従来の「Cook Do®」にはなかったコンセプトを打ち出し、発売3年で累計約2,500万食を突破!さらにブランドのLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)向上にも貢献しているそうです。
長年愛されてきたブランドで、なぜ大胆な挑戦ができたのでしょうか。また、それがLTVにどのような影響を与えているのでしょうか? その理由を探るため、「非料理系男子」のライターMさんが、コンシューマーフーズ事業部 メニュー食品グループ 德永 拓弥さんを直撃。「開発にあたって、きっとひと悶着あったはず……」と身構えていたところ、意外な答えが返ってきました。

德永 拓弥
味の素株式会社
コンシューマーフーズ事業部
メニュー食品グループ
「リミッター解除」で、本格派も唸る麻婆豆腐へ
ーーーまずは「Cook Do®」 極シリーズについて教えてください。
德永さん
「Cook Do®」 極シリーズは、これまでの「Cook Do®」から一歩踏みこんで、より本格的な味わいを追求したシリーズです。「リミッター解除」をテーマに、食卓に感動を届けることを目指しました。
ーーー「リミッター解除」ですか! まさに「極」の名にふさわしいですね。
德永さん
おかげさまで、現在では約2,500万食(2026年8月時点)を売り上げるまでになっています。ちなみに、よく「Cook Do®」極(きわみ)と呼ばれることがあるのですが、正式名称は「Cook Do®」極(プレミアム)なんですよ。

ーーーいまのいままで「きわみ」だと思っていました。では、どのあたりが「プレミアム」なのでしょうか?
德永さん
たとえば、シリーズ第一弾の〈極 麻辣麻婆豆腐用〉では 「ホンモノの麻婆豆腐好き」を想定して、原料一つひとつから厳選しています。熟成豆板醤やそら豆味噌、辣醤、豆豉、花椒......と、一般のご家庭ではなかなか揃えられないものばかり。さらに辛さレベルもMAXの「7」に設定しており、しっかりとした辛さを堪能できます。
ーーー商品パッケージのデザインも、ゴージャスな雰囲気ですね。
德永さん
通常、商品パッケージの表面には料理の完成写真を使うのが一般的です。けれども、「Cook Do®」極シリーズでは、あえて原料の写真だけを並べています。色使いも落ち着いたトーンにして、素材そのものの魅力を伝えるデザインに。加えて高級感あふれるマット素材にブランドロゴや「極」の文字には箔押しを施すなど、通常の「Cook Do®」とはひと味違う雰囲気になっています。

「Cook Do®」極(プレミアム)シリーズ。左から麻辣麻婆豆腐用(マーラーマーボドーフ)、華辣麻婆豆腐用(ホアラーマーボドーフ)、麻辣回鍋肉用(マーラーホイコーロウ)、香辣麻婆茄子用(シャンラーマーボチェズ)
常識にとらわれず、大胆な商品開発に挑んだ理由とは
ーーー安定の「Cook Do®」シリーズがあるのに、どうして突然ギアを入れ替えて「尖った」商品をつくろうと思ったんですか?
德永さん
「Cook Do®」はもともと「家族みんなで食べられること」を大切にしてきました。大人から子どもまで、幅広い世代においしく食べていただける味を目指し、3~4人前つくれる「Cook Do® きょうの大皿」シリーズなども展開しています。
一方で、生活者のライフスタイルや家族のかたちは変化しており「家族みんなで」という枠だけでは応えきれないニーズも見えてきました。
ーーーたしかに、若いカップルや子育てを終えたご夫婦など、より自分の好みに合った味を楽しみたいという世帯もありますよね。
德永さん
さらにコロナ禍をきっかけに、自炊する機会が増えたことも大きかったと思います。在宅勤務や外出自粛によって、自宅で過ごす時間が長くなった結果「本格的な料理に挑戦したい」というニーズも高まっていたんです。
市場の動向にともなって、メーカー各社でも原料や製法にこだわった合わせ調味料への関心が高まっていました。それならば、味の素社でも競合他社がマネできない「尖った」商品をつくってみようじゃないか!と「Cook Do®」極シリーズの開発が動き出しました。
ーーーとはいえ、シリーズ第一弾で「辛さMAX」は尖りすぎなのでは......?
德永さん
一般的にはレベル4の「中辛」くらいからはじめて、シリーズを広げていくのが定石かもしれませんね。しかし、我々開発陣には「食を通じて、圧倒的な驚きや感動を伝えたい」という熱い思いがありました。とくに、本格的な麻婆豆腐好きのために、大衆に迎合しない麻婆豆腐を開発するうえでは、やはりまずは本格派もうなる辛口だろうと。
それを実現するためには、一切妥協せずにとことんこだわる必要がありました。その分、価格も上がってしまうのですが、コスト削減を優先してしまったら、競合製品と差別化できなかったでしょう。

ーーーそこまで思い切るなら、イメージが定着したブランドではなく新ブランドを立ち上げるという手段もあったのでは?
德永さん
いいえ、当初から「Cook Do®」シリーズで挑戦する予定でした。理由は大きく2つあります。
一つは、長年培ってきた「Cook Do®」のブランド力です。前例のない試みであっても、「『Cook Do®』シリーズなら、きっとおいしいだろう」と一定の安心感から手を伸ばしていただけるのではないかと考えました。これがもし新しいブランドだったら、不安で多くの人に手に取ってもらえなかったかもしれません。
もう一つは「Cook Do®」のおいしさを多くの方に届けるためです。先ほどお伝えしたように「Cook Do®」は家族向けの製品として定着していて、それ以外の世帯には選択肢に挙がりにくい面がありました。「Cook Do®」の魅力を知ってもらううえで「Cook Do®」極シリーズは新たな入口になると期待していました。
ーーーう~ん、長年愛されてきたブランドだからこそ、思い切った商品を打ち出すのは勇気が要りそうです。
德永さん
そうかもしれませんね。けれども、社内から反発の声が上がるようなこともありませんでした。それに今回のような試みは「Cook Do®」極シリーズだけに限った話ではないんです。従業員の意見を尊重し、挑戦を積極的に促す。それが味の素社の強みだと思っています。
ーーーえっ!?前例のない取り組みは社内の根回しが必要なイメージですが、そいういったこともなかったんでしょうか?
德永さん
はい、そういったことはありません。開発陣で意見がぶつかることもありますが、それは「よりよい製品をつくりたい」という共通の思いがあるからこそ。本音で語り合える環境だから、上司も部下も目指す方向を共有しやすく、プロジェクトにも推進力が生まれます。
生活者に寄り添う姿勢が、ブランドのLTVを育てる
ーーー実際に販売を担うスーパーマーケットなどの小売店からの反響が気になります。
德永さん
思いもよらない新シリーズに、戸惑った担当者もいたそうです。なかには「本当に売れるの?」と、半信半疑の声もあったとか。しかし、いざ蓋を開けてみると、販売開始直後から好調なスタートを切りました。瞬く間に出荷数が伸び、取り扱い店舗は2年足らずで1.6倍に増えました。
ーーー2年で1.6倍!?まさに快進撃ですね。
德永さん
味の素社の製品だけでなく、中華の合わせ調味料はさまざまなメーカーがしのぎを削っています。しかし、小売店の商品棚はスペースが限られており、それに加えて半期ごとに新商品が登場します。入れ替わりが激しい状況で「Cook Do®」極シリーズを取り扱っていただけていることに感謝しています。
ーーー定番商品で埋め尽くされている棚に、新しいシリーズを置いてもらうだけでも大変だと聞きます。それを考えると、かなりすごいことですよね。
德永さん
「Cook Do®」に馴染みがなかったお客様の獲得にもつながっています。じつは「Cook Do®」極シリーズを購入しているお客様の半数近くは、1年以上「Cook Do®」を購入していなかった方々です。通常の「Cook Do®」は約7割がリピーターで構成されていることを踏まえると「Cook Do®」極シリーズは「Cook Do®」ブランドにとって、新しいお客様との接点を生み出しているといえるでしょう。また、中華合わせ調味料の新規獲得率も高く、カテゴリーの活性化にも貢献しています。
德永さん
また、購買層にも、はっきりとしたすみ分けが見られます。通常の「Cook Do®」は家族世帯を中心に購入されている一方、「Cook Do®」極シリーズは若年夫婦やシニア夫婦から支持されています。
ーーーということは、これまで「Cock Do®」シリーズから遠ざかっていた人や、新規のお客様が増えたわけですよね?
德永さん
はい、いわゆるLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を長く積み上げていけるブランドになっていると感じています。
ーーーLTVを長く積み上げていける、とは??
德永さん
つまり、最初は「Cook Do®」極シリーズへの関心からスタートして、家族が増えたら通常シリーズに移行。さらに年を重ねて、夫婦の時間に余裕ができたら、再び「Cook Do®」極シリーズへ。生活者の方からすれば、「Cook Do®」ブランドはライフステージに寄り添う存在になっているわけです。

「LTV」ってなに?
LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)とは、一人のお客様が商品やサービスを利用し続けることで生まれる利益のことです。商品を1度だけ購入して終わるよりも、繰り返し購入してもらえれば、LTVも大きくなります。
企業にとって、LTVの向上や最大化は重要なテーマです。しかし、既存顧客のニーズが多様になった現在、長く選ばれ続けるブランドをつくることは、そう簡単ではありません。10年、20年先もお客様と信頼関係を築いていくためには、暮らしの変化に目を向け、商品をアップデートしていくことが欠かせないのです。
ーーーLTVという意味では、そもそも「Cook Do®」は半世紀も続いているブランドです。担当者も交代するでしょうし、人事異動もあるでしょう。「Cook Do®」のブランドをどのように受け継いでいるのでしょうか。
德永さん
中期戦略をしっかりと書き切って、次の担当者に引き継いでいきます。また、目指す方向性を明確にするため、ブランドの存在意義や提供価値を整理する味の素社独自のフレームワーク(ブランド規定)である「ブランドスプーン」を活用しています。
時代に合わせて、柔軟に新しい要素を取り入れることも大切です。ただ、開発を進めるなかで「これは『Cook Do®』らしさから外れていないか?」と迷いが生じたときには「ブランドスプーン」に立ち返る。そうすることで、変えるべきところと、変えてはいけないところを見極めています。
変わりゆく食卓に「Cook Do®」はどう応える?
ーーー「Cook Do®」はこれからどのように進化していくのでしょうか? 今後の展望を教えてください。
德永さん
家族人数やライフスタイルの変化にともなって、少人数での家庭内食卓機会はますます増えていくと考えられます。通常の「Cook Do®」も時流に合わせてもっと使いやすく改訂したり、2~3人前用の「Cook Do®」極シリーズのマーケティング活動にも、より一層注力していきたいですね。
あとは、昨今の物価高騰による節約志向にも対応できるようなラインナップの強化も検討していきたいと思っています。
ーーーこれまでの取り組みが味の素社のパーパス「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」と通じる部分はありますか?
德永さん
はい、「Cook Do®」シリーズは、味の素社のパーパスにもつながっていると思います。「Cook Do®」を使えば、お肉も野菜もおいしく食べられるので、必要な栄養がしっかり摂れる。それがWell-beingの第一歩になるのではないでしょうか。
実際に「Cook Do®」の〈回鍋肉用〉で、お子さんの野菜嫌いを克服できたというお客様もいらっしゃいます。それもまた、食を通じた驚きや感動ですよね。よりよい商品を届けるために、これからも「Cook Do®」に情熱を注ぎ続けていきます。
ーーーそんな話を聞いたら、今日の夕飯を「Cook Do®」にするしかないじゃないですか!「Cook Do®」が長く愛されている理由がよくわかりました。

LTVという言葉が浸透するずっと前から、「Cook Do®」は、お客様の食卓に寄り添ってきました。そこに「Cook Do®」 極シリーズが加わり、新たなニーズにも応えてきました。その進化はこれからも続き、時代の変化に合わせて、「Cook Do®」のあるべき姿を追求していきます。
味の素グループはこれからも、「Cook Do®」をはじめとするさまざまな製品を通じて、毎日の食卓においしさや楽しさを届けながら、世界中の人々のWell-beingに貢献していきます。
2026年(令和8年)8月、「Cook Do®」極シリーズに新たなアイテムが加わりました!
2026年(令和8年)8月22日、「Cook Do®」極シリーズに〈極 華辣麻婆豆腐用〉が仲間入りしました。刺激的な辛さが魅力の〈極 麻辣麻婆豆腐用〉に対し、今回の〈極 華辣麻婆豆腐用〉は「中辛」レベルのほどよい辛さ。その分、独自開発した「香辣油」の華やかな香りを存分に堪能できる一品です。
鮮やかな紅色の「香辣油」が、見た目にも上質感を演出。ほのかな甘みとスパイスの余韻があとを引き、もうひと口、さらにもうひと口と箸が進んでしまうはず。〈極 麻辣麻婆豆腐用〉との食べ比べもおすすめです。

德永 拓弥
味の素株式会社
コンシューマーフーズ事業部
メニュー食品グループ
2015年入社。東京で家庭用営業を経験した後、事業部門へ異動。
「鍋キューブ®」や「パスタキューブ®」、「Cook Do®」、「Cook Do®きょうの大皿®」、「スチーミー®」等、複数ブランドの販売マーケティング業務を経験した後、「Cook Do®KOREA!」の開発マーケティング業務を経て現職。現在は、「Cook Do®」中華合わせ調味料の製品開発全般を担当。ひとりでも多くの生活者に「Cook Do®」の魅力を広げるべく、日々新たな施策への取り組み、製品開発にチャレンジ。
2026年10月の情報をもとに掲載しています。


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