活動レポート

中期経営計画をやめる、って本当ですか?~教えて!藤江さん~

味の素社の藤江社長に気になるトピックスを直接質問する「Knock Knock 社長室 〜教えて!藤江さん〜」。連載第2回目も引き続き、グローバルコミュニケーション部の中脇さんが藤江社長に質問をします。

中脇さん

Q. 社長、中期経営計画(中計)をやめる、って本当ですか?

藤江社長

A. はい、中計はやめます!

ええ、中期経営計画はやめます。日本企業には「中期計画(中計)病」が多いといわれていますね。いまは先行きが不透明で将来の予測が非常にしにくい事業環境です。そんなときに3年程度先の計画の精緻な数値をつくり込みすぎることで、現場が疲弊してしまったり、計画そのものの意味が薄れたりすることを「中期計画(中計)病」と呼んでいます。

私は、変化をしっかり捉えていくことが大事だとつくづく思います。3年先にどうなるかわからないことを綿密に組み立てて、やれ計画だ、やれプランだということには意味がないと思います。

それよりも大事なのは、「ありたい姿」です。だから中計はやめて、これからは「ありたい姿」を目標とした「中期ASV経営」を目指します。

中期ASV経営とはどういうことですか?

具体的には、2030年時点の「ありたい姿」を設定し、それを実現するための道筋を未来から現在へとさかのぼり、戦略やマイルストーンをロードマップとして整理するという経営に進化させていくことにしました。一般的な積み上げ型の経営計画とは異なる形ですね。

さらに「売上高や利益率」といった財務面でのKPI(重要業績評価指標)に加え、「人財や顧客」などの無形資産のKPI、つまり非財務のKPIを高めていきます。

なぜなら、非財務が充実してくると、あとから財務もついてくるからです。従業員や地球環境、株主、サプライヤー、顧客・消費者はすべて無形資産です。これは非常に重要なASV推進の原動力となります。たとえば、従業員のエンゲージメントが高まれば高まるほど、業績が良くなることが立証されているんです。
味の素グループの志への熱意や共感が高まり、この無形資産が増えれば増えるほど、社会価値と経済価値を共創するASVが進化します。

「中計がないと、投資家の理解が得られないのでは?」とか「数値目標が見えづらいのでは?」という意見もいただきますが、これをわかりやすく伝えていくために、無形資産を定量化していき、社内外のみなさんに「中期ASV経営」の伝え方をブラッシュアップしていきたいと考えているところです。
2030年に向けたロードマップを、2月28日に発表予定ですので、ぜひご期待ください!

「追記」
2023年(令和5年)4月5日に実施された「2023年度経営方針説明会」において味の素グループ従業員8名が藤江社長に直接質問しました。4回にわたりストーリーで紹介しています。ぜひご覧ください。
「8人の従業員からの質問<第1回>」はこちら

次の記事を読む「味の素社の経営会議に社外の方も参加してるって本当ですか?~教えて!藤江さん~」

ストーリーでは、さまざまな質問に藤江社長が答える「Knock Knock 社長室 〜教えて!藤江さん〜」を連載しています。ぜひご覧ください。

<用語解説>

中期経営計画(中計)
中期経営計画とは、3〜5年後の企業のあるべき姿、目指すあり方を具体的な数値目標で設定し、その数値目標に対して現状を把握することを目的として作成されます。中計(ちゅうけい)と略されます。その目標は売上目標をはじめとした財務などの具体的な数値で決めることが一般的で、その達成のための施策を決めていくものです。

KPI
KPI(Key Performance Indicator)とは「重要業績評価指標」のことをいいます。業務や業績の目標を達成するプロセスで、どの程度達成したかなどの度合いを計測し、確認するために設置する定量的な指標を意味しています。

質問にこたえた人
藤江太郎

味の素株式会社 取締役 代表執行役社長 最高経営責任者
大阪府出身。1985年に味の素株式会社に入社。2008年中国食品事業部長、2011年フィリピン味の素社社長、2015年ブラジル味の素社社長など10年以上の海外勤務を経て2017年に常務執行役員、2021年執行役専務、2022年4月代表執行役社長CEO。同年6月から現職。

今回社長室のドアをたたいた人
中脇理絵

グローバルコミュニケーション部 ストーリー編集部
第二回目は社員としても気になっていた今後の中計について、でした。2030年に向けたロードマップがもうすぐ発表!ということで、私自身とても楽しみです。描かれるロードマップの内容については、今後の連載の中でも、藤江社長に質問していき、みなさんにも詳しくご紹介していきたいと思います!

2023年2月の情報をもとに掲載しています。

味の素グループは、アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献します

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