活動レポート

「調理の楽しさ」「共食」はWell-beingの秘訣?ギャラップ社との世界的な共同調査からわかったこと

日頃料理をしない人でも、家族や友人のために料理をつくるときや、だれかと一緒に食事をするとき、なんとなく幸せでポジティブな気分になれる。そんな経験はありませんか?

味の素グループでは、「調理の楽しさ」や「共食(=だれかと一緒に食事をすること)」とWell-beingとの関係を示した調査を実施し、その結果をレポートしています。
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2023_12_01.html

栄養バランスのとれた食事には、さまざまな利点があることはすでに過去のリサーチで判明しているそうですが、「調理の楽しさ」と「共食」の利点に関するエビデンスは少なく、とくに「調理の楽しさ」に関するエビデンスはありませんでした。

今回の調査ではアメリカの調査会社ギャラップ社と協働し、ギャラップ社が世界142カ国を対象に実施した世論調査「GALLUP WORLD POLL(GWP)」の2022年版において、「調理の楽しさ」「共食」が主観的Well-beingに与える影響に関する調査を行いました。

さて、今回の調査から何がわかったのでしょうか。また、味の素グループではこの得られた調査結果から、今後どのような展開を考えているのか、味の素社サステナビリティ推進部の柴草哲朗さんに質問をしてみました。

ギャラップ社とは
ギャラップ社(Gallup, Inc.)とは、コンサルティングおよびグローバルリサーチを主業務とするアメリカの調査専門会社です。近年では従業員エンゲージメントサーベイなどで話題になることも多く、長年の研究に基づいた分析、コンサルティング、人財開発アプローチを活かし、企業を変革可能な組織へと導く活動が注目されています。ギャラップ社の世論調査「GALLUP WORLD POLL(GWP)」は2005年以来、約150カ国(2022年は142カ国)を対象に行っており、人々のWell-beingについて定期的に調査しています。また、GWPデータは国連の世界幸福度報告書やOECDの Life Better Index等に採用されています。

Q1. なぜ、今回の調査を行ったの?

わたしたち味の素社は、これまでもアミノサイエンス®を強みとし、科学的な知見に基づき、栄養改善の取り組みや、ヘルスケア事業などを通じて、おもに身体的な健康を高めようと取り組んできています。

これからはさらに、料理の楽しさや食事の時間までを含めた「食」を通じて、「こころの豊かさ(主観的なウェルビーイング)」へ貢献していきたいと考えています。

しかしながら、「食」が豊かになれば、ほんとうに「こころも豊か」になるかに関する知見が世の中になかったため、それを裏付ける理由を探るべく、アメリカの世論調査会社であるギャラップ社(Gallup, Inc.)と、世界規模の調査を実施しました。

Q2. 調査はどのように進めたの?

ギャラップ社では2005年より世界約150カ国・地域を対象に、世論調査「GALLUP WORLD POLL」を行っており、人々のウェルビーイングについて定期的に調べています(2022年は142ヵ国で実施)。

1カ国あたり約1,000人に対して、100以上の質問を対面や電話で30分かけてインタビューします。

このデータは国際連合の『世界幸福度報告書』や、OECD(経済協力開発機構)の幸福度調査である『Better Life Index』などにも採用され、とても信頼性が高いことが知られています。

ギャラップ社からも食とウェルビーイングに関する調査について関心を持っていただいたこともあり、味の素社はギャラップ社と提携し、2022年版調査にて「料理の楽しさ」と「誰かと一緒に食事をする頻度(共食頻度)」について、下記の3つの質問を加えました。

過去7日間を振り返って、
1. あなたは料理を楽しんでいますか?
2. あなたの知っている誰かと何日ランチを食べましたか?
3. あなたの知っている誰かと何日ディナーを食べましたか?

Q3. 調査の結果で何がわかったの?

これらの質問への回答と、GWPで調査している主観的Well-beingとの関係性を分析した結果、過去7日間に「調理を楽しんだ人」は、「調理を楽しまなかった人」「調理をしなかった人」と比べてWell-beingを実感する可能性が統計的に有意に1.2倍高いこと、また、共食頻度が高くなるにつれて主観的Well-being指数が高く なることがわかり、調理を楽しんだり、他の人と一緒に頻繁に食事をしたりすることは、主観的Well-beingに貢献することが世界規模で明らかとなりました。

Q4. このデータを活用して、今後どのように役立てる?

食べるために料理をしたり、家族や友人と食事をしたりすることは、世界中のあらゆるところで行われてきた、ありふれた日常のワンシーンに思えるかもしれません。

でも、今回の世界的な調査結果によって、調理を楽しむこと、誰かと一緒にたべるという活動がウェルビーイングであることの要素の一つであることが、世界共通の知見として解明できたのは、大きな発見です。

つまり、料理を楽しむことや誰かと一緒に食べることは、身体的な健康だけでなく、こころにも栄養を与えるということが分かったのです。

味の素社はこれからも、「Eat Well, Live Well」というコーポレートスローガンをもとに、世界中へ「おいしい!」を届けていきます。そして、世界中の人々に対して栄養を行き渡らせるだけでなく、さまざまな境遇の「食」を想像しながら、どうやったら調理を楽しめるかを追求し、誰かと一緒に食べる機会を提供したりしながら、こころの豊かさ(主観的なウェルビーイング)にも貢献していきます。

調査内容のくわしいレポートはこちらの記事をご覧ください。
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/activity/wtc/

2024年8月の情報をもとに掲載しています。

味の素グループは、アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献します

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