活動レポート

坂本花織は、味の素社が本気で支える!「食」の意識改革によってパフォーマンスは向上する?#MAJINOMOTO

味の素社の「ビクトリープロジェクト®」とは、世界をめざすトップアスリートをサポートするプロジェクト。

国を代表するトップアスリートの“なりたい姿の実現”に向けて、本質的な課題を把握し、スポーツ科学に基づいた、食とアミノ酸によるからだとこころのコンディショニングサポートで、国際競技力向上を後押ししています。

味の素社の「ビクトリープロジェクト®」では、2025年(令和7年)7月から、フィギュアスケーター坂本花織選手のサポートを開始しました。

今回の記事では、2026年(令和8年)2月開催のミラノ・コルティナ2026オリンピック冬季競技大会をもって競技選手としての現役引退を表明している坂本花織選手と、味の素社の高柴瑠衣さん(「ビクトリープロジェクト®」サポートディレクター)との対談をお届けします。

坂本選手の競技に対する心構え、「ビクトリープロジェクト®」のサポートによる「食」を通した体づくりや、現役引退を前にした坂本選手のこれまでとこれからなどを深堀りしました。

ミラノ・コルティナ2026冬季大会では、「#MAJINOMOTO」をコンセプトに、「本気」で頂点をめざすトップアスリートと、それを「本気」で支える味の素社の取り組みをご紹介いたします。

坂本 花織 氏フィギュアスケーター
シスメックス所属

<主な成績>
・世界選手権 3連覇(2022, 2023, 2024)
・全日本選手権優勝5回、4連覇中(2018, 2021, 2022, 2023, 2024)
・北京2022オリンピック冬季競技大会 銅メダル/個人

高柴 瑠衣味の素株式会社
「ビクトリープロジェクト®
サポートディレクター

坂本花織選手とフィギュアスケートの出会いとは?

ーーー2026年(令和8年)2月開催のミラノ・コルティナ2026も近づいてきました。今回は、坂本選手に自身のフィギュアスケートの軌跡や、オリンピックに向けた体づくりなどについてお伺いします。さらに、高柴さんが「ビクトリープロジェクト®」サポートディレクターとして、坂本選手にどのように関わっているのかも、掘り下げていきたいと思います。

坂本さん

よろしくお願いします。

高柴さん

よろしくお願いします。

ーーーそもそも、坂本選手がフィギュアスケートを始めたきっかけは?

坂本さん

3歳の頃に見た、NHKの朝ドラ「てるてる家族」(2003年/平成15年)がきっかけです。主人公の姉がフィギュアスケートをしているシーンを見て、母に「やりたい」と言いました。最初は、ただスケート場に遊びに行っただけで自分ではよく覚えていないんですが、その時に滑ってもコケても、ずっとゲラゲラ笑っていたらしいです。

ーーーその頃の印象深い思い出は?

坂本さん

スケートリンクでこけた時の衝撃が大きくて、その痛みが記憶に残っています。でも、ジャンプやスピンとか、できることが増えていくと「今日はこれができるようになった」って、スケートがどんどん楽しくなっていきました。

ダイナミックなジャンプで世界を魅了する坂本花織選手

2000年(平成13年)4月9日生まれ。兵庫県出身。ニックネームはかおちゃん。趣味は、ドライブ、映画鑑賞、図画工作。4歳で本格的にスケートをはじめた坂本選手は、12歳で全日本ジュニア選手権に初出場すると、いきなり9位に入り注目を集める。16歳で同大会初優勝、世界ジュニア選手権でも銅メダルを獲得し、翌シーズンから満を持してシニアデビュー。

2度目のオリンピックとなった北京2022冬季オリンピックでは、完成度の高い演技で銅メダルを獲得し、同年のISU世界フィギュアスケート選手権大会で初優勝。2024年(令和6年)には同大会で日本史上初の快挙となる3連覇を達成した。

高さと幅のあるダイナミックなジャンプには定評があり、爽やかで表現力の高い演技、そして代名詞ともいえる「かおちゃんスマイル」は多くの観客を魅了する。名実ともに日本女子フィギュアスケート界のエース。

2025 GPシリーズ NHK杯 女子フリースケーティング

自分の技のクオリティーを上げていくスタイルに変えたことが、大きな自信につながった

ーーー世界選手権を3度も制覇し、それでもなお、最前線で戦い続けていますが、どのような気持ちで競技に臨んでいますか?

坂本さん

フィギュアスケートは大技が注目されがちで、以前は私も大技に挑戦していた時期がありました。でも、私は自分ができる技のクオリティーを上げて加点を取るスタイルに変えたんです。そこから自信を持って演技ができるようになりました。

高柴さん

そういうスタイルに変えるのは、当時相当な勇気が必要だったよね。きっと。

坂本さん

そうですね。実際、得点源になるものに関して、自分はちょっとパンチが弱いんです。でも、できることをやり続けてそのクオリティーを上げていくことのほうが大事だと毎シーズン強く思います。それが、今の自分の戦い方で、それで勝っていけているので、これからも自信を持って戦いたいです。

2025 GPシリーズ フランス大会 女子ショートプログラム

ーーー強くなっていく一方で、勝ち続けなければならないというプレッシャーもあると思います。そんな中で、家族やコーチなど、周囲の存在についてはどのように考えていますか?

坂本さん

基本的に私は自分に甘いタイプなので、支えてくれる人がいなかったらここまでやってこられなかったです。コーチ、家族......本当に数えきれないぐらいたくさんの人に支えていただいています。支えてくれる人の存在は本当に大きいですね。

"減量"イコール"食べない"・・・大きな大会が重なる年明けはいつも不調に

ーーー女性アスリートとしては、成長期や年齢が上がるにつれて、体型や体質も変化してきたかと思いますが、競技には影響がありましたか?

坂本さん

たくさんありました。私は中2の時に身長が10センチちょっと伸びて、体重も5キロぐらい増えたんです。それで、シーズンの最初に足を疲労骨折してしまったんです。シーズン後半になって、それがようやく治ったと思ったら、次は肉離れに......。

高柴さん

うわあ、ツラい......。

坂本さん

シーズンを丸1年棒に振ってしまって。アスリートが成長期にぶつかる壁に、もう真正面からぶつかったという感じでした。

ーーーそういう時期は、食事の量をセーブして?

坂本さん

はい。食べない方がいいと母に伝えていたし、先生からも言われていたと思います。これで足りる?という感じのお弁当を食べていました。

ーーーそれ以降も、やはり食べることに対しては抵抗感が?

坂本さん

そうですね、かなり気にしていました。高校時代と大学時代の初めぐらいまでは、"減量"イコール"食べない"だったんです。減量のために、ごはんを減らしたり抜いたりしていました。20歳以降は、基本的には好きなものを食べて、食べる量はその時々で変えてみたり、アバウトでしたね。

ーーー「食」に対しては、自己流だったんですね。

坂本さん

はい。そのせいか免疫力が下がってしまって......。毎年、一番不調になるのが年明けなんです。大きな大会が重なるタイミングで体調を崩してしまう。風邪を引いたり発熱したり、インフルエンザ、コロナ、胃腸炎も......。平昌2018冬季オリンピック、北京2022の時も胃腸炎になりました。

高柴さん

大事な大会の時に......。

坂本さん

もう3年ぐらい、連続で体調を崩しています。そのタイミングで寝込むと、筋力やスタミナが落ちて、体をいつもの状態に戻すところから練習を再開しないといけなくなります。マイナスからゼロに戻す作業は無駄な時間で、ここ数年の課題でした。

不調の原因は「省エネ」の体

ーーーおふたりが「ビクトリープロジェクト®」を通して出会った当時のことについて教えてください。

高柴さん

初めて坂本選手にお会いしたのが、2025年(令和7年)3月にアメリカで開催された世界大会です。それまで味の素社としては、平昌2018、北京2022での栄養サポート拠点「JOC G-Road Station」を通して関わりはあったと聞いています。でも、私と坂本選手との直接の出会いは、その時が初めてでしたね。

坂本さん

そうですね。

高柴さん

その時に、はちみつ紅茶で意気投合したよね。

坂本さん

はい(笑)

高柴さん

誰に対してもつねに明るく前向きに接する坂本選手がすごく魅力的で。素敵な選手だなっていうふうに思っていました。サポート拠点でも、最後の最後、出るところまで目を見てドアを閉めてくれるんですね。なんて温かい選手なんだろって。

初めての打ち合わせで坂本選手から課題を伺いました(2025年5月)

具体的な提案を行った時の写真(2025年7月)

ーーーアスリートとしての坂本選手の印象はいかがでしたか?

高柴さん

人としての坂本選手の魅力が、演技にすごく表れていると思います。でもその裏側で、体重の増減が演技に直結するフィギュアスケートの特性と、坂本選手の努力家でストイックな性格もあって、食事を過度に控えていたんですね。頑張りの矛先を少し変えるだけで、より良くなるだろうなと感じていました。

ーーーというと?

高柴さん

すごく「省エネ」の体になっているなと思っていました。少ないエネルギーでいかに多くの活動ができるかに重点を置きすぎているがゆえに、体調不良や疲労が抜けなくなっているんだなっていうのが、まず初めてお話しした時の感想でした。

ーーー高柴さんご自身は、フィギュアスケートにどんな印象を?

高柴さん

フィギュアスケートって、360度、何千人、何万人っていうお客さんの視線を集める競技ですよね。シングルの場合は、本当にたった1人、その視線の中で戦う。それって、なかなか他の競技ではないですよね。その時の緊張やプレッシャーって、もう計り知れないなと。

坂本さん

......はい。

高柴さん

この中で戦い抜いている坂本選手に対して、体の栄養についてはもちろんのこと、心の栄養にもなれるように支えたいなって思いました。

坂本さん

ありがとうございます。

「本音を話せる相手でいたい」「あ、太陽がいる」

高柴さん

私たちが出会ったISU世界フィギュアスケート選手権の時、坂本選手はショートで5位発進だったでしょう。

坂本さん

はい。

高柴さん

ショートの後、落ち込んでいたんじゃないかと思うんですけど、明るく振る舞っていて。それは坂本選手のすごくいいところなんですが、周りに気を遣っているんだろうなとも思いました。それだけに私は少しでも本音を話せる相手でいたいと。

坂本さん

うれしい。

ーーー坂本選手の高柴さんに対する第一印象は?

坂本さん

初めて見た時、「あ、太陽がいる」「パワーの人がいる」と思いました。

高柴さん

太陽(笑)

坂本さん

私は普段元気で明るいって言われるんですけど、試合の時になるとかなり緊張をして、いつもとは様子が変わります。高柴さんのエネルギーを浴びて「あ、いけそうかも」って思えたので、なんかもうこういう人好き、みたいな感じになりました。

高柴さん

うれしい、ありがと。

「栄養バランス的には壊滅的で(笑)」最高のパフォーマンスを引き出す本気の「食」の意識改革とは?

ーーー味の素社は、本気で「食」の意識改革を試みていると感じます。高柴さんは、フィギュアスケートという競技を知る中で、坂本選手が試合で最高のパフォーマンスをするために、栄養の観点から何が必要だと思われましたか?

高柴さん

一貫して思うのは、やっぱりエネルギーです。競技中にジャンプが何本もあって、かつ競技時間が長い。脈も上がるといった点でもエネルギーが必要だなと。

2025 GPシリーズ フランス大会 女子フリースケーティング

坂本さん

うんうん。

ーーー坂本選手の最初の課題は、どんなものでしたか?

高柴さん

課題は、本当に山ほどありました(笑)

坂本さん

栄養バランス的には壊滅的でした(笑)

高柴さん

それでよくここまで強いなって、逆にびっくりして(笑)

坂本さん

あはは(笑)

高柴さん

坂本選手は、ダイエットしている女子高生かっていうくらい、エネルギーを摂っていなかった。だから、まずは食べる、白いごはんが大好きならしっかり食べよう、と伝えました。それから、いかに手軽に野菜や温かいものを食べられるかということも課題だったんだよね。

坂本さん

はい。やっぱり練習後は疲れて、夕食を食べずに寝てしまうことが多々ありました。

ーーー課題の解決はどのように?

高柴さん

アプローチとしては2段階あったんですね。まず最初は、坂本選手のエネルギー摂取に対するネガティブな思考をどう変えるか。そもそも食べていいんだっていう安心感を持ってもらうことでした。その上で、次の段階として、体をつくる食事を生活の中にどう落とし込むかを考えました。

ーーー安心感を持ってもらうためにどのような工夫を?

高柴さん

なぜ今不調なのか、どうして免疫が低下すると胃腸炎になりやすいのかなど、難解な話はできるだけシンプルにして、体の中で起きていることを視覚化して伝えたんですね。すると、坂本選手が「なるほど、そういうことだったのか」って言ってくれたんです。

坂本さん

すごく納得しました。今まで「"減量"イコール"食べない"」だったので、「食べて燃やす(減量する)」ということを、最初は全然理解できませんでした。高柴さんの話を聞いているうちに「あ、燃えやすくするために燃料がいるんだな」と、腑に落ちました。

高柴さん

こういう話をする前までは、体重測定もそんなにやりたくないって言っていたんですが、「体調不良をなくすために、自分としっかり向き合って体重も測りたい」って言ってきてくれて。

坂本さん

「この食生活では体調不良になるわ」とか「体重減らないわ」とか、新たな気づきを与えてくださって。自分の弱いところが食生活に現れすぎていて「原因はこれだ」って(笑)でも改善できる余地があるって、伸びしろじゃん!と。

高柴さん

そうそう伸びしろだよね。競技で本領発揮したいという、彼女の本気度も、その時にひしひしと伝わってきました。

ーーー体をつくるための食事を、どのように坂本選手の生活に落とし込んでいったのですか?

高柴さん

朝食、昼食、夕食、補食、すべてにアプローチしたんですけど、ポイントは3つでした。

1つ目は、家からリンクまでの長い移動時間を、プラスに変えることでした。車に乗る前に食べて、移動時間を「休憩」の時間にする、あるいは食べられなかった場合に車中で食べられるようなものを準備してもらう、という提案をしました。

2つ目は、忙しくて自炊ができない時、外食や中食でどんな工夫をしたらいいのか、何をプラスして、何をマイナスすればいいのかを明確にすることでした。

3つ目は、夜、きちんと食べることでした。疲れて眠くなっても、家で簡単に調理ができるメニューを提案しました。

ーーー簡単にできるメニューとは?

高柴さん

おもに汁物ですね。理由は2つあって、1つは野菜が摂れるから。もう1つは、就寝前に体を温めて欲しいからです。リンクは寒くて(真夏でも寒い中で練習している)、体が冷えていると思ったので。

坂本さん

はい。

高柴さん

たとえば「鍋キューブ®」で、冷凍野菜でもいいから入れて食べるとか。あとは、レンチンでできるスープやフリーズドライのスープとか。まずはこれだけでもいいからやるようにって話しましたね。

練習後にひとり鍋を作った日(2025年10月)

ーーー坂本選手の食生活は、どんなふうに変化しましたか?

坂本さん

これまでの私の食事は、とにかく野菜が少なくて脂質が多かったんです。基本、油ものや甘いものが好きだし、お米も大好き。だから今は脂質を抑えるために油ものを控えています。でもその分「大好きな白ごはんをいっぱい食べていいよ」と言ってくださったので。

高柴さん

ごはんの量、増やしたよね。

坂本さん

はい。それから色の濃い野菜を摂るようにアドバイスをいただいたので、緑黄色野菜を買うようにしています。スーパーでカゴの中を見ると、買うものがこれまでとだいぶ変わってきたなと実感します。

坂本選手の普段の食事をパシャリ

坂本さん

私は栄養の知識がないので、高柴さんからアドバイスをいただいて初めてちゃんと知ることができました。そのおかげで今、自分の演技がどんどん進化している気がします。これまでは競技に影響するのは減量ぐらいだと思っていたのですが、高柴さんに出会って、かなり「食」への意識が変わりました。

「省エネ」から「食べて燃やす」~本気の「食」の意識改革で何が変わった?

ーーー味の素社のサポートが始まってから、高柴さんが坂本選手に対して変化を感じたことはありますか?

高柴さん

2つあります。1つは、心がすごく明るくなったこと。坂本選手は、もともと明るいアスリートですけど(笑)たぶん、今自信に満ちていることで、より明るくなったんじゃないかと。

坂本さん

はい(笑)

高柴さん

もう1つは、すごく体が絞られていることです。体重に変化がなかったとしても、中身がすごく変わっているっていうのが、見た目でわかるんですね。

坂本さん

それは本当に、まわりにも言われるんです。

高柴さん

最近は「アミノバイタル®」もこまめに飲んでいるよね。

坂本さん

はい、飲んでいます。1日5種類。

ーーー「アミノバイタル®」のラインナップも、高柴さんが考えたのですか?

高柴さん

2人で作り上げた感じですね。たとえば、練習前は紺色のパッケージの「アミノバイタル®プロ」がおすすめなんですね。でも坂本選手が、「朝はどうしてもたんぱく質が摂りづらい時があるから、アミノプロテインを入れてみたい」と意見をくれたので、まずはそれを試してみようと。

坂本さん

朝練の時は「アミノバイタル®アミノプロテイン」を飲んで、練習後は「アミノバイタル®GOLD」を飲むようにして、夜練の時は「アミノバイタル®プロ」。最初は飲み忘れてしまうこともあったのですが、今は忘れずに飲むようになってきました。

左から、アミノバイタル® プロ、アミノバイタル® GOLD、アミノバイタル® アミノプロテイン レモン味

高柴さん

えらい(笑)

坂本さん

食生活を見直したことで、練習の時のコンディションが変わった感じがしています。

ーーー坂本選手の課題でもある年明けの体調不良は、克服されそうですか?

高柴さん

今、私から見ると徐々に改善はしてきてはいるので、それが続けられれば確実にいい方向に向かうと思っています。まずは、継続して取り組むことが一番です。シーズン中に新たに出てきた課題に対しては、その都度コミュニケーションをとりながら改善できればと思っています。

ーーー坂本選手ご自身の実感としてはいかがですか。

坂本さん

以前は曲入りでショートとフリーを練習する時、1回ずつやったら、もうこれ以上はできないというような状態だったんです。でも今は曲入り練習を何回もできるぐらい全力を出し切れるようになったと思います。

高柴さん

うんうん。

坂本さん

意識がちょっとずつ変わったおかげで、コンディションが安定して、いい練習ができています。そろそろシーズンに入るんですけど、すごくいいタイミングでアドバイスをいただきました。

ミラノ・コルティナ2026では個人・団体で銀以上を目標に~「今を必死に」普段通りの自分で臨みたい

ーーーいよいよミラノ・コルティナ2026が近づいてきました。今回のオリンピックは坂本選手にとってどのような大会ですか?

坂本さん

「ここ一番でやらないと」っていう思いがあります。そこに向けて、フィジカルもメンタルもピークを持ってこられるようにしたいと思っています。

坂本さん

そうしないと、緊張とプレッシャーといろいろなものに押しつぶされて、思いもよらないところでミスをしてしまうんです。

高柴さん

背負ってるものが大きいもんね......。

坂本さん

今は、コンディションが安定してきたおかげで、ちょっと環境が変わっても対応できることが増えてきました。それが自信につながっていると思います。

ーーー今シーズン、高柴さんもドキドキですね。

高柴さん

本当にドキドキしていて。「省エネ」から「食べて燃やす」方に体をシフトしていくのって、ある程度時間がかかるんです。シーズン開始に間に合うか不安だったんですが、つい昨日、坂本選手が「燃えてきています」っていう話をしてくれて、よかったって思っているところです。

坂本さん

はい、燃えてます(笑)

高柴さん

坂本選手にとって、ミラノ・コルティナ2026は本当に大事な舞台。それは私や味の素社にとっても同じです。自分らしく心穏やかに、自信に満ちた演技をしてほしい。そのために本気で伴走していきます!

坂本さん

ありがとうございます。

ーーー大会後の引退を公言されていますけど、現在のご心境は?

坂本さん

あまり変わりません。最後とは言いつつ最後感がなくて、本当にいつも通りのシーズン前です。もうそろそろ試合が始まるんですけど、つねに先生(コーチ)に怒られるというか、「やれー」みたいな感じで言われながら、日々の練習を大切に積み重ねて一所懸命やっています。

高柴さん

平常心だね。

坂本さん

はい。これが最後だと意識をせずに、とにかく今を必死に生きています。そしてこのまま2月まで行っちゃうんだろうなという感じがします。とはいえ頑張るからには、いい成績を残したい。「ここでラクしていいの?」「いや、やらなきゃいけないよね」って、つねに自問自答しています。

ーーー最後に読者へのメッセージをお願いします。

坂本さん

私の最終目標は、オリンピックで団体・個人ともに銀以上をとることなので精一杯頑張ります。

ーーーありがとうございます。

坂本さん、高柴さん

ありがとうございました。

ミラノ・コルティナ2026オリンピック冬季競技大会とは

ミラノ・コルティナ2026冬季競技大会とは、2026年(令和8年)2月6日から2月22日まで、イタリアで開催される冬季オリンピック。17日間にかけて、新競技の山岳スキーを含む8競技116種目が実施される。開催都市は、ミラノとコルティナダンペッツォのほかに、バルテリナ、バルディフィエメと大きく4つに分かれ、冬のオリンピックとしてはこれまででもっとも広大なエリアでの開催となる。フィギュアスケートシングルは男女ともに3枠を獲得しており、日本代表選手については2025年(令和7年)12月末の全日本選手権後に発表される。

もっと知りたい!坂本花織ってこんな人

好きなファッション

原色とモノトーンの服が好きです。流行に疎いので、先日、同じ神戸クラブの高校生の子たちに流行っているものを教えてもらいました。「へえ〜」って聞いてるだけで、結局覚えてないんですけど(笑)

いつものごはん

朝食の定番メニューは、オリゴ糖とはちみつをかけたヨーグルト。あとは鮭ごはん。それから「アミノバイタル®アミノプロテイン」を飲んで、朝練に行きます。

昼食のメニューは、サラダと魚か肉の主菜。その日の気分で変えます。試合で疲れているけど、たんぱく質をいっぱい摂りたい時は、肉だと重いので魚に。基本は昼食も夕食も和食です。

白いごはんが大好きです。一人暮らしを始めてから、お鍋でごはんを炊く方法を知って、むっちゃおいしいじゃん!って。そして簡単なんですよ。炊き込んだりいろいろアレンジもできるからおすすめです。

好きなイタリア料理

ピザ。だって何をのせてもおいしいじゃないですか。甘い系もおかず系もいけるし。家族や友だちとピザを囲んでいる時間も好き。みんなでワイワイ「これめっちゃおいしい!」とか言いながらわけあって食べられるところがいいですよね。

思い出の味

母のコロッケ。我が家はジャガイモをつぶす時に練乳を入れるので、甘いんです。それがソースのピリ辛と相まって、本当においしいんです。でも、私が競技を本格的にやり始めてからは、送迎とかで忙しくなって、母もつくれなくなっちゃったんですけど。また食べたいです。

オンオフの切り替え

オフがない(笑)ずっとこのテンションです。ずーっとオン。寝たらオフかな。物理的にオフ。私の体のどこかに電源がついているのかも(笑)

坂本 花織

2000年4月9日、神戸市生まれ。シスメックス所属。
<主な成績>
・世界選手権 3連覇(2022, 2023, 2024)
・全日本選手権優勝5回・4連覇中(2018, 2021, 2022, 2023, 2024)
・北京2022オリンピック冬季競技大会 銅メダル/個人
・平昌2018オリンピック冬季競技大会 6位入賞/個人
助走から着氷までスピードが落ちないダイナミックなジャンプと、パワフルでスピード感のあるスケーティングが最大の強み。力強さと繊細さを兼ね備えた演技で、世界中のフィギュアスケートファンを魅了。
2024年3月、世界選手権3連覇を果たし、女子シングルでは56年ぶり8人目、日本人初となる偉業を達成。ミラノ・コルティナ2026オリンピック冬季競技大会を「キャリアの集大成」とし、出場そして金メダル獲得を目指す。

高柴 瑠衣

味の素株式会社
コーポレート本部 グローバルコミュニケーション部 スポーツ栄養推進グループ 「ビクトリープロジェクト®」サポートディレクター

2016年、味の素株式会社入社。家庭用営業として「食を通じて人の心も身体も元気にする」ことを自分の軸として取り組む。その想いをさらに深めたいと考え、2023年より「ビクトリープロジェクト®」に参画。現在はフィギュアスケート坂本花織選手をはじめ、複数の競技団体のサポートを担当しています。"食べることが人の力や可能性を引き出す瞬間"を、選手と共に紡ぎ出していくことが何よりの喜び。座右の銘は「必笑」――どんなにもがいても、最後は必ず笑うし、笑わせる。その笑顔が重なり合い、"元気の連鎖"となって、誰かの力になっていくと考えています。

※味の素㈱は、 TEAM JAPANゴールドパートナー(調味料、乾燥スープ、栄養補助食品、冷凍食品、コーヒー豆)です。

2025年12月の情報をもとに掲載しています。

味の素グループは、アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献します

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