料理ビギナー

みりんってなに?どうして料理に必要なの?初心者にとって謎の調味料「みりん」を調べてみる

料理ができたらいいな……と思ってはいるものの、レシピを見てもどこから手をつけていいのかわからない。スーパーマーケットに行ってもどんな食材や調味料を買えばいいのかわからず、ただただ立ち尽くす……。
そんな“非料理男子”のフリーライターMさんが、予備知識以前のギモンや謎(?)を解明し、料理男子を目指します。
今回のテーマは「みりん」。どんな味だっけ? なんで料理に入れるの? いまいち実態のつかめない調味料に、疑惑の目を向けるMさん。さっそく調べてみました!

しれっとレシピにまぎれこむ謎の調味料・みりん

みなさんは、料理の"さしすせそ"を知っていますか? 料理に欠かせない調味料の頭文字を並べたもので、それぞれが:さとう(砂糖)、:しお(塩)、:す(酢)、:せうゆ(醤油)、:みそ(味噌)となるそうです。

「そ」に「味噌」をあてるのズルくない? という疑問は置いておくとして、この"さしすせそ"以外にレシピでよく目にする調味料があるんですよ。

それが「みりん」です。

料理ビギナーの人でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。いろいろなレシピ...とくに和食レシピに登場するんですよね。

なにかヒントがつかめるかもと、まずはスーパーマーケットの調味料売り場に行って愕然としました。

なにせ「本みりん」「みりん風調味料」「みりんタイプ発酵調味料」......といろいろなバリエーションがあるんですから。ほかの調味料では考えられない! 醤油風調味料とか味噌タイプ発酵調味料なんてそうそうお目にかかりませんよね?

容量や価格設定もまちまちだし、みりん、って一体なに?どれを何のためにいつ買えばいいの!?

みりんの正体はなんとお酒! 調味料としてもすぐれもの

売り場で考えていても怪しいだけなので、帰宅して『調理用語辞典』(全国調理師養成施設協会 改訂版)を手に取りました。さっそく「みりん」を引いてみると――。

引用:しょうちゅう(甲類または乙類)や40%程度のアルコールに蒸したもち米とうるち米こうじを混和し、40~60日間熟成させて糖化を行い、かすをしぼり取って得られる酒。

かすをしぼり取って得られる酒......。え? お酒だって!? しれっと調味料売り場に並んでいるくせに、じつはお酒だったとは! う~む、正体を知ると一気に興味が湧いてきたぞ。

もち米、うるち米こうじ、アルコールを原料とする「みりん(本みりん)」のアルコール度数は14%ほどで、酒税法でもしっかりとお酒に分類されています。現在は飲用ではなく調味料としての用途が主流になっているそうですが、焼酎やアルコールで割って飲用に特化したみりんもあり、こちらは「本直し」や「柳蔭(やなぎかげ)」といった名前でお酒として流通しています。

本みりんは独特の甘みやコクがあり、料理に使うと味に奥行きが出るほか、「照り」や「つや」を与えるのだとか。また、素材の臭み消しや味が染みやすくなるなど、アルコールならではの効果もあるそうです。さらに食材の煮くずれを防ぎ、うま味成分をとじこめる働きまであるとは!

いいことづくめの本みりんですが、料理に使う際には注意が必要。 アルコール分を多く含んでいるので、加熱しない料理に使うときは、一度鍋などで煮こんでアルコールを飛ばす「煮切り」のひと手間が欠かせません。

じゃあ、みりん風調味料とみりんタイプ発酵調味料は何者!? ということになりますよね。それぞれの特徴をちょっとまとめてみました。

みりん風調味料:
みりん風調味料とは、水あめ(糖類)や米、米麹、うま味調味料などを調合したもので、いわばみりんの代用品。アルコール度数が1%未満なので煮切りする必要もありません。調味料扱いだから価格もお手ごろです。ただし、臭み消しや煮くずれ防止といったアルコール由来の効果はないので要注意。

みりんタイプ発酵調味料:
みりんタイプ発酵調味料とは、もち米、米麹、アルコールを発酵させてみりんの風味に近づけた調味料。8~20%のアルコール分を含んでいるので、臭み消しなどにも使えます。しかし、塩を加えているので、醤油や塩といった調味料は控えめに入れましょう。

ものぐさな筆者は、手間いらずのみりん風調味料に惹かれますが、一度ホンモノの味も知っておくべきかしら。料理上級者を気取ってシチュエーションに応じて使い分けるのも楽しそうです。

【脱線コラム】
江戸時代、女性ウケ抜群のお酒だったみりん

みりんは、いつから日本で親しまれるようになったのでしょうか。起源は諸説ありますが、少なくとも戦国時代にはお酒として飲まれていたことがわかっています。江戸時代に入り、戦乱もなく穏やかな時代には、ほんのりと甘いみりんは女性やお酒の苦手な人たちの間で広く浸透しました。
そしていよいよ調味料としての出番は、江戸時代後期から。うなぎのタレやそばつゆに使われるようになり、当時編纂された百科事典『守貞謾稿(もりさだまんこう)』にも、記述が残されています。

時代は移り、戦後になってからはみりんの調味料としての利用が広まってきたことで、昭和30年代(1956年〜)には酒税法の見直しによってみりんが大幅減税されることに。それをきっかけにして一般家庭でも使われるようになり、いまや欠かせない調味料になっています。

ちなみにみりんは漢字で【 味醂 】と書きます。

みりんの起源は、諸説ありますが、中国から伝わった「密淋(ミイリン)」という甘いお酒だという中国伝来説と、もともと日本古来の「練酒」「白酒」に腐敗防止の焼酎が加えられたものという日本誕生説などがあります。
(参考)全国味醂協会 https://www.honmirin.org/knowledge/

照り・つやなくして、料理の見映えせず!?

さて、みりんによって料理に照り・つやが出ることは書きました。しかし、具体的に「照りが出る」「つやがある」ってどういう状態なのでしょうか。再び『調理用語辞典』を引いたところ「主に料理の仕上がりの光沢のことをいう」と、なんとも味気ない。

それってどういう状態のこと?ということで「AJINOMOTO PARK」の「レシピ大百科」にアクセス! 試しに「照り」や「つや」でキーワード検索してみると、食欲をダイレクトに刺激するようなレシピがたくさん出てきました。

「ぶりの照り焼き」「ねぎの照り焼きハンバーグ」「じゃがいもと手羽先のつや煮」「海老のつや煮」――、どれも照り照りでつやつやのおいしそうな"光沢"があって、思わずため息がこぼれます。これらのレシピは、当然のことながらみりんを使っています。もし、照り・つやがなかったらPCモニターの前でここまでテンションが上がることもなかったでしょう。

これまで味ばかりを気にしていたけれど、みりんの効果を知って料理の見映えの大切さにも気づけました。
みりんについて興味を持ったことさえなく、その価値をまったく分かっていなかったせいで損をしてきたかと思うほど。

みりんをひと足しすれば、甘みやコクで味に奥行きを出し、食欲をそそる照りやつやを与えることを知ってしまったからには、もうみりんなしでは料理を語れない!?
まさに「照りを知る者は富む」。
ということでまた一歩、料理男子に近づいたのでした!

2021年9月の情報をもとに掲載しています。

料理ビギナー

砂糖はなぜそんなに種類が多いのか?賞味期限はいつ?
~あの日見た「砂糖」の名前を僕はまだ知らない

料理ができたらいいな……と思ってはいるものの、レシピを見てもどこから手をつけていいのかわからない。スーパーマーケットに行ってもどんな食材や調味料を買えばいいのかわからず、ただただ立ち尽くす……。
そんな“非料理男子”のフリーライターMさんが、予備知識以前のギモンや謎を解明し、料理男子を目指します。

今回のテーマは「砂糖」。調味料売り場に並ぶ豊富なバリエーションを前にして、いつもながら混乱気味のMさんです。

初心者泣かせ! 「砂糖」の種類に打ちのめされる

こんにちは。「非料理男子ライター」のMです。

脱・非料理男子を目指すこの企画で、いろいろな料理のレシピをチェックしているとあることに気づきました。

ほとんどの煮物や炒め物に「砂糖」が使われているのです。ちょっと「AJINOMOTO PARK」の「レシピ大百科」を見てみましょう。

肉じゃが、親子丼、トンテキ、マカロニグラタン、きゅうりとわかめの酢の物......と、あらゆる料理に砂糖、砂糖、砂糖なんです! 主菜や副菜に関わらず、砂糖を使わないレシピを見つける方が難しいほど。

それだけ重要な調味料なら、キッチンに常備しておきたいものです。さっそくスーパーマーケットへ。「料理男子への第一歩♪」とばかりに意気揚々とした気分で砂糖コーナーを物色。ところが、その期待はいともたやすく打ち砕かれたのです――。

砂糖の種類多すぎっ!!

上白糖(じょうはくとう)、グラニュー糖、三温糖(さんおんとう)、黒砂糖、角砂糖――。
真っ白いものから茶色いものまで、見た目も違えば値段も違う。レシピで目にする「砂糖」はどの「砂糖」なの?

ここまで苦戦してしまうなんて......。二つの意味で砂糖を甘く見ていました。

原料によって呼び名が違う! 「甘しょ糖」と「てんさい糖」

普段あれだけ口にしている砂糖ですが、いざ向き合うとなると知らないことだらけです。
いったいどんな調味料なのでしょうか。

まず砂糖とは、植物に含まれているショ糖を原料にした甘味料のこと。
おもな原料はサトウキビ(甘しょ)とてん菜。
てん菜はカブのような形をした野菜で、別名さとう大根。北海道がおもな産地です。温暖な土地で育つサトウキビとは、見た目も産地も大きく異なるわけです。

てん菜

サトウキビ(甘しょ)

サトウキビとてん菜から抽出された砂糖の「結晶」と「糖液」は細かな工程を通じて上白糖やグラニュー糖、白ザラ糖、三温糖などに利用されます。

砂糖大さじ1杯が9g(35kcal)とは限らない!? 多種多様な砂糖をご紹介

さて、それぞれの砂糖にはどんな特徴があるのでしょうか。

◆オールラウンドプレイヤー「上白糖」
上白糖は、国内の砂糖消費量の約半分を占めるもっとも一般的な砂糖です。結晶が細かくしっとりとしています。惣菜やお菓子、飲み物など幅広く使えます。ちなみに上白糖大さじ1杯は約9gとされています。

◆料理の風味を楽しむなら「グラニュー糖」
グラニュー糖は、上白糖よりも結晶の大きい砂糖です。サラサラとしており、クセのない淡白な甘さ。香りや風味を楽しむコーヒーや紅茶などに適しています。ほか料理用としても。
そして気になる大さじ1杯はなんと12g。お菓子作りなどの際には要注意です。

◆コクと強い甘さが特徴「三温糖」
三温糖は、糖液を煮詰める過程でカラメル色になった砂糖です。コクがあり、甘さも強く感じられます。煮物や佃煮などに照りやツヤ、コクを加えたいときに。

◆お菓子づくりに便利な「角砂糖」
角砂糖は、グラニュー糖を四角く固めてつくられています。用途はコーヒーや紅茶など。1個の重量が決まっているので、お菓子用や調理用にも適しています。

そのほか、先ほど紹介した工程以外で製造される砂糖もあります。

◆そのまま食べても◎「黒糖」
黒糖は、サトウキビの汁をそのまま煮詰めてつくる砂糖です。濃厚な甘さと強い風味が特徴です。そのまま食べたり、魚や肉料理の臭み消し、煮物の隠し味として使います。

◆伝統製法でつくられる「和三盆(わさんぼん)」
和三盆(わさんぼん)は、おもに和菓子に使われる高級な砂糖です。サトウキビの汁からとった「白下糖(しろしたとう)」を、布で包んで圧搾する「押し」と水にさらす「研ぎ」を繰り返してつくります。

ここで紹介した砂糖はほんの一部に過ぎません。これだけ個性が分かれるんですから、スーパーの砂糖コーナーがカオス状態になるのも納得です。

さて、常備するとなるといつまで保存できるのか気になるところですが、じつは砂糖は長期にわたって品質が安定しているため、JAS法で「砂糖は品質の劣化が極めて少ないため賞味期限及び保存方法の表示を省略できる」とされています。

つまり、賞味期限がないんです! とはいえ、保存容器がしっかり密封できていなかったり、乾燥した場所に置いたりしていると砂糖が固まってしまうこともあります。

そんなときは保存容器に食パンを一切れ入れてみましょう。一晩置いたらアラ不思議! 塩とは反対に、砂糖は乾燥することで固まってしまうので、パンの水分で砂糖がサラサラの元通りに。砂糖のついたパンを朝食にすれば一石二鳥ですね〜。

【脱線コラム】
「糖質」と「糖類」ってなにが違うの?

「糖質」と「糖類」。食べ物や飲み物のパッケージでよく目にしますが、それぞれ意味が異なります。

「糖質」とは、私たちが普段から口にしている炭水化物から食物繊維を除いたもの。人間が活動するためのエネルギー源となる栄養素で、不足してしまうと疲労を感じやすくなったり集中力が低下したりする原因になります。

一方の「糖類」は、糖質に含まれている砂糖やブドウ糖といった単糖類・二糖類の総称。糖類はカロリー源になるだけではなく、食後の血糖値を急上昇させます。

血糖値が気になる人の救世主・多彩な機能の甘味料に感無量!

砂糖についていろいろ調べていると、気になる表現を見つけました。それは「血糖値スパイク」。これは食後の短時間に血糖値が急上昇する症状で、放置しているとやがて動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こしてしまうのだとか。

糖類に分類されている砂糖は、血糖値上昇を招くため過剰な摂取は禁物。しかし、砂糖の甘味を抑えた料理はどこか味気なくなってしまいそうです。

そんなときに重宝したいのがアスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースなどを原料にした甘味料です。

これらがただの砂糖の代用品だと思ったら大間違い! アスパルテームの甘さは砂糖の160~220倍、スクラロースは600倍とされており、凄い力を秘めているのです。

おまけにこれらの甘味料はブドウ糖を含んでいないため、摂取しても血糖値は上昇しない、というデータも。こうした特性からダイエット向けの清涼飲料水やガムや錠菓などに活用されるほか、肥満・糖尿病の予防や治療にも有用と見込まれているそうです。

砂糖とうまく使い分けて、おいしさだけではなく健康についても意識していきたいところです!

「塩の辛さ、砂糖の甘さは学問では理解できない。だが、なめてみればすぐ分かる」とは、かの有名な松下幸之助氏が残した言葉。

たかが砂糖となめてかからず、まずは実践あるのみです!

2021年8月の情報をもとに掲載しています。

アジパンダわくわく調査隊

うま味調味料「味の素®」の赤いパンダの謎がついに明らかに!
アジパンダ®「生みの親」に独占インタビュー

みなさん、アジパンダ®をご存じですか? アジパンダは「味の素®」のパッケージでおなじみの赤いパンダ。味の素社のコーポレートキャラクターやグローバルアンバサダーなど、じつはいろいろな場面で大活躍しているんです!
しかしながら、その誕生のいきさつは長く秘密のベールに包まれたままでした。
そもそもなんでパンダ? むかしはもっと違う顔じゃなかった? ・・・これまで4回にわたってアジパンダ®の謎を解明するべく調査を続けてきた「アジパンダ®わくわく調査隊」ですが、その謎は深まるばかり……。
そしてついに今回、誕生の経緯を知る開発者たちにインタビューすることに成功しました。 今まで明かされることのなかった誕生秘話が明らかに!?

うま味調味料「味の素®」をもっと知ってほしい!
イメージキャラクター作戦!

アジパンダ®の謎を探るべく、調査隊は、味の素本社ビル(東京都中央区)へ。待っていたのは、広告部クリエイティブグループ マネージャーの岩本伸二さん。
このお二方こそ、アジパンダ®誕生のいきさつを知る最重要人物。さっそくお話を伺ってみたいと思います。

広告部クリエイティブグループの岩本伸二さん

広報の担当者であるグローバルコミュニケーション部の大住磨緒さん(写真右)

そしてなんとオンラインでインドとつながったモニター画面には、インド味の素社社長・御宿淳(みしゅく・あつし)さんが。

2021年7月1日より調味料部うま味調味料グループの御宿淳さん※取材時はインドからオンラインで出席されました

調査隊:今日はついに、アジパンダ®の謎が解明できると思って意気込んできました。さっそくですが、アジパンダ®誕生の経緯からお話いただけますか?

御宿:はい、では今日は17年目の真実をいろいろとお話ししましょう。
キャラクター開発の話が出たのは2004年ごろ。当時、私は味の素社の調味料部でマーケティングを担当していたのですが、「もっと多くの人に『味の素®』に興味を持ってもらうためにはどうすればいいだろうか」と考えて思いついたのが、イメージキャラクターを使ったキャンペーンでした。

じつは、90年代にイメージキャラクターとして「ポパイ」が起用されていたのですが、これが親しみやすくて、お客様からも評判がよかったんです。だから今回も、親しみやすいキャラクターでお客様に興味を持ってもらうような宣伝ができないかと考えたんです。

調査隊:ポパイとはなつかしい! ほうれん草を食べて超人的パワーを出す船乗りが主人公の、アメリカンコメディ漫画ですよね。(平成生まれの若者は知っているのかしら・・・)

岩本:キャラクターにもいろいろ候補があったんですよ。たとえば、ママの味方「味の素マン」などと銘打って、戦隊ヒーローのようなキャラクターで、ある国民的アイドルに演じてもらうという案もありました。あとは、誰もが知っている猫型ロボットを起用する案など。

調査隊:戦隊ヒーロー!? それはそれで楽しそうですね〜。でもそこからどうやってパンダのデザインに?

岩本:はい、不思議な話なんですが、担当したデザイナーによると「味の素®」の瓶を眺めていたらパンダが浮かんできたとか・・・。

御宿:デザイン案を見たらどの候補よりもインパクトがある。上層部も含めて一気に「これはもうパンダしかない!」という流れになりました。そこからはスムーズで「アジパンダ®」の名も自然とすぐに決まりました。

調査隊:満場一致でアジパンダ®! 「味の素®」の瓶から発想したとは・・・まさに運命を感じますね!

子どもが号泣!?......アジパンダ®の黒歴史

2005年、アジパンダ®の顔が印刷された「味の素®」(通称・アジパンダ瓶)の販売がスタート。ここでもさまざまなエピソードが飛び出しました。

岩本:当初は、アジパンダ®の着ぐるみがスーパーマーケットで販促活動をすることもありましたね。

調査隊:それはお子さんたちも大喜びだったでしょうね♪

岩本:ところが不評だったんですよ。当時の着ぐるみは体系がガッチリしていて毛もふさふさ。その佇まいがなんというか......"獣感"が強すぎて小さなお子様たちには怖がられたんです(笑)。

初代アジパンダ® ※CM撮影用

調査隊:わ、こわい!あ、失礼しました。でもこれはふつうのクマというか、、、インパクトはありますが、正直かわいいかというと微妙ですね...。

岩本:いろいろ改良を加えて、いまの着ぐるみは5代目です。

歴代アジパンダ®
(スーパーなどに現れて小さい子どもを泣かせていた(!?)のは、写真左端「第1世代」のアジパンダ®というわけです)

調査隊:やっぱり可愛い!抱っこしたい!!ずっと見ていても飽きない癒しパワーがありますね。とても初代と同じキャラとは思えません!

御宿:そうそう、キャンペーン用に「アジパンダ缶」なんていうのもやりました。アジパンダ®の顔が印刷された金属製の缶に1キロ分の「味の素®」を詰めた特別商品で、大阪にある百貨店さんから熱いリクエストを頂いて販売に至ったんです。

岩本:アジパンダ缶はよく覚えていますよ。たしか2015年頃の話です。売り場にアジパンダ®の金缶がドーン!と並ぶ光景は壮観でした。

調査隊:それほしいです!そしてその売場がすごく気になります。 インパクトもありそうだし、すごい反響があったんじゃないでしょうか?

御宿:それはもう大好評! !数千ケースを出荷したんですが、あっという間に売り切れてしまいました。だから、買えたのは大阪に住んでいる一部の人だけということになります。

岩本:社内で知っている人も少ないし、資料も残っていない幻の商品です。

調査隊: もう手に入らないんですね...それを聞くとよけいに欲しくなります・・持っている人がうらやましい。資料も残ってないなんて余計に激レア感が高まります。

わが子・アジパンダ®が会社を背負うキャラクターに!

2005年に誕生したアジパンダ®は着々とファンを増やしていき、2015年、遂に味の素社のコーポレートキャラクターになりました! 味の素グループの従業員にも大人気で、アイドル的存在です。
今回取材に立ち会っていただいたグローバルコミュニケーション部の武蔵さんと大住さんのお二方からもこのようなコメントが。

武蔵:社内に「アジパンダ瓶」以前の瓶も保管されているのですが、今見るとなんだかしっくりこないんです。それだけ、アジパンダ®の「顔」が当たり前になっている。

大住:商品パッケージだけではなく、広報誌やPR動画など、部署の垣根を越えてアジパンダ®が登場するようになっていますね。また、南米や北米の支社では、社内向けツールにも採用されるほどの人気ぶりなんです。

調査隊:さすがグローバルアンバサダーですね! 開発者のお二人はアジパンダ®の成長をふりかえってみていかがですか?

岩本:いや~、大きく育ったなあって感じです。わが子を見守るような気分ですよ。まだまだ成長過程ですし、もっといろいろな人たちに魅力を届けていきたいです。

御宿:やっぱり長く愛されてほしいなって思いますよね。お客様に親しまれているのであれば、どんどん長生きをして、会社を代表するキャラクターになってくれればいい。唯一無二の存在なので、もっともっと世界観を広げていってほしいです。

ABR(ブラジル味の素)公式サイト
https://www.aji-no-moto.com.br/

APU(味の素ペルー社)のクリスマスのグリーティングカード動画

突撃取材は大成功! 念願の開発秘話に迫ることができました。ファンの方々はもちろん開発者や従業員の愛があってこそ、いまのアジパンダ®があるんですね。まだまだ書ききれないエピソードはありますが、今回はここまで! 次回もアジパンダ®の魅力をとことん掘り下げます!

2021年8月の情報をもとに掲載しています。

旬のはなし

独特のぬめりの正体は食物繊維! 知られざるオクラの栄養パワー

旬の食材の魅力、おいしい食べ方をご紹介する連載「旬のはなし」。今回は、独特のねばり気がクセになるオクラです。

日本では下処理して生食したり、塩ゆで後刻んでネバネバサラダにしたり、そのほか、炒め物、煮浸し、肉巻きにしたりなど、さまざまなメニューに取り入れられていますね。

これから旬を迎えるオクラの底知れぬ魅力をたっぷりとご紹介します。

1970年代に普及! 栄養満点のオクラ

オクラの旬は、6月~9月ごろです。旬のオクラは露地物のため価格が安定していますが、それ以外の時期は、ハウス栽培のため価格が少々高めです。

オクラは、寒さに弱いため、鹿児島や高知、沖縄など暖かい地域のものが多いです。また、フィリピンやベトナム、タイなどアジア圏の輸入品も多く見られます。

オクラの原産地はアフリカの北東部で、エジプトでは紀元前2世紀から栽培されていたというほど、歴史のある野菜です。オクラが日本に入ってきたのは幕末と言われていて、当時は、青臭さとぬめぬめした食感が日本人に好まれなかったといいます。1970年ごろから、一般家庭に普及しはじめました。

ガラクタン、アラバン、ペクチン! ネバネバの正体は食物繊維

オクラは独特のぬめりがあるため、好き嫌いがはっきりと分かれる食材かもしれません。このぬめりの正体は、ガラクタンやアラバン、ペクチンなどの食物繊維。これらには整腸作用やコレステロールの吸収を抑えるという働きがあります。またペクチンは、血糖値の急上昇を抑えます。

オクラに含まれるβカロテンには、日焼けによる炎症を抑える働きがあります。また、カリウムにはナトリウムを体外に排出する働きがあります。この季節、汗で失われがちなカリウムを補えるのもうれしいですね。

店頭でオクラを選ぶときには、以下の3つのポイントをチェックしましょう。

1 濃い緑色で、切り口が新しいもの。
2 全体がきれいに産毛に覆われているもの。
3 さやの角がはっきりしていて、やわらかいもの。

角が茶色いものは育ちすぎか、鮮度がよくないので避けます。また、大きすぎるものは、苦くておいしくないので、6~10B程度のものを選びましょう。

またオクラは、調理法によってぬめりを調整できます。

・ぬめりを生かす調理
オクラを刻み、水を少し加えて混ぜると粘りが出ます。刻んだオクラを汁物に入れると粘りが出るので、かき玉汁のたまごなどは、水溶き片栗粉を加えなくてもとろみがつき、ふわっと仕上がります。

・ぬめりを出さない調理
オクラはそのまま切らずに使うとぬめりが出にくいので、肉で巻いて焼いたり、フライにするのがオススメです。

元気をくれる「オクラ」の栄養素

■ぬめりの正体=食物繊維がお腹の調子を整え、コレステロールの吸収を抑制。
■日焼けによる炎症を抑えるβカロテンが豊富。
■ナトリウムを体外に排出するカリウムも。
そのほか、カルシウム、鉄など、さまざまな栄養素を含んでいます。

夏バテかな?と思ったら、T元気をくれるUオクラをおいしく食べましょう!

【旬のレシピ】バリエーション豊富! マスターしたいオクラレシピ

オクラに豊富に含まれるβカロテンは、油と一緒に食べることで吸収率が上がります。和え物やサラダならオイルの入ったドレッシングやチーズやごまなど脂質を含むものと合わせるとよいでしょう。

オクラは、下準備が大切です。へたの部分が固いので少し切り落とし、がくは包丁でむきます。まな板に置き、塩を振って手のひらで転がして、表面の産毛を取り、さっと洗います。こうすると舌触りや茹であがりの色もよくなります。種が気になる人は半分に切って、種を取り除いてから調理するとよいでしょう。

オクラは、乾燥と低温に弱い野菜です。10℃以下になると、黒ずむなど劣化してしまうため、保存する場合はポリ袋に入れて野菜室に入れましょう。

「おくらとアスパラのピリ辛照り煮」

甘辛い味が最高! ごはんが進むメインディッシュ。

「オクラとトマトのふわたまみそ汁」

オクラの粘りを生かしたスープ。彩りもきれい!

「サーモンとオクラの丸鶏ナムル」

ごま油と鶏ガラスープで和えるだけ! 手軽な副菜です。

きれいな緑色で、さまざまなメニューに彩りを添えてくれるオクラ。
塩ゆでして刻んで副菜にしたり、肉で巻いてメインディッシュになったりと、
この季節、なくてはならない食材ですよね。

この夏は、これまで試したことのない新たなレシピに挑戦し、オクラの新たな魅力を再発見したいものです。

自然の恵みに感謝して、今日もおいしく、旬をいただきましょう

テキスト:村上千砂(TNC inc.)

フードプランナー、「Maison de Tsuyuki」料理人。大阪芸術大学卒業後、株式会社日本リクルートセンター入社。その後、フリーの編集者として活動し2004年に株式会社TNC設立。国内外の取材を通じた「食」の縁は仕事も人生も豊かにした。

野﨑亮彦氏

食品事業本部 家庭用事業部
メニュー調味料グループ

2005年、味の素グループに入社。中国支店(広島県)で営業を6年間担当したのち、2011年より2年間は本社家庭用事業本部で新製品の開発を担当。2013年より和風おかずシリーズの「Cook Do® きょうの大皿®」シリーズ開発担当等を経て、「Cook Do®」ブランド全体に携わる。
趣味は、タッチフットボール。「防具なしで行うアメリカンフットボールのような球技です。20代の若者に混じってたっぷり汗を流しています(笑)」。

長野県山岳遭難防止対策協会 北アルプス南部地区夏山常駐パトロール隊 副隊長
加島博文(かしまひろぶみ)さん

1973年、東京都生まれ。大学生の時に山岳部に入部したことをきっかけに山の世界へ。22歳からは長野県の夏山常駐パトロール隊に入隊し、2010年より同組織で副隊長を務める。秋の紅葉シーズンにも20日ほど涸沢基地に拠点を置いてパトロールを行っているほか、冬はスキー場をパトロール。救助隊員の他、「Mountain Support Kashima」の代表としての顔を持ち、北アルプス南部一体の登山道の整備など、山岳工事全般の事業にも携わっている。

監修:一色 賢司(いっしき けんじ)先生

北海道大学名誉教授、放送大学客員教授
(一財)日本食品分析センター学術顧問
(一社)栄養改善普及会会長

監修:牧野直子(まきの・なおこ)

管理栄養士、料理研究家、ダイエットコーディネーター。「スタジオ食(くう)」代表。おいしくて体にやさしいレシピや健康的なダイエット法などを提案し、テレビ、雑誌、料理教室、健康セミナーなどで幅広く活躍中。共著に『2品おかずで塩分一日6g生活』(女子栄養大学出版部)ほか。

2021年6月の情報をもとに掲載しています。