基礎より手前の料理のギモン

ロース、バラ、ヒレ、そしてサーロイン!調理の前に知っておきたい牛肉の部位と特徴を徹底解説!

料理ができたらいいな……と思ってはいるものの、レシピを見てもどこから手をつけていいのかわからない。スーパーマーケットに行ってもどんな食材や調味料を買えばいいのかわからず、ただただ立ち尽くす……。
そんな非料理男子のフリーライターMさんが、予備知識以前のギモンや謎(?)を解明し、料理男子を目指します。
今回のテーマは「牛肉」。鶏肉や豚肉以上にややこしい部位問題にMさんはまたもや困惑!ステーキをおいしくいただける部位はいったいどこなの!?

熱々ステーキに舌つづみ、のはずだったのに......

こんにちは。非料理ライターのMです。この連載記事では、過去2回に渡って「鶏肉」「豚肉」を攻略してきましたが、今回は「牛肉」のお話。何を隠そう、僕は牛肉にも痛い目を見ているのです。それは自宅でステーキを楽しもうと思っていたある日のこと。ちょっと奮発したかったので、肉の種類が充実しているスーパーマーケットに行きました。

お肉コーナーには、目当ての牛肉がよりどりみどり。よしよし狙いどおり。ひとり悦に入ってステーキ用肉に手をのばしかけると......あれれ? ステーキ用の肉だけでもめちゃくちゃ種類が多い!「肩ロース」や「ヒレ」「ランプ」「サーロイン」など、部位ごとにカットされているようで、赤身が多いものもあれば、脂肪が適度に入っているものも。どの部位を選んでもハズレはなさそうですが、鶏肉や豚肉よりもちょっと割高なだけに、踏ん切りがつきません。

あれこれ悩んだところで、おなかがグ~っと情けない音をたててタイムオーバー!結局、チェーン店で牛丼をテイクアウトすることとなったのです。

またいつものパターンか!? といわれそうですが、じつのところ、牛肉は鶏肉や豚肉よりも部位がややこしいんです!リサーチしてみると、加工の仕方によっては数十種類に分割できるそうです。

それでは、牛肉の部位はそれぞれにどんな特徴があるのでしょうか。すべての部位を網羅!とはいきませんがスーパーでもよく見かける部位を見ていきましょう。

牛肉の部位

「肩ロース」は、ステーキ、焼肉どんとこい!の王道部位

まずは、大きい部位のひとつ「肩ロース」を。「肩ロース」は肩から背中にかけての肉です。比較的動かす部位で、やわらかい食感と適度な脂が楽しめます。厚切りでも薄切りでも美味。ステーキ、焼き肉、しゃぶしゃぶ、すき焼きなどの幅広い料理に活用できます。「肩ロース」のあばらに近い部分「ザブトン」は、細かなサシ(網目状に入った脂肪)が均一に広がっており、脂の甘みと肉のうま味ともに絶品。また「肩ロース」は、同じくステーキに使われる「リブロース」や後述する「サーロイン」よりもお値打ちです。

肩ロース(牛肉)

「ヒレ」は、赤身なのに見た目を裏切るやわらかさ!

「ヒレ」は脊椎の下の部分、腰のあたりについている肉。「ヒレ」は肉質がきめ細かく、あまり筋肉を使わない内臓のそばにあることもあり、もっともやわらかいとされています。脂肪が少なくさっぱりとした口あたりは「ヒレ」だからこその味わいです。調理の際は、ステーキ、ローストビーフ、カツレツなどの揚げ物、焼き物でどうぞ。ちなみに、希少部位として知られる「シャトーブリアン」は「ヒレ」のもっとも太い部分にあたります。

「シャトーブリアン」という一風変わったネーミングは、19世紀フランスの政治家フランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアンに由来。美食家と知られるシャトーブリアンがこよなく愛した部位であったため、彼の名が付けられたのだとか。また、ステーキでおなじみの「サーロイン」は「ヒレ」の上についている肉です。

ヒレ(牛肉)

「バラ」は、赤身と脂が調和する濃厚な味わい♪

「バラ」は、あばら骨周辺の部位。赤身と脂肪が層になっているのが「バラ」の特徴です。その独特の見た目から「三枚肉」といわれることもあります。「バラ」は、繊維質が多いため、しっかりとした嚙みごたえが楽しめます。サシが入りやすい部位なので風味も濃厚です。焼き肉や牛丼、煮こみ料理などに使われます。

バラ(牛肉)

脂ひかえめの「モモ」は、かたまりでの調理にぴったり

肉の脂がちょっと苦手な人は「モモ」をどうぞ。「モモ」は、脂肪が少ない赤身肉で、肉質もやわらか。かたまりで調理する料理に向いていて、ローストビーフや牛たたきなどがおすすめ! また「モモ」からとれる「ランプ」は、ステーキでも人気の部位で肉らしい味わいと力強い歯ごたえが魅力です。

モモ(牛肉)

じつは別物!「和牛」と「国産牛」の違いとは

「和牛」の肉が少々お高いのは、おいしいだけに消費者からの需要が高く、そのうえ飼育に手間もかかるためです。

そこで気になるのが「和牛」と「国産牛」の違いです。じつはそれぞれ定義が決まっており、「和牛」は日本の在来種に外来種を交配した「黒毛和種」「褐毛(あかげ)和種」「日本短角種」「無角和種」の4品種と、その4品種どうしの交雑牛を指しています。

一方の「国産牛」は、日本国内で肥育された和牛以外の牛のこと。品種を問わず、外国種や輸入牛でも3か月以上国内で肥育されると「国産牛」扱いになります。

このごろは、食感や味を肉に似せた植物由来の食材「代替肉」も注目を集めています。近い将来「和牛」のおいしさを再現した代替肉が生まれる可能性も。いずれにせよ食事はバランスが大切。 野菜も肉も偏りなく積極的に摂りましょう。

たんぱく質を摂取することがなぜ必要なのか?また、世界中の人々に良質なたんぱく質を摂取してもらうために、味の素社がどんな活動をしているのかをご紹介します。

時は満ちた!いよいよステーキの自炊にリベンジ!

さあ、付け焼刃ではありますが、牛肉の特徴をざっくり知ることができました。となれば、さっそくステーキにリベンジです!今回は、厚さ2センチはあるステーキ用の「肩ロース」を購入。重さにしておよそ300グラム。我が自炊史上初の横綱級の肉です。

肉のうま味を味わいたいので、味つけはシンプルに塩こしょう! 味の素社自慢の「瀬戸のほんじお®」の出番です。肉に厚みがあるので両面を2分ほどしっかり焼いて、仕上げは肉の余熱で中まで火を通します。

ステーキをお皿に盛りつけたら、あとはがっつくのみ! 香ばしい焼き目のついた肉を嚙みしめると、肉汁がジュワっと弾けます。さらに「瀬戸のほんじお®」が牛肉のうま味を引き立てる、おいしさの波状攻撃がたまりません。

牛肉は、シンプルなレシピで、おいしくいただけるのもうれしいところ。また、身体づくりに欠かせない「たんぱく質」をはじめ、エネルギー代謝をスムーズにする「ビタミンB群」や血液中の赤血球を作るためにも必要な「鉄」なども摂れてしまいます。自宅でも、ちょっとぜいたくにパワーチャージをしたい!という方は牛肉レシピにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

今回は「肩ロース」のステーキにチャレンジ。初めてにしては上出来でした。

今回は「肩ロース」のステーキにチャレンジ。初めてにしては上出来でした。

2022年4月の情報をもとに掲載しています。

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