活動レポート

ASVとは?味の素グループが推進する未来への取り組み

味の素グループは、2022年度(令和4年度)から統合報告書を「ASVレポート(統合報告書)」という名称に変更しました。

また、「ストーリー」では「ASV」のことを扱った記事をたくさん紹介していますが、「ASV」ってちょっとよくわからないという方も多いと思います。

味の素グループの「ASV」とはいったい何なのでしょうか。順を追ってご紹介したいと思います。

ASVとは

ASVとは、「Ajinomoto Group Creating Shared Value」を略した言葉です。 CSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)に由来しており、企業が自社の売上や利益を追求するだけでなく、自社の事業を通じて社会が抱える課題や問題に取り組むことで社会的価値を創造し、その結果、経済的な価値も創造されることを意味します。

このように経済価値と社会価値の2つをともにつくる取り組みがASVであり、ASVを進化させていくことが、味の素グループのビジョンの実現につながると考えています。

「ASVレポート(統合報告書)」には、ASVとビジョンとの関係性をわかりやすく紹介しており、ASV経営を進化させることで実現する具体的なアウトカム(成果)も提示しています。

ASVは、創業時から始まっていた

味の素グループのASVという言葉や方針は2014年(平成26年)の「2014- 2016 中期経営計画」にてはじめて表明されました。しかし、このASVは、いまから約110年前、1909年(明治42年)の味の素社創業時からの取り組みであったといえます。

「うま味」の発見者、池田菊苗博士(東京帝国大学教授)の「日本人の栄養状態を改善したい」という強い思いを共有した二代鈴木三郎助は世界初のうま味調味料「味の素®」を発売し味の素グループの歴史は始まりました。

「うま味」発見者の池田菊苗と味の素グループ創業者の鈴木三郎助の写真

「うま味」の発見者 池田菊苗(左)、味の素グループの創始者 二代 鈴木三郎助(右)

その頃からの2人の思いである「おいしく食べて健康づくり」という創業の志は、味の素グループにとって、まさに原点であり、現在の味の素グループのASVにつながっています。

ASVサイクルを回し続けることによって企業価値を向上させる

味の素グループのASVは、サステナブルな成長を実現するための戦略的な取り組みです。

事業活動を通じた社会課題の解決によって創出された経済価値を、次の事業活動へ再投資することで、さらなる社会課題の解決に貢献するという好循環を作り出し、これを回し続けることによって、企業価値の向上につなげていきます。

2020年度よりASVによる価値創出に不可欠な従業員エンゲージメント(ASV自分ごと化)を高めるマネジメントサイクルに取り組み、各プロセスの中で、様々な施策を展開しています。

味の素社のASVによる価値創出に不可欠な従業員エンゲージメントを高めるマネジメントサイクルを表現している図です。従業員に対してモニタリングを実施し、改善を行い、CEOや本部長との対話、組織・個人目標の設定を通じて理解・納得を進め、事例の共有、個人目標発表会などで従業員同士の共感・共鳴を高め、既存の部署での実行・実現、新規事業の開発などを実践していくことで、企業価値の向上を高めていきます。

ASVエンゲージメント向上のプロセスは、CEOや事業・コーポレートの本部長との対話、組織目標とリンクした個人目標を設定することから始まります。そして、従業員は自分の仕事を通じて実現したいASVを個人目標発表会で発表することで共感を得ながらチャレンジできる企業風土を作っています。

また「ASVアワード」という、ASVを体現したとくに秀逸な事例を表彰する制度も行っており、海外拠点では独自にアワードを開催するなどの広がりもみせています。

さらに、毎年実施するエンゲージメントサーベイで、「ASVの自分ごと化」やASVの成果創出に向けた進度を可視化して、結果から抽出した課題を翌年の計画へ反映させます。

「ストーリー」でも、従業員が日々の業務のなかで取り組むASVについて語るインタビュー企画「私が語るASV」を掲載しています。

このように、味の素グループの従業員にとって、ASVは広く浸透しています。そして、大きなプロジェクトだけでなく、日々の業務のなかで、自分の仕事を通じて「社会価値と経済価値を共創できるものは何か」と考えASVを実践し、より大きな社会課題の解決に向けて挑戦し続けています。

まとめ

最後に、味の素グループのASVについて、今回ご紹介した内容をまとめます。

  • ・ ASVとは、「Ajinomoto Group Creating Shared Value」を略した言葉である。
  • ・ 味の素グループは、事業を通じて社会価値と経済価値を共創する取り組みにより、成長してきた。この取り組みをASVと称し、現在も経営の基本方針(ASV経営)としている。
  • ・ 「おいしく食べて健康づくり」という創業の志は、現在の味の素グループの「ASV」の原点となっている。
  • ・ 味の素グループでは、従業員エンゲージメント(ASV自分ごと化)を高めるマネジメントサイクルに取り組みさまざまな施策を展開し、従業員の自発的なASVの実践が広がってきている。

<用語集>

味の素グループビジョン(Vision)
アミノ酸のはたらきで食習慣や高齢化に伴う食と健康の課題を解決し、人びとのウェルネスを共創します。

https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/aboutus/

アウトカム
アウトカム(outcome)とは、「結果」「成果」という意味の英語です。ビジネスにおいては、研究や取り組みに対する本質的な成果のことを指します。実際に、社会にどのような影響を与えたかを評価すべきだという考えから、注目されるようになったキーワードです。味の素グループでは2030年までに実現したいアウトカムとして「10億人の健康寿命の延伸」「環境負荷50%削減」を目指しています。

エンゲージメントサーベイ
エンゲージメントサーベイ(engagement survey)とは、従業員のエンゲージメントを調査・測定することをいいます。働き方の改善に役立てる取り組みのひとつとしても活用されています。味の素グループでは、スコアを組織や社員にフィードバックし、「ASVの自分ごと化」に活用しています。

2022年9月の情報をもとに掲載しています。

味の素グループは、アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献します

味の素グループは、

アミノサイエンス®で人・社会・地球の

Well-beingに貢献します

「最新記事」一覧を見る