このプロジェクトでサポートをしている冬季スポーツのアスリート2名が2025年4月14日、味の素本社を訪れ社員と交流しました。
「偶然から始まった道が夢に──アスリートたちが考える競技の魅力」
ー現在は競技の第一線でご活躍されているお二人ですが、どのように競技と出会い今に至るのかを教えてください
新濱選手
兄の影響で3才からスケートを始めました。小さい頃から興味があったとか大好きだったといううことではなく、たまたま僕の足のサイズのスケート靴がそこにあったから...という感じです。
外で元気いっぱい遊び回っていたやんちゃな子供だったと思います。実家は北海道で漁師をしていましたので、自分も大きくなったら、サケの漁師になりたいななんて思っていました。
大学まで競技を続け、在学中に大きな大会へ出場して結果を掴むことができ、今に至るといった感じです。
小須田選手
僕は5人兄弟の次男で幼少期はサッカーをしていました。プロを目指して突き詰めてやるというよりかは好きでやっていたという感じです。僕も外遊びが好きで体を動かすのが好きでした。高校1年でサッカーはやめ、その後は特に何かに熱中するということもなく、過ごしていました。
2012年に足を切断して義足に。2015年になんとなく参加したランニングクリニックで当時すでにパラリンピアンだった山本篤さんと出会います。その時から僕の競技人生がスタートしたという感じです。
颯爽と走る山本さんに憧れ、その背中を追ってまずは陸上競技をはじめ、スノーボードもはじめといった流れです。
ーそんなお二人が考える競技の魅力とは
新濱選手
スピードを求めていかに早く滑るかっていうのが魅力ですね。
テレビでは伝わらないリアルなスピード感や会場の雰囲気は一度感じてもらえたらと。最高速度は時速60キロ程。幅1㎜の刃(ブレード)の上に立ち、繊細なテクニックを駆使して時速60kmのスピードを出さないといけないのが難しいです。
生身の人間が凶器の刃物の上に立って猛スピードで駆け抜けます。そこが面白いのですが、もちろん恐怖心もあります。自分で足を切ったり、一瞬のミスで大事故になります。昨シーズンも練習中の怪我で腰椎を骨折してしまいました。
小須田選手
そういったことで言えば、スノーボードも危険とは隣り合わせです。
僕も2023年の夏季のトレーニング中にジャンプで失敗して左腕の骨を2本折ってしまいました。ワールドカップでも毎大会必ず救急車で運ばれる人が出てくる競技なんですよ。特にスノーボードクロスという競技では4人で一斉にスタートして着順を争うので、接触を伴います。
相手との駆け引きをしなければならず、自分を突き詰めていけば結果につながるというわけではないので、そこが難しいところでもあり面白いところかなと感じます。
ー冬季スポーツは特に海外遠征も多い競技かと思いますが、海外でのトレーニングにはどんな難しさや辛さがありますか?
新濱選手
海外での練習は、行ってしまえば競技に集中できるという面ではとても楽に感じることもありますが、やはり期間が長くなってくると、食事だったりホテル住まいという生活環境に疲れを感じてくることがありますね。
小須田選手
僕もやっぱり一番辛いのは食事ですね。炊飯器は必須アイテムで必ず持っていくようにして自炊します。直近の試合遠征でも味の素社から事前に大量の製品を送っていただき、本当に助かりました。
「勝利の陰にアミノ酸あり──2人が語る味の素社のサポート」
ー味の素社製品の提供というお話しも出ましたので、お二人へのサポートとはどのようなものなのかを具体的にご説明いただけますか?
新濱選手
僕の場合は体組成管理の相談からサポート契約がスタートしました。体重コントロールについてや食事・栄養面での相談、自炊用の献立を作っていただいたりしています。
海外遠征時に味の素社製品の提供を受けたり、トレーニング中に使うアミノバイタル®も提供いただいています。サポートをしていただいてる2019年からずっとアミノバイタル以外は使ったことがないので、僕の体は、アミノバイタルでできているといってもいいですね。
逆にアミノバイタルがなければ今の身体はないと思います。
小須田選手
僕は2025年2月、つい最近サポート契約を結ばせていただきました。
それまではプロテインやサプリメントに疎く、これまでほとんど摂ってこなかったんですが、先日のカナダ世界選手権ではご提供頂いたアミノバイタル®製品を毎日摂取し大会に挑みました。
その結果、日本人初の金メダルを獲得することができました。こんなに早く結果につながるとは思ってもみなかったので、僕自身が一番驚いています。嘘なく、これまでのどんな海外遠征よりいいコンディションで試合に挑むことができました。
「ミラノ・コルティナ2026大会に挑む──二人が描く未来図」
ー味の素社と今後やっていきたいことだったり、競技を通して実現したいこと、ビジョンなどをお聞かせください。
新濱選手
日本で行われるスケート競技大会の会場を満員にしたいですね。オランダやノルウェーなどの海外では、スケート競技は多くの人が熱い応援を送る世界なんです。それを日本でもできればなと。国内でもっと多くの人に知ってもらい観戦することを楽しんでもらいたいです。
ただその為には日本の選手がもっともっとオリンピックや世界大会で成績を残し、知名度を上げていかなくてはと思っています。2025年は10月と12月に長野で大会が行われますので、是非みなさん見に来てください。
夢に一歩近づきます。よろしくお願いします。
小須田選手
大会を満員にしたいというのは僕も同じです。
ただパラスノーボード競技に関してはそもそも国内での公式戦が行われていないというのが現状です。まだまだ競技人口も少なく、歴史も浅い世界なんですね。支えてもらっている家族やサポートスタッフのみなさんに直接頑張っている姿を見せたいなと思っています。私の現役中に必ず国内で大会を開催したいです。
まずは競技に集中して結果を残し、パラスノーボードを多くの人に知ってもらえるようにします。
ーミラノ・コルティナ2026大会にかける想いをお願いします
新濱選手
参加国枠獲得にまずは全力を注ぎたいです。11月と12月に行われるワールドカップ、そしてオリンピック選考会で確実な成績を収め、オリンピックに照準を合わせていきたいです。ベストの状態でパフォーマンスができるように頑張ります。
現地では味の素社の手厚いサポートを受けながら全力でスケートに打ち込んでいきたいなと思っています。
小須田選手
夏冬のオリンピック2大会を経験して、どちらも7位入賞という結果でした。その時、メダリストとそれ以外の差を痛感したことから、最短でメダルをというところで、競技をスノーボード一本に絞る決断をしました。
ミラノでは味の素社の力強いサポートを受けて、スノーボードクロス、バンクドスラロームの2種で金メダル獲得を目指します。そのために日々目の前の練習に全力で取り組んでいきたいと思っています。
最後に社員からの熱いメッセージを込めた「応援旗」をお二人に贈呈。
ミラノ・コルティナ2026大会で最高のパフォーマンスが発揮できるように社員もお二人の活躍を応援しています!
トークセッションを終えて、お二人のインタビュー
ーさらなるパワーアップが期待されるお二人。トークッション後にそれぞれのお気持ちを改めて伺いました。
新濱選手
2019年からサポートをしていただいているんですけど、社員さんと交流する機会をなかなか作れなくて。いざ今日お会いしてみると、すごく前向きに応援してくださっている方が多いんだなと実感できたので、これを力に変えて競技に取り組んでいきたいなと思いました。
来年に向けて、まずは担当の松井さんと一緒にミラノの舞台で最高のパフォーマンスができるように挑んでいきたいなと。その結果がどうであれ、その時のベストが出せるように全力で取り組んでいきたいです。
小須田選手
応援してくださる社員さんと直接お会いしてお話しできることは貴重な機会でした。
より一層競技を頑張ろうと思えたので、ありがたい場をいただけたなと思っています。
今年の2月からサポートをいただけるようになってミラノに向けて気持ちが高まりました。
金メダル獲得を掲げてずっとやってきているので、そこはぶらすことなく高い次元で競技ができるように日々全力で頑張っていきたいと思っています。
2人を支えるビクトリープロジェクト®松井さん蘆名さんの想い
ー最後に選手を支え二人三脚でサポートしているビクトリープロジェクトの担当、松井聡さん蘆名真平さんにお話を伺いました。
松井聡さん
私は2023年から新濱選手のサポートを担当しています。
新濱選手は一見寡黙そうなのですが、実は会ってお話しすると親しみやすい方で、知れば知るほど魅力あふれるパーソナリティなんですね。それが社員の皆に知ってもらえる機会となり、とても良かったです。また新濱選手にとっても味の素社の社員がどんな思いでサポートをしているのかを感じ取ってもらえたのではないか思います。競技をする上でさらに頑張ってもらえたら、嬉しいです。
私たちができることというのは基本的には栄養面でのサポートという位置付けですけれど、彼自身がベストパフォーマンスで悔いなく終われるように色々な形でサポートしていきたいなと思います。すごい記録を出していながらも、オリンピックの前回大会では思うような結果につながらなかったということもありました。
ミラノ・コルティナ2026大会では全ての力を出し切れるように、栄養面だけでなくメンタル面でも全力でサポートしていけたらなと思っています。
蘆名真平さん
2025年2月に小須田選手と契約をし、サポートを担当しています。
今回初めて味の素社にお迎えすることができ、社員のみんなに彼自身を知ってもらう、理解してもらうという機会になってとても良かったと思っています。
これまであまり栄養面にフォーカスした取り組みをしてこなかった彼に、このタイミングで私たちがサポートに入ることができました。アミノバイタル®等のサプリメントの力を通してパフォーマンス向上に役立つことができればと思います。また小須田選手は海外遠征の回数が多く、日程的にも長期間にわたっています。サプリメントだけでなく味の素社の食品面でのサポートもコンディションの維持に力強いサポートとなっていくかと思いますので、引き続き全力で応援していきたいです。
※味の素㈱は、TEAM JAPANゴールドパートナー(調味料、乾燥スープ、栄養補助食品、冷凍食品、コーヒー豆)です。
2025年8月の情報をもとに掲載しています。
スピードスケート界、日本のエース。3才からスケートをはじめる。2019年ヘーレンフェーン世界スプリント選手権では初出場で銀メダルを獲得。同年開催されたワールドカップ男子500mで33秒79をマーク、当時の世界新記録と現日本新記録を樹立。2022年・2023年に行われた全日本選手権大会で2年連続で500m 1位・1000m 1位、大会MVPも獲得。2023-24年 ISU ワールドカップスピードスケート競技会大会 男子1000m総合 3位。世界で存在感を示している。高崎健康福祉大学所属。
東京2020パラリンピック競技大会では、T63クラスで100メートルと走り幅跳びに出場。2018年からはスノーボードにも挑戦を始め、北京2022パラリンピック冬季競技大会はスノーボードクロスで7位入賞、その後スノーボードに専念。2023年のW杯スノーボードクロス(LL1)で優勝、2025年3月カナダ世界選手権バンクドスラロームで優勝を飾った。 オープンハウスグループ所属。