ということで、今回は、2022年10月から始まった若手対象の全く新しい体感型研修「AJINOMOTO GROUP Dialogue for the Future」(ADF)をご紹介します!
今回、広報の大住磨緒さん(グローバルコミュニケーション部)が、ADFの企画や事務局を担当する三瓶佑史さん(人事部)にインタビューしました。
大住:早速ですが、ADFとはどのような研修なのでしょうか?
三瓶:サステナビリティをテーマに、約半年間かけて行われる体感型の研修です。15名の参加者が、食や地球環境の社会課題解決に挑戦している様々な現場を訪れます。そして全4回の研修プログラムと個人で計画するフィールドワークを通して、参加者たちはサステナビリティに対する理解や共感を深めつつ、集まった仲間たちや現地で出会う生産者、若手経営者と対話しながら、味の素グループや社会の未来を考えていきます。
大住:たったの15名ですか!?他の研修よりも少ない印象ですが、参加者はどのように選ばれたのでしょうか?
三瓶:20代後半〜30代前半の若手従業員を対象に、公募しました。定員を上回る募集があったのですが、応募動機や将来味の素グループで実現したいことなど、熱意のこもった応募用紙を読み、事務局で選考を行いました。
大住:参加者を見ると・・・。営業から研究職、生産部門、コーポレート部門まで、所属が様々なんですね。
三瓶:部門によって定員を定めていたわけではないので、ありがたいことに結果的にそうなった、という感じです。これは非常に良いことだと思っています。普段交わることのない他部門の人と共同体験ができるので、色々な視点や考え方を共有できるからです。また、半年間の研修を通してつながりを深め、今後このメンバーを起点に、人を紹介しあったり、助け合ったりする関係が社内で生まれたらいいなと期待しています。
大住:プログラムについて教えていただけますか?
三瓶:まず第1回(2022年10月)は都内の会場での一日研修になります。味の素グループのサステナビリティに関する取り組みについて知って深く考える機会や、社外の講師からサステナビリティの考え方と事例を学んだうえで、自分ごと化に関するワークショップを通して、サステナビリティの理解や知見を深める機会にしました。
ADFで特にポイントとなるのは第2回と第3回の現地体験プログラムで、いずれも2泊3日で地方へ行きます。
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大住:具体的には、どちらに?
三瓶:まず第2回(2022年11月)は、島根県隠岐諸島の海士町へ行きました。このプログラムでは、
・ 人口減少が進むと思われた"地方"が一躍脚光を浴びている理由を体感する
・ 若手経営者や地域の方との交流を通して、自分と会社の存在意義と向き合うべき社会課題について考える
などのテーマ設定をしました。そして第3回は、A. 香川県三豊(2023年1月)とB. 長崎県対馬(2023年3月)のどちらかを参加者自身が選択する形式にしています。これらの地域でも、それぞれテーマを設けています。
最後の第4回(2023年4月)は都内での一日研修で、これまでの振り返りや今後のアクションを発表する総括の時間にする予定です。また、4月までの期間で参加者たちには個別のフィールドワークも行っていただきます。
大住:出張が伴う研修、面白そうです!個別のフィールドワークとはどのようなものですか?
三瓶:参加者が各自でテーマを設定し、自身の「志」との関連や興味関心を持った場所にひとりで足を運びます。そして訪れた土地でどんなことを感じ、どんなことを学んだのかを、他の参加者をはじめ、周囲に共有していってほしいと思います。
テーマ選びや訪問先は自分で考えなくてはいけませんし、さらに現地で話を聞きたい人へのアポ取りなども自分で行う必要があります。そういう意味でも、自律的な成長につながる体験になるはずです。参加者たちがどんな体験をし、何を学んで帰ってくるのか、とてもワクワクしています。
大住:様々な土地でユニークな体験ができるということで、とても貴重な経験を積める研修ですよね。そもそもどういった背景で、このADFは企画されたのでしょうか?
三瓶:2つの背景があります。まず、味の素グループの未来を考えるうえで、全ての無形資産(人財、技術、顧客、組織)の源泉となる「人財資産」への投資は欠かせません。我々は人財資産への取り組み強化を通じて、持続的・飛躍的な企業価値の向上を目指しています。
そしてまた、サステナビリティへの取り組みも、企業として永続的に向き合っていく必要があります。長い年月をかけて取り組んでいくものなので、会社の上層部だけでなく、将来の経営を担う若い従業員たちにも早い時期からサステナビリティを体感し、理解・共感を深め、知見や視座を高く引き上げていくことが大切です。
外部の株式会社MATCHAさんの力もお借りして、様々な知恵をいただきながらADFのプログラムを策定してきました。
大住:訪日観光メディアを運営している株式会社MATCHAさんとの協働プログラムなんですね。
三瓶:株式会社MATCHAはインバウンド(訪日観光)のプロフェッショナルなので、日本中の土地やユニークな人たちとのつながりがあります。「伴奏者」として二人三脚でADFを作り上げていただきました。いろんな発想や知恵や知見を持っている会社なので、我々にはなかった視点もたくさんいただきました。
大住:海士町や三豊、対馬では、外部講師として若手経営者の参加も予定されています。
三瓶:経営者の方々には、2泊3日のプログラムに最後まで同行していただく予定です。参加者には、同じ時間・空間・体験を共有するなかで、彼らのスピード感や幅広い視点・視野に直接ふれてほしいと思っています。「自分はこう思ったけど、彼(彼女)はこう考えるのか」という気付きが、社内では得られない刺激になるはずです。
大住:最後に、約半年間に及ぶADFを通して、参加者たちにはどんなことを期待していますか?
三瓶:参加者一人ひとりの記憶に残り続ける「原体験」になってほしいと願います。「こういう成果につながったら大成功」のような基準はないですが、研修終了後、サステナビリティに関しては自分の言葉で語れるようになってほしいですし、その言葉で共感・共鳴の輪を広げて味の素グループの未来につなげていくことや、一人ひとりがこの会社で成し遂げたい「志」の実現に向けて実際に踏み出していってくれたら嬉しいです。
2023年6月の情報をもとに掲載しています。
執筆:中村洋太
1987年、横須賀出身。早稲田大学創造理工学部を卒業後、海外添乗員と旅行情報誌の編集者を経て、フリーライターに。これまで自転車で世界1万キロを旅したほか、クラフトビールを53杯注ぎながら東京〜京都間を徒歩で旅した「クラフトビール 東海道五十三注ぎ」なども。朝日新聞デジタル、ダイヤモンド・オンラインをはじめ様々なメディアでエッセイや紀行文を執筆しつつ、駆け出しライター向けの育成事業を行っている。