支援バンダナとは
災害支援バンダナとは災害時の避難所などに配備されており、障害や不便さのある人が身に着けることで、配慮が必要であることを周囲に意思表示したり、支援や情報が得られないことを防ぐ目的でつくられているバンダナです。
さらに防災備品としてのおかゆや、防災時に役立つ味の素社の調味料を活用したレシピなども紹介しました。
入場制限が出るほど大人気の売店と限定版のアクリルキーホルダー
川崎事業所にある従業員向けの売店も、来場者向けにさまざまな企画を用意しており、開店直後から入場制限が必要なほどの大人気。
ここでしか買えないアジパンダ®グッズ、味の素社の商品の特売、そして目玉は話題の宅配冷凍ストックご飯「あえて、」の超特価での販売!気になる商品をお試しできる機会はうれしいですよね。
さらに、「ここでしか買えない」アイテムを発見しました!
「あじ祭り」限定ガチャ「アジパンダ®のアクセスキーホルダー」です。
これこそ当日限りの早い者勝ちの限定アイテム。手に入れた方はラッキーですね。
そのほかにもお楽しみでいっぱい!
神奈川県と味の素社東京支社の協働で行っている「未病改善」。「ミビョーマン」というキャラクターもこの活動を盛り上げます。
さらには、川崎事業所に隣接する多摩川の自然の豊かさを伝えるため「NPO法人 多摩川干潟ネットワーク」にも出展いただきました。
スマホアプリ「aminoステップ®」を活用し6箇所のチェックポイントをめぐるウォークラリーも開催。景品は「粥粥好日」(かゆかゆこうじつ)。参加しただけで健康も意識できるのも「あじ祭り」の楽しさです。
また、味の素グループうま味体験館ではクイズラリーも行われていました。こちらの景品は特製アジパンダ®ステッカーです。
ふだんは入ることのできない社員食堂での食事や世界のキッチンカーも来場!味の素グループのイベントですから、お昼ごはんの心配はいりません。
ほかにもAGFの商品を体験できたり、化粧品「JINO」の体験コーナーやサンプル配布なども行い、味の素グループのバラエティ豊かな活動をアピール。来場者からも「これも味の素グループなの?」と驚きの声があがっていました。
味の素グループへの「共感を生み出す場」として運営したい
2024年の「あじ祭り」のプロジェクトリーダーを担当した鈴木真史さん(川崎事業所 総務・企画グループ マネージャー)は「これは単なる祭りではなく『共感を紡ぎ出す場』であること」を念頭に置いて2024年の「あじ祭り」の企画・運営を行ったといいます。
鈴木:4年ぶりに開催した2023年の「あじ祭り」は、手探りの状態で、学びは多かったとはいえますが悔いが残る祭りでもありました。少数のメンバーで運営したため「もっと多くのメンバーで運営していれば、お迎えしたお客さまたちにもっと私たちのことを知っていただけたかもしれない」「もっとアイデアがあれば、会社との共感を創りだすタッチポイントを増やせたかもしれない」といった反省点がありました。
昨年の反省をいかし、鈴木さんと共にあじ祭り運営に関わった清水さん(川崎事業所 総務・企画グループ 兼 川崎工場 企画管理部 人事・労務グループ)は、より多くの従業員を巻き込み、「みんなで創る あじ祭り」を掲げ、早めに企画・計画に着手し、祭りを運営するスタッフ、祭りの企画を事務局とともに創り上げるコアスタッフの募集を行なったそうです。
清水:あじ祭りの主旨や成し遂げたいことを一生懸命伝えた結果、熱意にこたえてくれ、最終的にスタッフに応募してくださった従業員の数は160名を超えました。そのうちコアスタッフとして10名のメンバーが名乗りを上げてくれました。
コアスタッフとともに祭りのコンセプトを伝え、協力者を募り、事業部や関係会社からの協力を取り付け、多くのブースを企画。スタッフとして名乗りを上げてくれたメンバーのほか、各ブースを運営する本社・関係会社のメンバー、工場見学を運営するメンバー、売店を運営するメンバー、食堂を運営するメンバーと、「あじ祭り」本番で活躍したメンバーの数は最終的に400名程度に膨らんでいたといいます。
清水:2,000名を超えるお客さまに私たちの事業を知っていただき、楽しみ、川崎エリアがここにあってよかったと思ってもらえる企画の運営は、私たち事務局だけでは到底なしえなかったと思います。
鈴木:ご来場されたお客さまからは「接客をしている人たちは、普段からこういう仕事をしているの?」「すごい社員たちだね」といった、日頃接客の訓練をしていないにも関わらず、ホスピタリティを発揮する社員スタッフたちへのお褒めの声をいただくことができました。お客さまに誇れる仲間と普段同じ目標をともにしていることに感動しました。「 みんなで創る あじ祭り」の本質に迫ることができたような気がしています。
川崎事業所は、2030年のありたい姿として「川崎エリアで働く多様な人財と、「志」を共有するマルチステークホルダーが、ASVをトコトン追求している。」を掲げ、さまざまな目標数値を設定し、ASV経営を実践しています。
「あじ祭り」は、そのいくつかの戦略のなかで「川崎市民全員の味の素ファン化活動」のひとつとして、さらに未来に向けて活動を強化していくとのことです。
鈴木:今後、「あじ祭り」は、社内外を問わず、多くの関係者、お客さまや従業員自身とその家族に当社のことを知っていただき、味の素グループへの共感を生み出す場としてさらに進化していきます。近隣の住民の皆さまには、創業の地、川崎にあってよかったと思われるエリアを目指し、またその声を直接うかがえる場としても成長させたいと思います。
味の素グループだけでなく、川崎市を代表する工場のひとつといえる味の素社川崎事業所は、この「あじ祭り」を継続し、近隣住民の方々とのコミュニケーションを通じて、大きな責任を担い、地域との絆をさらに強め、たくさんの笑顔を紡いでいくことでしょう。
清水隆博
川崎事業所 総務・企画グループ 兼 川崎工場 企画管理部 人事・労務グループ
2013年入社。中国、近畿エリアで家庭用営業を10年間経験した後、2022年より現部署へ異動。主に企画、人事・労務、渉外業務等に従事している。
業務においては、「現場の声を徹底的に聞き続ける」という考えを大切にし、常に顧客視点をもち、社内外の様々な課題解決を率先して行う姿勢を心がけている。
趣味はバイクツーリング。その土地によって異なる景色が見え、空気、気温などを直接感じることに魅力を感じる。遠方へ出かける際はバイクにキャンプ道具を積み、道の駅にて「地物」を購入することも楽しみにしています。
鈴木真史
川崎事業所 総務・企画グループ マネージャー
2005年入社。甘味料の新製法開発、グルタミン酸をはじめとするアミノ酸発酵のプロセス開発、医薬品製造用の培地開発等に計16年間従事。2021年より現職。組織の目標設定や目標実現のためにすべきこと、組織運営の企画を主務として担当。
「不向きでも前向きに」と前進する先輩の後ろ姿を手本とし、その時に出せるベストパフォーマンスを出すことをモットーに、一所懸命、仕事に取り組んでいる。
休日は、ゴルフ、釣り、キャンプ、畑仕事などアウトドアでリフレッシュしています!ゴルフのベストスコアは91。難しいけど面白い!
2024年12月の情報をもとに掲載しています。
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