活動レポート

自分らしい「おいしさ」に出合える。
人々の食体験を豊かにする味の素社のWEBメディア「オイシサノトビラ」とは?

2023年(令和5年)11月30日にスタートした、味の素社の新たなWEBメディア「オイシサノトビラ」。人々が語るエピソードを通じて食の魅力を伝えていくという味の素社としてはまったく新しい試みです。

2024年(令和6年)3月末に目標としていたユーザー数を、スタートからわずか1か月半で達成するほど注目を集めているサイトということで、さっそく「オイシサノトビラ」編集部にメディアの特徴や今後の展開について話を聞きました。

味の素社の既存メディアとは一線を画す、「オイシサノトビラ」の特徴とは?

「おいしい記憶と出合いませんか。」

これは「オイシサノトビラ」のトップページを開くと、まず目に入ってくるキャッチコピーです。
このコピーを見て、これまで味の素社が運営してきた「AJINOMOTO PARK」や「ストーリー」などのサイトとは異なる、独自の世界観を感じられた方も多いのではないでしょうか。

「オイシサノトビラ」は、味の素社の既存メディアのように企業活動のレポートやレシピの紹介、製品のプロモーションを行うものではありません。 食そのものの紹介ではなく、人やライフスタイル、嗜好や考え方を中心に据えたコンテンツを展開するメディア として誕生しました。

実際にサイトを見ると、独自の審美眼を持つアンバサダーたちが、真に「おいしい」と感じた食事についてエピソードとともに紹介する記事が並びます。


各記事のトップに置かれた画像にあるのは、日常の食卓、とある街の風景、本棚の一角、自身のポートレートと多種多様。ただ眺めているだけでも、五感を刺激され、何か新しい発見がありそうな可能性を感じさせます。

なぜ、味の素社が「多様な食体験を紹介するメディア」を立ち上げたのでしょうか。そしてこのメディアを通してどんな未来を描いているのでしょうか。

自分らしい「おいしさ」を発見できる場所

これから、どんな「おいしい」記憶と出合いますか?

コンセプトは、人々が語る「おいしい」記憶のエピソードを通じて誰もが自分の日常の中に持つ自分だけの「おいしい」記憶に出合うきっかけづくりをすることです。


「オイシサノトビラ」は 「扉」と題した複数のテーマを設け、そのテーマに沿った独自のコンテンツによって構成されています。

今設定されているテーマは、「本と生き方」「人と時間」「パリの空気」「花と世界」「今日もていねいに。」「映像と記憶」の6つです。
本や花など食とは一見遠いテーマが選定されているように思われるかもしれません。しかし、食事と味わうことに限らず、空間そのものも楽しむ時間だと捉えてみると、そのテーマは大きく広がっていくでしょう。

「オイシサノトビラ」では、食そのものだけでなく食事をする空間や時間、そしてそこで共に過ごす人に関する多様なコンテンツを配信していきます。

生活者調査から見えてきた「食への充足感の希薄化」

「オイシサノトビラ」を構想する発端となったのは、2023年(令和5年)に味の素社で実施した食実態に関する生活者調査でした。

調査の結果から、「日々の食事について大きな課題は感じていなくても、満足しているわけではない」生活者が一定数存在していること、そして、多くの人々が食に対して強い思いを持っているわけではなく、食のマインドシェアが低下している可能性があるということが分かりました。

2023年(令和5年)味の素社による食実態に関する生活者調査


また、自分の望む価値観で自由に生き方を選択できる現代では、一方で「思いがけない発見や未知との出会いの可能性が狭まっている」と考えられます。

さらに食への興味・関心が薄まれば、新しい食を探求しようという思いも生まれません。多様な「おいしさ」に対してもっと興味を持ってもらうためには、人やライフスタイルから「扉」を開いてもらうことが必要ではないかーー。

そんな考えのもと、2022年(令和4年)6月「オイシサノトビラ」につながる新しいメディア立ち上げの企画が始まったそうです。

数あるテーマから「自分の扉」を見つけるのが楽しみに

ここからは、「オイシサノトビラ」編集部からのコメントをご紹介します。

ーーー「オイシサノトビラ」は、どんな読者層を想定していますか?

 「毎日なんとなく同じようものを食べている」「独り暮らしだったり、忙しくて食をないがしろにしがち」「人と食事をするのは面倒くさい。」というように、食に対して大きな課題を抱えているわけではないけれど、ポジティブではない方々にぜひ訪れていただきたいですね。

じつは私たちが日々なにげなく通り過ぎてゆく食事の中には、その人なりの自分らしい「おいしい」が詰まっていると思うのです。それは、高級なお店や栄養バランスばっちりの献立のように、いわゆる「人に話しても恥ずかしくない食事」ではなく、自分なりに「私の食事もいいかも」と思える瞬間を増やしてもらえるとうれしいです。

ーーー「本と生き方」「人と時間」「パリの空気」「花と世界」「今日もていねいに。」「映像と記憶」という6つのテーマは、どのようにして選定されたのですか?

まずは10万人規模の統計調査の結果から、生活者を10クラスターに分類しました。そこから各々のクラスターが持つ興味関心の領域・キーワードを抽出し、絞り込まれたのがこの6つのテーマです。

ーーーそれぞれのアンバサダーには何を期待しますか?

「おいしい」という感情は人それぞれであり、高級なものや特定のサイトで評価が高いものを誰もがおいしいと感じるとは限りません。そのため、独自の視点で自身の「おいしい」を語っていただくことを期待しています。
読者にとって等身大か少し憧れの存在として親近感を持てるアンバサダーたちのエピソードは、きっと「自分にもあてはまるかも」と共感できるのではないでしょうか。

アンバサダー紹介

ーーー「オイシサノトビラ」がスタートしてから、読者の方からどんな声が届いていますか?

記事を読むことで「自分の食事についても前向きに考えたくなった」「パリに行った気分になった」「実際に小説を読んでいるようだった」「記事につられてコーヒーを飲んでしまうくらい臨場感があった」といった声があがっています。食にもともと興味があった方からも、「さらに自分の食を見つめ直してみたくなった」というコメントがありました。

また特徴的だと思ったのは、「自分の扉を見つけるのが楽しみ」とおっしゃる読者の方が少なからずいらっしゃることです。サイト内の記事を回遊しながら、自分にぴったりな扉を探してくれているのはうれしい動きだなと思っています。

食事の多様性とその素晴らしさを伝えるメディアに

ーーー将来的にどのようなビジネス展開を想定されていますか?

読者向けとしては、会員だけの特別なコンテンツやみなさんの食事をより魅力的にする製品の販売などを考えています。まだ具体的にお伝えできることは限られているのですが、「オイシサノトビラ」は食そのものよりも食の時間や空間にフォーカスしていますので、販売する商品も、食品以外の食事を楽しむためのアイテムやさまざまな体験などを候補として考えています。

ーーーこれから「オイシサノトビラ」をどんなメディアにしていきたいですか?

本当の意味での食事の多様性とその各々の素晴らしさを伝えられるメディアにしていきたいです。
読者のみなさんが、改めて自分の食に思いを馳せてみる(共感)、いつもとちょっと違ったことをしてみる・人を誘ってみる(行動)など、読者のみなさんの心を動かし、一歩を踏み出すきっかけになればいいなと思っています。ピンと背筋を伸ばしてほしいとかていねいに暮らしてほしいとか、そういうことを望んでいるわけでは決してなくて、一人ひとりがなんとなく過ごしていく食事時間にいま一度思いを馳せて、「私の今日のごはんも悪くないよね」と思ってもらえるといいですね。

「いい食事」の瞬間が積み重なることで、自分の生活に自信が持てたり、肯定できたり、愛おしく感じたりできる方が増えることを願っています。

「オイシサノトビラ」では、これからも食に関する思いがけない発見や未知の可能性のへの気づきとなるような独自のコンテンツを配信していきます。今後の配信にぜひご期待ください!

独自の「おいしい」を語るアンバサダー

「オイシサノトビラ」のアンバサダーをご紹介します。

「今日もていねいに。」の扉:エッセイスト 松浦弥太郎さん

2002年、セレクトブック書店「COWBOOKS」を中目黒にオープン。2005年からの9年間『暮しの手帖』編集長を務める。ユニクロの「LifeWear Story 100」責任編集。「今日もていねいに」「しごとのきほん くらしのきほん100」など著書多数。

本と生き方の扉:コトゴトブックス店主 木村綾子さん

10代からはじめた読者モデルのかたわら、本に携わる仕事をはじめる。コロナ禍に一冊の本を通じて、作者と読者が出会う場を目指すオンライン書店「コトゴトブックス」を立ち上げた。

人と時間の扉:モデル 在原みゆ紀さん

雑誌や広告を中心にモデルとして出演。自身をアイコンにした発信にとどまらず、 ものづくりやプロデュースにも取り組む。 自分に自由でいたい人。

パリの空気の扉:フードコラムニスト 川村明子さん

1998年より、フランス在住。パリで料理学校を卒業後、フランス・パリの食を軸に活動。パリと食事を楽しみ続ける人。

花と世界の扉:edenworks 篠崎恵美さん

店内装飾からウィンドウ装花、雑誌、広告、CM、MVなど、花にまつわる創作活動を実施。フラワーショップ「edenworks bedroom」、ドライフラワーショップ「EW.Pharmacy」など様々なショップを展開している。

映像と記憶の扉:ドラマプロデューサー 佐野亜裕美さん

CANSOKSHA代表社員。ドラマプロデューサー。 「ウロボロス」「おかしの家」「99.9 刑事専門弁護士」「カルテット」「この世界の片隅に」「大豆田とわ子と三人の元夫」「17才の帝国」「エルピス」など。

勝美由香

R&B企画部「オイシサノトビラ」編集部
2016年 消費財メーカー2社を経て味の素社へ入社。海外食品部、生活者解析事業創造部を経て、2022年R&B企画部へ。業務で心掛けていることは、常に生活者やユーザーの声を直接対話しながら聞くこと。また、社内外問わず同じプロジェクトに関わってくれている方々が楽しんで仕事ができること。
休日は美術館に行ったり映画を見たりして平日の自分から離れることを意識しています。また、公園で犬を眺めて癒されています。

2024年6月の情報をもとに掲載しています。

味の素グループは、アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献します

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