活動レポート

味の素グループの提唱する「妥協なき栄養」とは③
「たんぱく質」の量と質のイノベーションが世界の常識を変える

味の素社は栄養へのアプローチとして「妥協なき栄養」というテーマを掲げ、世界の人々の健康を支えるために活動しています。

今回の記事では、味の素グループの「妥協なき栄養」というアプローチから、とくに重要な取り組み項目の一つである「たんぱく質摂取促進」についてご紹介します。

たんぱく質を摂取することがなぜ必要なのか?また、世界中の人々に良質なたんぱく質を摂取してもらうために、味の素社がどんな活動をしているのかご紹介しましょう。

たんぱく質は「生活の質」に深く関わる大切な栄養素

「たんぱく質を摂りましょう!」最近、あちこちでこうした呼びかけを目にしませんか?

たんぱく質は筋肉のもと。食事によって私たちの体に摂り込まれるたんぱく質は、体内でアミノ酸に分解されて吸収され、最終的にアミノ酸が連結して、たんぱく質となり筋肉などに変化していきます。

人間誰しも加齢とともに筋肉量は減少していきます。筋肉量が低下すると、歩いたり走ったりが面倒になり、外出もおっくうに。こうして運動量が減ることで、筋肉はますます衰えていきます。

筋肉が衰えることで、平らなところを歩いていてもつまずいて転倒することもあり、もしそのときに骨折してしまうと、寝たきり生活につながる可能性もあります。このように、筋肉量の低下によって、自立した生活を送ることが難しくなってしまう場合もあるのです。

筋肉量が減少する速度を落とすには、適度な運動と良質なたんぱく質を摂取することが大切です。

しかし、WHOの調査によれば、世界の高齢者の2割はたんぱく質などの必要栄養素を摂取できていません。栄養不足は筋力低下だけではなく、認知機能(理解、判断、論理などの知的機能)の低下にもつながるといわれています。

認知機能の低下には、赤血球数、HDLコレステロール値、血清アルブミン値のそれぞれが、目安の1つになります。その中で、血清アルブミン値は栄養状態を表す目安の一つで、この値が低いと認知機能低下のリスクが高くなることが分かっています。そして、血清アルブミン値はたんぱく質量が少ないと低下するのです。

とくに高齢者は、たんぱく質を摂らないことで、悪循環に陥りがちです。それは「運動をしない→食欲がない→たんぱく質や必要栄養素をあまり摂らない→足腰が弱る→転倒のリスク上昇→転倒した場合骨折しやすい→寝たきりの可能性が高くなる」というループです。

そしてまた、経済的に恵まれなかったり、地理的に良質なたんぱく質を手に入れづらかったりする人も、世界各地(もちろん日本にも)に存在します。

日本は世界の中でも高齢化が進んでいる国です。味の素社は日本の企業として、高齢者がもっとたんぱく質を摂れるようにさまざまな活動をしていますが、日本での取り組みが良い結果を出せば、世界各国の高齢者に向けても同じようにたんぱく質の摂取量を増やすお手伝いができると考えています。

「たんぱく質摂取促進」の具体的な取り組みは?

味の素社でのたんぱく質摂取促進の取り組みを大きく分けると、

①調味料や配合技術でたんぱく質をおいしく食べやすくする

②質の低いたんぱく質に不足しているアミノ酸を補足し、質を上げる

という2つです。

①では、適切なたんぱく質摂取をサポートする商品として、「クノール®」からは「たんぱく質がしっかり摂れるスープ」が、また「メディミル®」からはたんぱく質を高配合した「プリン カスタード」が登場しています。

②では、代替肉をおいしくするうま味素材の開発と提供です。代替肉とは、植物から作られた、食感や味を肉に似せた食材です。良質なたんぱく質が摂れるよい食材ですが、一方で「肉のうま味が感じられない」「味に満足できない」という声も根強くあります。味の素社ではアミノ酸技術を使って、この代替肉をおいしく、肉っぽい味を感じられるものとして食べられるうま味素材(グルタミン酸ナトリウム)を開発しています。

味の素社ではさまざまな角度から、おいしく、また手に入りやすい仕組みを作り、たんぱく質を摂れない事情のある方々の課題解決や、寝たきりにならずに健康寿命を延ばすことを目指すと同時に、世界の人々の健康と食の課題を解決していきます。

(左)「クノール®」たんぱく質がしっかり摂れるスープ
(右)たんぱく質高配合 「メディミル®」プリン カスタード

「たんぱく質摂取促進」の味の素社のビジョン

味の素社は、世界のあらゆる人々がたんぱく質を摂取できるようにさまざまな取り組みをしています。量が食べられない人向けに高たんぱく食を、植物性たんぱく質をおいしく食べるためにうま味の利用をというように、味の素社の技術と蓄積された知識を使い、この難題に取り組んでいます。

味の素社の取り組みは、国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)17項目のうち「2.飢餓をゼロに」「3.すべての人に健康と福祉を」の解決策の1つとなると考えています。さらに、植物から作るたんぱく質を活用することで、「13.気候変動に具体的な対策を」という項目にも貢献できると考えます。

世界の人々が健康であるように、そして人と環境を取り巻く課題解決の役に立てるように......。味の素社が真に目指すものはそこにあります。

SDGs
Japan SDGs Action Platform(外務省サイト)

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html

持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。

2021年10月の情報をもとに掲載しています。