2026年(令和8年)2月16日(月)、イオンモール香椎浜(福岡県福岡市)で「九州力作野菜®」の販売会が行われました。
販売されるのは佐賀県立唐津特別支援学校の生徒たちが栽培した「九州力作野菜®」。それらを今回、生徒たち自身が販売するということで、「ストーリー」編集部が九州に飛び、現場取材してきました!
福岡都市圏最大級のイオンモールで、「九州力作野菜®」の販売会開催!
福岡市東区にある香椎浜は福岡都心からやや離れた湾岸エリアで、大きなマンションが建ち並ぶ市内有数の住宅地域。
今回の佐賀県立唐津特別支援学校による「九州力作野菜®」の販売会会場となった「イオンモール香椎浜」は、福岡都市圏でも最大級の売り場面積と数多くの専門店があり、香椎浜地域の中心となる大型商業施設です。

活気あふれるイオンモール香椎浜。この日も多くのお客様でにぎわっていました
「九州力作野菜®」とは
「九州力作野菜®」は、味の素社とイオン九州、および農業団体など約60の企業・団体が共同で開発したオリジナルブランド商品です。
この「九州力作野菜®」「九州力作果物®」は、味の素社がアミノ酸を作る際にできる副生物(Co-Products・コプロ)を活用した「たい肥」で育てられた農作物です。
うま味調味料「味の素®」をはじめ、味の素グループの製品に使われるおもなアミノ酸は、サトウキビやキャッサバ芋などの原料を発酵させることによって作られます。味の素社では、この製造過程で生まれた副生物「コプロ」を活用したたい肥で農作物を育てる資源循環型アミノ酸発酵生産方式を「バイオサイクル」と呼んでいます。
販売会の「九州力作野菜®」を栽培した唐津特別支援学校の生徒たち
今回の販売会には、佐賀県立唐津特別支援学校の高等部3年・農芸班の生徒たちと教職員が参加しました。

唐津特別支援学校の生徒が手がけた陶器や木工品、野菜などの販売会の名称である「からとく夢いちば」ののぼりをたて、おそろいのハッピを身に着けて準備万端!
佐賀県立唐津特別支援学校は、知的障がいや肢体不自由などの障がいがある児童・生徒が通う学校です。生徒たちは日常生活のリズムを整え、基本的な生活習慣を身につけたり、社会的に自立して生活することを目指して、日々の学校生活を送っています。小学部・中学部・高等部にわかれ、小学部には44名、中学部には33名、高等部には65名が在学しています(2025年5月1日現在)。
特別支援学校とは
特別支援学校とは、身体や精神に障がいのある子どもたちが学ぶ学校のことです。2007年(平成19年)、学校教育法の改正により、それまでの養護学校・盲学校・聾学校が統合される形で特別支援学校が誕生しました。
特別支援学校では、幼稚園・小学校・中学校・高校に準ずる教育が行われ、さらに障がいによる学習面・生活面での困難を克服して自立を図るための知識や技能を育むのが目的とされています。現在全国には1,524校の特別支援学校があり、約20万人が在学しています。
「九州力作野菜®」販売会・イベントレポート!
午前11時、野菜の販売会がスタート!この日準備された野菜は、大根、白菜、ホウレンソウ、チンゲンサイ、アーサイの5種類、合計120個です。販売会の前日に収穫されたばかりの、見た目もぴかぴかの新鮮野菜です!

緑が目にまぶしいアーサイ。白菜や高菜の仲間なのだそう。

ブロッコリーは芯までやわらか。みずみずしく、本当においしい!
販売会に参加した生徒さんは5名。接客係や会計係など、それぞれの得意な仕事を分担します。

お客様との会話が得意な生徒さんは接客係です

生徒の坂本さんは計算が得意。商品の合計金額をパッとお客様に伝えます。お金を受け取ったら売り上げを集計。得意なことを生かした仕事ぶり、お見事です
販売開始直後から、続々とお客様が野菜を手に取ります。

おいしい「九州力作野菜®」をたくさん抱えて、いざお会計!

自分たちが作った野菜を、お客様がお金を出して買ってくれる。得難い経験です
なんと開始からわずか40分少々で、用意したお野菜は完売。販売会は大成功のうちに幕を閉じました。

「好きな野菜はホウレンソウ。今日はお客さんがたくさん来てくれて、たくさん買ってくれて、うれしかったです」(坂本さん)
「新鮮できれいなお野菜って、買うとワクワクしますね」
ではここで、実際に「九州力作野菜®」をお買い上げいただいたお客様にお話を聞いてみます!

お客様A
大根と、ホウレンソウと、アーサイ。ちょうど今日、孫が来るから、ちょっと食事を作ってあげたいなと思って
お客様B
新鮮で生き生きしてる!葉っぱがとてもきれいで、見たことないくらい。しかも、お値段も安くって。いいものを買うのって、ワクワクしますよね
お客様C
アーサイという野菜は、ちょっと苦みがあるんだけどおいしいの。1/4くらいに切ってベーコン巻いて、蒸し焼きにします
「九州力作野菜®」によって生徒たちの世界が大きく広がる体験になった
味の素社のバイオサイクルは、環境課題の解決に貢献しながらおいしい野菜づくりの一助となる仕組みです。いわば循環型社会の実現に向けた仕組みですが、ここから今回、新たな取り組みの広がりが生まれました。
味の素社はコプロを活用した「たい肥」を唐津特別支援学校に無料で提供し、同校農芸班の生徒たちが野菜の栽培を行い、イオン九州は野菜の販売会場に店舗のスペースを提供する。この体制は、唐津特別支援学校の生徒たちにとって「社会とのつながりを体験する機会」の創出にもつながっています。
販売会終了後、唐津特別支援学校の樋口英司先生にお話を伺いました。
樋口先生:大勢のお客様に野菜を買っていただけて、生徒たちもとても喜んでいました。生徒たちにとって、野菜がどんどん売れるのも喜びですし、お客様に声をかけていただくのも喜びだったと思います。

唐津特別支援学校 教諭 樋口英司先生「販売会のあと、生徒たちはイオンの中で散策を楽しみます。卒業前のよい思い出作りにもなるでしょう」
樋口先生:販売会は、土づくりから草取り、栽培、収穫、商品へのシール貼りなど、さまざまな体験の集大成。生徒たちにとっては、働く力を養うための大きな機会であり、「九州力作野菜®」を通じて世界が大きく広がる体験になりました。また、私たち教員にとっても新しい人たちに出会い、学ぶ機会となる素晴らしい経験でした。
今回販売会に参加した高等部3年生は3月で卒業ですが、すでに後輩たちが次のシーズンの野菜作りに取り組んでいるそうです。
地域との共生は欠かせない。他の学校もどんどん参加してほしい
イオン九州の福山博久マネージャーは、今後はほかの特別支援学校や農業高校など、この取り組みに参加してもらう学校を増やしていきたいといいます。

イオン九州マネージャー 福山博久さん
福山さん:当社は流通業ですから、地域密着や地域社会との共生は欠かせません。特別支援学校の皆さんが作った野菜を販売させていただくのも、その取り組みのひとつ。学校も生徒さんも、社会との関係は重要です。その一助として、我々のことも活用してほしいと思います。
「九州力作野菜®」ブランドのビジョンについても語ってくださいました。
福山さん:今後は「九州力作野菜®」ブランドを、もっと広く浸透させていきたいですね。今は農作物が中心ですが、将来的には加工品の開発を進めていきたいと考えています。今後、さらに多くの方々に知ってもらい、食べていただきたいですし、ブランドの広がりがあることで社会貢献につながると考えています。
バイオサイクルから広がったDE&I
味の素社九州事業所の多良千鶴さんは、バイオサイクルから生まれた「九州力作野菜®」がきっかけとなり、DE&Iの取り組みへとつながっていることに大きな意義があると語ります。
多良さん:「九州力作野菜®」の栽培や販売などの経験をきっかけに、生徒さんたちに自分たちも同じ地球に生きる仲間なんだということを感じてもらえたらうれしいですね。今後もこの取り組みを通じ、一人でも多くの子どもたちが、平等に社会に参加し、社会のことを考える機会を創出していけたらと思っています。
多良さんは「九州力作野菜®」の取り組みを通じて、共創による社会課題の解決への意識が高まったといいます。
多良さん:「九州力作堆肥®」を使っていただいている農家さんの手を見ると、その手には我々の手とは比べ物にならない歴史や大切な思いが宿っているのがわかります。このような出会い、経験をすると、企業として経済価値を高めることは大切ですが、同時に社会価値を高めることも大切だと身にしみます。

味の素社九州事業所 多良千鶴さん「コプロを使って取り組みたいことはもっとたくさんあります」
多良さん:「九州力作野菜®」のプロジェクトとは、私のASVそのもの。私たちにできることは小さいかもしれませんが、会社の外に出ていくことで取り組みの輪が広がっていく可能性があると信じています。今後も熱意をもって取り組みを推進していきたいです。

唐津特別支援学校、イオン九州、そして味の素社。三者が手を取り合って進めた取り組みは、それぞれにとって素晴らしい実りをもたらすものとなりました。
「九州力作野菜®」の取り組みから、生徒たちの社会参加の機会が生まれ、さらにそこからDE&Iへの取り組みとして、新しい共創の輪が広がっていく販売会だったと思います。
これからも、味の素グループは、アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献していきます。次の取り組みがどんな実りをもたらすか?ぜひ、ご期待ください!

多良 千鶴
アミノサイエンス事業本部九州事業所企画部企画管理グループ
現在、事業所内のコプロダクトの高付加価値化、マーケティング・販売を担当。
どんなときも「ありがとう」の感謝の気持を忘れず、笑顔とともに本音のコミュニケーションを心がけています。
趣味は海外旅行。中でも、トルコとモロッコが大好きです。
2026年4月の情報をもとに掲載しています。