活動レポート

「GHG削減、副産物の再利用、私たちの安定生産が地域・地球との共生につながる」~"私が語るASV" Vol.7

味の素グループでは、創業以来一貫して事業を通じた社会課題の解決に取り組み、社会・地域と共有する価値を創造することで経済価値を向上し、成長につなげてきました。

この取り組みをASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)と称しています。

ASVは味の素グループ全体の取り組みとして浸透しており、従業員一人ひとりが常に意識しながら働いています。

本サイトの「私が語るASV」シリーズでは、味の素グループの従業員たちが、どのようにASVを意識して業務に取り組んでいるのか、その物語の一部を紹介していきます。

今回は、アミノ酸の製造過程で排出される温室効果ガスの削減に取り組む、味の素株式会社 九州事業所 製造部 原動グループ原動係の永井敏治さんのレポートです。

安定的にアミノ酸を製造するための「ライフライン」を担当

味の素株式会社九州事業所は、アミノ酸と調味料の工場です。医薬や食品の原料となるアミノ酸の生産をはじめ、「味の素®」「ハイミー®」などのうま味調味料や、環境にやさしい肥料の生産を行なっています。

アミノ酸類の製造では、機械を動かすための「電気」、加熱処理のための「蒸気」といったエネルギーや多量の水を必要とします。

永井:限りある資源を効率的にエネルギーに変換し、医薬品や甘味料、調味料の原料となるアミノ酸類を安定的にお客さまにお届けするため、そして使用した水を地球へ返すため、私たち九州事業所 製造部 原動グループ原動係では、安定的なエネルギーの供給と廃水の適切な処理を担当しています。

地域・地球との共生は大きな課題

エネルギーの製造工程では、温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)のひとつである二酸化炭素の排出が避けられません。永井さんたちはこの課題に対してどのような取り組みを行なっているのでしょうか。

永井:地球規模で、そして味の素グループで課題となっている温室効果ガス(GHG)削減のため、現在、温室効果ガス(GHG)排出量の少ない発電設備の導入を進めています。設備の導入によって温室効果ガス(GHG)の発生量はこれまでと比較し30%減少する予定です。この取り組みは、地球と事業の持続に必須のチャレンジで、自分の役割の大きさを実感し、それぞれへ貢献できることによろこびを感じています。

建設中の発電機

また、味の素社の製品を購入いただくお客さまでもある、地域の方々を事業所へ招く活動も積極的に行なっています。

永井:そこで生の声をうかがいながら生産活動を続けています。事業所に対するみなさまの期待や意見を確認することで、私たち自身の取り組む温室効果ガス(GHG)削減の重要性に気づくことが多々あります。

さらに、アミノ酸類の製造の際に副産物として生成される「活性汚泥菌体」の活用にも取り組んでおり、行政との連携も推進しています。

永井:これまで、エネルギーを使って乾燥した後に肥料として販売していた廃水処理施設で得られる「活性汚泥菌体の発電動力への変換」にもチャレンジしています。具体的には、地元・佐賀県佐賀市の「バイオマス産業都市さが」で取り組んでいる未乾燥バイオマスの発電動力への活用に、活性汚泥菌体を安定供給するというものです。これにより、現在九州事業所で行なっている乾燥を停止し、佐賀市の下水処理場で使用している所内電力をバイオマス発電電力に置き換える事で温室効果ガス(GHG)を削減することを目指しています。

あらゆる関係者を「顧客」と見立て、生の声を聴く

安定的なエネルギーの供給と廃水の適切な処理を担当している原動グループ原動係は、まさに製造工場の「ライフライン」を担っているといいます。

永井:エネルギー供給や廃水処理のトラブルは、操業停止を招きかねません。トラブルを未然に防ぎ、絶対的な安定操業の確立には、私たちにとって「顧客」である事業所内の各職場との連携・信頼関係の構築が必須となります。そこで、自職場の考えを正しく伝え理解を得るため、また自職場への期待や要望などを把握することを目的に、メールのみではなく直接対話することを心がけています。これによって各職場からの期待値を含む生の声を聴くことができるようになりました。

各職場を「顧客」に見立てることで、自職場が果たすべき役割・責任を再確認し、各職場への提案の内容や方法を改善していくことで、より細やかな対応ができるようになったと感じているそうです。

さらに、永井さんは、各職場だけでなく、地域の方々や自治体、そして社会からの生の声を常に聴きつづけたいといいます。

永井:生活者、行政、各職場のメンバーなど、あらゆる「顧客」の声にトコトン耳を傾ける活動が、九州事業所の安定生産・ASV最大化につながると信じ、日々の業務に取り組んでいます!

「ASV」という取り組みを通じて、食と健康の課題を解決していきます

味の素グループは、ASVを中核に据えた事業を展開しています。

ASVは、事業活動を通じた社会課題の解決によって創出された経済価値を次の事業活動へ再投資することで、さらなる社会課題の解決に貢献するという好循環(ASVサイクル)を作り出し、サステナブルな成長を実現するための戦略的な取り組みです。

今後、各国・地域でASVを進化させていくためには、従業員一人ひとりがASVの考え方と重要性を理解し、実践していくことが重要と考えています。

ストーリーでは、今後さまざまな分野で活躍する従業員の「私が語るASV」を紹介していきます。

永井敏治

九州事業所 製造部 原動グループ原動係
1999年入社。原動設備運転管理業務〜スタッフ業務を経て、現在は係長として、熱・電気・水といった工場の生産に必要なエネルギーの供給と、製造の過程で発生する廃水の浄化処理を担う原動部門を担当。生産活動を通じて消費者の皆様に安定的に製品を届けられるよう、日々安定生産を心掛けています。
最近の休日は娘の部活動の応援や、大好きなお酒のお供を買いに行くのを楽しみにしています。

<用語解説>


GHG(温室効果ガス)
GHGとはGreenhouse Gasの略語で、温室効果ガスのことです。温室効果ガスは二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガスのことを指します。
なかでも二酸化炭素は地球温暖化に及ぼす影響がもっとも大きいとされており、石炭、石油など化石燃料の消費により大量の二酸化炭素が大気中に放出されます。また二酸化炭素の吸収源である森林が減少しており、大気中の二酸化炭素は年々増加しています。

2023年3月の情報をもとに掲載しています。

味の素グループは、アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献します

味の素グループは、

アミノサイエンス®で人・社会・地球の

Well-beingに貢献します

「最新記事」一覧を見る