活動レポート

「培地開発を通して病気で苦しむ人を一人でも多く助けたい」~"私が語るASV" Vol.5

味の素グループでは、創業以来一貫して事業を通じた社会課題の解決に取り組み、社会・地域と共有する価値を創造することで経済価値を向上し、成長につなげてきました。

この取り組みをASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)と称しています。

ASVは味の素グループ全体の取り組みとして浸透しており、従業員一人ひとりが常に意識しながら働いています。

「私が語るASV」では、味の素グループの従業員たちが、どのようにASVを意識して業務に取り組んでいるのか、その物語の一部を紹介していきます。

今回は、バイオ医薬品の製造に必要な培地開発に取り組む、味の素株式会社バイオ・ファイン研究所 素材開発研究室 バイオ医薬培地グループの辻ちひろさんのレポートです。

がんやリウマチ、難病の治療にも活用される「バイオ医薬品」

味の素株式会社バイオ・ファイン研究所は、「先端バイオ・ファイン技術」で、アミノサイエンス事業をはじめ、味の素グループ全体の事業を支えています。

また、「先端バイオ・ファイン技術」をベースとした研究開発を行い、世界中の製薬会社の「バイオ医薬品」製造をサポートしています。

バイオ医薬品とは、バイオテクノロジーの技術を活用した医薬品で、細胞や微生物を使ってつくられる医薬品のことをいいます。バイオ医薬品は、がんや関節リウマチ、難病など、さまざまな病気の治療に活用されており、安全性も高く、最小限の副作用で高い効果が期待されています。

(参考)用語集:バイオ医薬品

バイオ・ファイン研究所のバイオ医薬培地グループでは、このバイオ医薬品にとって必要不可欠な細胞や微生物のための「培地」を開発、バイオ医薬品を製造している製薬会社などに提供しています。

:培地とは簡単に言えば、細胞にとっての食事です。その中には多くのアミノ酸やビタミン、ミネラルなど60~80種類もの栄養素が詰まっています。私は、製薬会社をお客様として、高性能、高品質な培地の成分組成※を設計する仕事をしています。
※細胞にとって増殖しやすくなるための最適な栄養素の組合せ

処方設計した培地を、さまざまな組み合わせで培養試験し、評価しています。

辻さんによると、自社の実験室で良い結果が出ても、お客さまである製薬会社の設備での製造段階にスケールアップすると、新たな課題が見つかることもあるそうです。

:実際に、顧客研究者の方と一緒になって、現地で大きな設備を用いて課題を解決したこともあります。培地設計だけでなく、お客様の製造も含めて幅広くサポートできることにもやりがいを感じています。

優れた培地開発によって、多くの人へ低価格の薬を届けたい

最先端のバイオテクノロジーを使って製造されるバイオ医薬品は、ほとんどがとても高価です。
そのため、世界中の国の人々が公平に医療を受けるという点では課題があると感じている辻さん。
しかし、後発薬の開発がその課題解決につながる一筋の光であると考えています。

:薬に限らず、新しい技術の製品やサービスが、初めは高価で狭い領域から始まり、その技術が普及する中で低価格化、広範囲に拡がることは一般的ですが、バイオ医薬品においても、販売が一定期間経過すると、後発薬の販売が許可されます。後発薬の開発において求められる培地にはコストや期間などの点で難易度が高い場合もありますが、その期待に応えることで、薬の価格を抑えられ、より多くの人へ薬を届けられると考えています。

抗体医薬用培地 "CELLiST™"

味の素グループが培ってきた技術を生かし、スピーディーな開発へ

味の素グループでは、長年にわたりアミノ酸に関する研究開発が行われてきました。アミノ酸発酵の高い技術もその過程で培われたもので、医薬・食品など、さまざまな分野で活用されています。

:これまでのアミノ酸発酵で培われてきた培養技術は、バイオ医薬品の製造に共通している部分も多く、長年の当社技術を活用しながら研究開発を行っています。また味の素グループは、培地開発でキーとなるアミノ酸について高い分析技術や取り扱うためのノウハウを保有しています。これらグループ独自の技術を活用し、優れた培地をスピーディーに開発することで、お客さまのバイオ医薬品の研究から工業化までを支え、その先の病気で苦しむ人を1人でも多く助けることができると信じ、仲間と共に頑張っています。それが私のASVです。

「ASV」という取り組みを通じて、食と健康の課題を解決していきます

味の素グループは、ASVを中核に据えた事業を展開しています。

ASVは、事業活動を通じた社会課題の解決によって創出された経済価値を次の事業活動へ再投資することで、さらなる社会課題の解決に貢献するという好循環(ASVサイクル)を作り出し、サステナブルな成長を実現するための戦略的な取り組みです。

今後、各国・地域でASVを進化させていくためには、従業員一人ひとりがASVの考え方と重要性を理解し、実践していくことが重要と考えています。

ストーリーでは、今後さまざまな分野で活躍する従業員の「私が語るASV」を紹介していきます。

辻ちひろ

バイオ・ファイン研究所 素材開発研究室 バイオ医薬培地グループ
2011年入社。酵素の力を活用したコク味素材や医薬品素材の製法開発を6年間担当。2017年、現職のバイオ医薬培地グループに異動し、国内外の製薬企業様との共同開発等を通して培地開発に携わっています。研究開発では、実際に製品を使って下さるお客さまの立場に立って製品を設計することを大切にしています。
休日は、子どもたちと近くの公園へ遊びに行き、温泉に入るというのが最高のリフレッシュ法。食事とお酒のおいしい組み合わせを見つけることも大好きです。

2022年11月の情報をもとに掲載しています。

味の素グループは、アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献します

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