「味の素社の経営会議に社外の人が参加している」という話をきいたグローバルコミュニケーション部の中脇さんは、早速この件も藤江社長にきいてみました。
経営会議というと、企業の経営方針や事業の進捗状況、実績などについて議論するとっても大事な会議のはず。そんな場所に社外の人が参加するなんて、さすがにそんなことないですよ・・・ね?
中脇さん
Q. 味の素社の経営会議に、社外の方も参加してるって、本当ですか・・・?
藤江社長
A. はい、本当です!
2022年(令和4年)にValue Creation Advisory Boardを設置し、そのメンバーに経営会議に出席していただいています。
守秘義務や成果の創出方法などに関していろいろと社内からの意見もあったのですが・・・守秘義務契約を結んだり成果のレビューもおこなうことも前提に、まずはやってみることにしました。
というのも、日々、社会や生活者の考え方が進化するなかで、社外の人はそれらをいち早くとらえて私たちに伝えてくれます。あらゆることについて対話ができるのはとても大切なことだと感じています。
中脇さん
Q. 外部の方が経営会議に加わるのは初めてですよね?
藤江社長
A. そうですね、味の素社の長い歴史のなかでも初めてのことです
外部の方を経営会議に入れるというのは、味の素社の長い歴史の中では初めてのことなんです。
これは社会が変わり、さまざまな垣根が低くなってきているのも理由だと思います。これまでと同じでは、組織が硬直化してしまい、チャレンジや成長も見込めず、うまくいかなくなっていくのではないでしょうか。
人間は本能的に「サイロ化」する生き物だと思うんです。サイロ(Silo)とは、牧場にある家畜飼料の貯蔵倉庫のことですね。複数のサイロは内部がつながっておらず、それぞれ独立して飼料の出し入れを行う構造になっています。
ビジネス用語としての「サイロ化」とは、組織や部署ごとに業務フローやシステムなどが独立し、分散しているため、貴重なデータを活用できずに企業全体の連携が図れない状態のことをいいます。私たちは、組織などの枠組みがあると、そのような状況に陥ってしまいやすいのではないでしょうか。
味の素社では現在3つの本部がありますが、心が動いたときに、サイロを離れて、ネットワーク型やプロジェクト型で仕事ができるようになり、一人ひとりが広告塔となって会社を前向きに前進させていけるようにしてきたいですね。
中脇さん
Q. 外部の方が経営会議に入って良かったことはありますか?
藤江社長
A. 社外視点で率直な意見をいただけることです。
経営会議メンバーだけでは、味の素社内の常識で議論を進めがちです。
Value Creation Advisory Boardメンバーは、疑問に思ったら忖度なく指摘してくれます。
また、それぞれ異なるバックグラウンドを持っているので、色々な切り口で意見をいただけます。
おかげで、議論がより活発になったと思っています。
また、当然なんですが、外の情報もたくさん持っています。
例えば、他社の事例で、従業員の自発性が企業活動全体、トータルのバリューチェーンで価値を出しているという話を紹介していただき、改めて従業員の自発性の大切さを認識しました。
社内の人財公募の枠を増やすなど、さらに自発性を高める施策につながっています。
これからも前例にとらわれることなく、対話を通じて新しく得られた視点、意見を取り入れながら、会社を前進させていきたいと思います。
次の記事を読む「「アミノサイエンス®」ってなんですか?~教えて!藤江さん」
ストーリーでは、さまざまな質問に藤江社長が答える「Knock Knock 社長室 〜教えて!藤江さん〜」を連載しています。ぜひご覧ください。
質問にこたえた人
藤江太郎
味の素株式会社 取締役 代表執行役社長 最高経営責任者
大阪府出身。1985年に味の素株式会社に入社。2008年中国食品事業部長、2011年フィリピン味の素社社長、2015年ブラジル味の素社社長など10年以上の海外勤務を経て2017年に常務執行役員、2021年執行役専務、2022年4月代表執行役社長CEO。同年6月から現職。
今回社長室のドアをたたいた人
中脇理絵
グローバルコミュニケーション部 ストーリー編集部
経営メンバーのみなさんが前例にとらわれることなく、新しいことを取り入れている姿に、一従業員としても刺激を受けました。外部の視点も取り入れた味の素社の変化を、これからも伝えていきたいと思います!
2023年4月の情報をもとに掲載しています。