そのわずか1ヶ月後。小須田選手はパラスノーボード世界選手権のバンクドスラローム男子LL1クラスで優勝。この種目では日本人として初めての金メダルを獲得しました。いま、最も勢いのあるパラアスリートの一人である小須田選手。目指す先は、3月に開催されるミラノ・コルティナ2026パラリンピック冬季競技大会の頂点、金メダルです。
大舞台を見据えて海外で調整中の2025年(令和7年)12月、小須田選手と、サポートを担当する味の素社・蘆名真平さんに、現在の手応えや支援の舞台裏について話を伺いました。

小須田 潤太 氏
東京2020パラリンピック競技大会では、T63クラスで100メートルと走り幅跳びに出場。2018年からはスノーボードにも挑戦を始め、北京2022パラリンピック冬季競技大会はスノーボードクロスで7位入賞、その後スノーボードに専念。2023年のW杯スノーボードクロス(LL1)で優勝、2025年3月カナダ世界選手権バンクドスラロームで優勝を飾った。 オープンハウスグループに所属

蘆名 真平味の素株式会社
グローバルコミュニケーション部
スポーツ栄養推進グループ マネージャー
2023年より「ビクトリープロジェクト®」パラリンピック担当に着任。アスリートたちへの支援を通じ、「誰もが活き活きと、″自分らしく″輝ける社会」を目指す
義足のスノーボーダー、小須田潤太の原点とは?

群馬県みなかみほうだいぎスキー場、ゲレンデを勢いよく無邪気にそして楽しそうに滑走するスノーボーダー。右足の太ももの半分から下が義足だとはスキー場にいる人のほとんどは気づかないだろう。
大学も2年生で中退。アルバイトをしていた引っ越し業者で契約社員として働き始めていた21歳の時、居眠り運転で交通事故を起こし右脚の大腿部を切断することとなった。
事故から3年、理学療法士の勧めで参加した、義足のランニングクリニックで転機が訪れた。講師だったパラアスリート山本篤(元パラ陸上選手 24年5月パラ陸上競技を引退)さんの姿に衝撃を受ける。「同じ障がいがありながら、颯爽と走る姿を見てすげーなって」山本さんのようになりたいと憧れの気持ちで陸上競技のキャリアを2016年(平成28年)、25歳の時にスタートさせた。
パラスノーボードとの出会いは、陸上競技を始めて1年後の2017年(平成29年)。当時、共に陸上競技の練習をしていた山本さんが国内のスノーボードの大会にも出場し、優勝したのをニュースで見た。「まじか」と言う衝撃が走った。子どもの頃に年に一度、遊びに行っていたくらいの経験しかなかったが、俺もやるしかないと思い立ち、スノーボードの挑戦も始まった。「篤さんと出会っていなかったら、陸上もやってないし、スノーボードに挑戦することもなかったと思います」山本さんの存在が小須田選手の心に火をつけた。

山本さんの背中を追い、陸上競技とスノーボード、二刀流の生活を続けた。「篤さんのようになりたい」という目標ができた小須田選手は、人生ではじめて真剣に真っ直ぐ突き進むものを見つけたのだった。
2021年(令和3年)に走り幅跳び(T63)で東京2020パラリンピック競技大会に出場、その翌年2022年(令和4年)にはスノーボードクロス(LL1)で北京2022パラリンピック冬季競技大会にも出場する。「世界のトップ選手が集まって競い合う大会、競技場の迫力はものすごくて、やっぱりパラリンピックは一味違うな」と。小須田選手は奮闘するものの、結果は夏冬ともに7位だった。
国際舞台を踏んで感じたことは、メダリストとそれ以外の違い。その差がはっきり見えてきたあの時、はじめてどうしてもメダルが欲しいという想いが心の底から出てきた。メダル獲得を目標に置いた時、競技をスノーボード一本に絞ることは自然な決断であった。北京2022冬季大会の後はスノーボードに専念、そして2025年3月にパラスノーボード世界選手権で優勝を掴み取った。
最大の目標としているミラノ・コルティナ2026冬季大会開催まで3ヶ月、小須田選手は練習環境を求めて海外の雪山を渡り歩き、ひたむきにトレーニングを続けている。その姿には、目標へ突き進む覚悟がにじんでいた。

「栄養への意識が変わった」味の素社との伴走がもたらしたものとは?
ーーー昨シーズン世界選手権で優勝、そして今シーズン初戦、11月にオランダで開催されたワールドカップ(World Cup)でも2位という好成績を残されました。パラリンピックに向けて、トップに手が届く位置にいらっしゃると思うんですけれども、今現在のコンディションと心境を教えてください。
小須田選手
10月末にスイスで練習中転倒してしまって、脳震盪になってしまったんです。練習を1週間早く切り上げて帰国し、2週間程ゆっくり体を休めました。11月下旬に開催された今シーズン初戦のワールドカップでは、脳震盪の影響はなく、まずまずの状態で結果は2位でした。今シーズンは全試合で勝ちに行くと自分の中で決めていたんですけどね。
自分的にはいい形でトレーニングを積めていて、結構自信があって、いけるかなって思ってたんですけどまだ届かなかった。そこを今シーズン1試合目に感じられたのはすごく良かった。今の課題を潰していければパラリンピックの優勝も届くかなって感じています。
ーーー現在、味の素社からどのようなサポートを受けていますか?
小須田選手
基本的には製品のサポートをいただいています。今年はほぼ毎月海外遠征に出ていて、その際に食品や、「アミノバイタル®」を提供してもらってます。本当に助かってます。最近自分の中で流行っているのが、「アミノバイタル®CONNECT関節サポート」と「アミノバイタル®MOMENT」。
この二つは毎日飲んでるんですけど、ハードな運動をしたときは「アミノバイタル®GOLD」を数本飲んでいて、自分的にはこの摂り方が合っていますね。飲むタイミング、量を自分自身のコンディションをよくみながら探っているところです。食品類だと、手軽にたんぱく質が摂れるのでほぼ毎日「たんぱく質がしっかり摂れる味噌汁」を飲んでいます。あと「鍋キューブ®」ですね。「鍋キューブ®」は遠征先では欠かせません。特にうま辛キムチが美味しい。
前回の遠征ではお米を5キロぐらい持って行って、毎食ご飯は炊いて、味の素社の商品をお供に食べています。簡単に美味しく食べられるので、めちゃめちゃ重宝してます。

ーーーサポート契約が始まってもうすぐ一年になりますが、どのような変化を感じていますか?
小須田選手
栄養への意識が変わりましたし、すごく助かってますね。「アミノバイタル®BCAAチャージウォーター」を水に混ぜて飲んだり、補食を練習の時にいつもポケットに入れています。-10℃ぐらいの中毎日4~5時間雪山にいるんです。滑ってなくても体力が削られてしまうので、常に栄養補給を心がけています。
サポートを受ける以前の遠征では、連日の練習に体のコンディション調整がうまくいかず痩せてしまっていたんですけど、今はしっかり栄養補給しているので体重をキープできていますし、調子も良いです。
蘆名さん
私もアスリートの海外遠征に同行することが多々あるのですが、現地では2週間を超えると正直「美味しく食べる」というのが難しくなる。お腹は満たせても食欲が満たされないんです。そんなときに弊社の製品を活用頂いている写真を送ってもらうことがあるのですが、やっぱり嬉しいですね。

ーーーパラリンピックまであと3ヶ月、この期間をどのように過ごそうと考えていますか?
小須田選手
今週の土曜日(12月中旬)からアメリカに行きます。アメリカのパラチームのトレーニングキャンプに1週間ぐらい参加させてもらえることになりました。先週この情報をいただき、すぐに行くことを決めました。チャンスと感じることは取りこぼさないように、できることを全てやりきろうという気持ちで挑んでいます。
コンディショニングなんですけど、僕はそんなピーキングとか気にするタイプじゃないんです。ずっとピークを更新し続けるぐらいの感じでやってます。 スノーボードは、以前取り組んでいた陸上競技とは違って、技術要素の方が圧倒的に強い。できるだけ滑って自分の感覚を研ぎ澄ませていく方が重要なのかなって今は思っています。
だからあんまり休養とか入れないんです。休むよりも滑りたい。どれだけ雪上に立って得る感覚が多かったかっていうのが本番では鍵になってくる。味の素社の栄養サポートのおかげで、ほんと疲れにくくはなってますかね。

「本気×本気」が生む化学反応!栄養戦略は小須田選手を頂点に押し上げる力になるか?
ーーー小須田選手が「本気でトップを目指す」と決めたきっかけを教えてください。
小須田選手
北京2022冬季大会が終わったあと、所沢市を訪問したことがあって、一緒にいた選手がその時、「次は表彰台に立ちます」って公言してたんですよね。その流れで「金メダル取ります」と言うしかなかったんですよ(笑)それが金メダルを言葉にしたきっかけでした。その時は正直ノリだったんですけど、徐々にそこから意識が変わり、競技力も上がって、トップが見えるようになって、必然的に1位を目指すようになりました。
僕は元々怠ける人間なんで、大きいことを言えるだけ言って、どんどん自分を追い込むようにしています。
陸上競技とスノーボードを始めるきっかけになった山本篤さんも常に1番を目指していた。そういう存在が近くにたくさんいて、その環境に身を置くことが「勝ちたい」っていう思いを強くできる大きな要因なのかなと思います。

蘆名さん
小須田選手をはじめ、パラアスリートと接していて感じることが多いのですが、みなさん大きな壁を乗り越えてパラアスリートになっているんです。そこにはとてつもない努力があっていまのステージに立っている。パラアスリートの「本気」にはいつも驚かされます。彼らには超えられない壁がないっていうか。
ーーー「本気」で打ち込める目標ができたことで、人生にどんな変化がありましたか?
小須田選手
世界選手権で優勝したこともあり、他の選手から見られるようになりました。本気で取り組んでいるとどんどん自分の状態が良くなって。周りから見られる目も変わるなっていうのは体感しています。この前、海外遠征中に、イタリアチームがコースを貸し切ってトレーニングしていたんですけど、僕のことを知ってくれていて、練習に参加させてもらったんです。イタリアチームで一番速い選手がいつもより早く練習を切り上げて、「俺はここからお前の滑りを見るんだ」って言ってくれたんですよ。嬉しかったですね。自分より上手い選手からも認められているのかなって感じました。
やっぱりアスリートである以上、結果を出してる選手は注目されます。競技者である以上結果を突き詰めていくっていうのはものすごく大事だなと思います。
蘆名さん
世界大会で結果がでるようになり、追いかける側から追われる側になった。そんな環境でもいつも楽しそうに競技に挑む小須田選手には感心しています。トップアスリートに共通していることですが、良い結果を出すために、常にハッピーでいられるように物事を前向きに捉える。そんな力が小須田選手にはありますね。
ーーー味の素社はアスリートの「本気」に寄り添い「本気」のサポートに取り組んでいます。小須田選手も実感していますか?
小須田選手
まずはやっぱり異様なまでに対応が早いですよね。商品を頼んだら、翌日にはもう届く。そこはすごいありがたいですよね。僕は連絡とか忘れがちなことがあるんですけど、それにもすぐに対応してもらえるのはすごく助かりますね。多分本気じゃないとできないですよね、あのスピード感は。
蘆名さん
そりゃ「本気」ですよ、こっちだって(笑)。一回一回の合宿がどれだけの重みがあるかは知っているつもりです。

ーーー味の素社の「本気」のサポートとしてミラノ・コルティナ2026冬季大会で初めて冷凍食品のお弁当「あえて、®」を選手サポートのために持ち込むと聞いています。
蘆名さん
冬季大会は特に足場が悪かったり寒かったりパラアスリートが食事の面で苦労しているところを目の当たりにしてきて「あえて、®」で当社にしかできないサポートができると思いました。輸送などいろいろなハードルがありましたが、実現できることになりました。
小須田選手
「あえて、®」のお弁当のことは僕もチーム内で宣伝しているんですよ。持って行ってもらわないとちょっと困ります(笑)。北京2022冬季大会の時も味の素社にはとても助けられました。選手村では食堂のご飯が身体に合わず、味の素社の配布していた製品で自炊することができたんです。日本食が食べられるということだけで、どれだけ精神的な安定を得られたかわかりません。現地であの美味しい「あえて、®」が食べられると思うと今から楽しみです。しっかり栄養バランスも考えられて作られていると思いますし、あれ海外で食べられたら最高ですよね。
蘆名さん
過酷な環境で栄養バランスの考えられた冷凍弁当「あえて、®」が提供できればどれだけ選手は安心か容易に想像つくと思います。味の素社だから実現できる「食」を通したココロのサポート。いまから楽しみです!

ーーーアスリートと企業サポートが本気で向き合うことで、どんな価値や未来が生まれると考えていますか?
小須田選手
そうですね。やっぱり僕自身は本気で1番を目指して、本気で競技に取り組んでいます。味の素社も僕を本気でサポートしてくださっています。熱量を合わせていただけると、一層モチベーションが上がりますよね。温度感が違ったりすると、関係性も薄くなってしまうと思うんです。僕が競技に対して取り組んでいるぐらいの同じ熱量で蘆名さんはサポートしてくださっていると思うので、サポートを受けることができて本当によかったなと思います。これからもずっと一緒に戦っていければ、すごく強くなれる気がしています。
蘆名さん
嬉しいコメントありがとうございます。まだまだパラアスリートや小須田選手の魅力は一般的には知られていない。パラスポーツの価値は無限大です。定期的に開催している体験会などでパラスポーツや選手の魅力に触れたみなさん、とっても喜んでくださるんです。それが私のモチベーションですかね。

ーーー今の"本気"を象徴する言葉があればぜひ教えてください。
小須田選手
最近意識しているのが「目標を明確に持つ。曖昧さに逃げない。」という言葉ですね。今はミラノ・コルティナ2026冬季大会で1位になることを目標にしていて、それを絶対にぶらさない。そこに向かってひたすら突き進みたい。目標も行動も曖昧にしない。もし本気で目指してなくて口だけだったら、ぶれるし弱気になるのかもしれないですけど。
1位になることってすごく難しいことじゃないですか。その過程で壁に当たることなんかたくさんあります。
この壁を明確にしないで曖昧にしていたら、多分なかなか越えることができない。いちいち悩んでないで、壁の乗り越え方を考えて明確にする。明確な行動と本気度があればどんな壁でも越えられるのかなと思っています。
ーーー事故で足を失った頃の自分を、今の自分はどう見ていますか?
小須田選手
あの頃は何となく毎日を生きていました。自分自身が変われたのは周りに本気の人間がたくさんいたからなんですよね。そこの環境に自分を置けたことでマインドがいい方向に変わっていきました。競技力も向上していく中で、自分をサポートしてくれる本気の人たちがどんどん集まってきてくれた。だから自分主導というよりは、周りに助けられてここまでくることができました。周りへの感謝の気持ちは絶対に忘れないで、勘違いしないで、一番を目指していきたいですね。また自分が全力で何か取り組んでいる姿を見て何か感じてもらえる人が一人でもいればそれは嬉しいなと思います。
ーーー最後に、ミラノ・コルティナ2026冬季大会に向けての意気込みをお願いいたします。
蘆名さん
まずは、現地まで味の素グループの製品を小須田選手含め日本代表選手団のみなさんに提供する。そして彼らの魅力を発信することで「誰もが活き活きと生きる」に貢献したいと思います。
また小須田選手にはいい色のメダルを取って頂き、次世代のヒーローになってもらいたいです。
小須田選手
二冠ですね。スノボードクロスとバンクドスラローム、出場する2競技で優勝はぶらさずに最後までやり切りたいです。
まあ確率で言ったら非常に低い。それぐらい難しいことだと思います。その二冠できるかもしれない選手は世界でも多分2、3人だと思うんですけど、そこには入れているかなと思っています。可能性はあると思うのでチャレンジしたいですね。

【This is me】パラスノーボード小須田潤太選手 ーミラノ・コルティナ2026編
※味の素㈱は、 TEAM JAPANゴールドパートナー(調味料、乾燥スープ、栄養補助食品、冷凍食品、コーヒー豆)です。