活動レポート

アミノサイエンス®をもっとわかりやすく!
若手研究員が挑んだ広報活動プロジェクトとは

味の素社のWebサイトに「私たちが伝えたい!アミノサイエンス®」(※)というページがあります。

これは味の素社のアミノサイエンス®について動画やマンガ、クイズなどをまじえて楽しく伝えているスペシャルコンテンツです。制作したのは、味の素社でアミノサイエンス®の最前線にいる若手研究員たち。ふだんの仕事とまったく畑違いのプロジェクトに挑んだ研究員11人に集まってもらい、プロジェクトに込めた思いや制作のむずかしさなどを聞きました。

※アミノサイエンス®とは、アミノ酸のはたらきに徹底的にこだわった研究プロセスや実装化プロセスから得られる多様な素材・機能・技術・サービスの総称です。また、それらを社会課題の解決やWell-beingの貢献につなげる、味の素グループ独自の科学的アプローチのことを指します。

「私たちが伝えたい!アミノサイエンス®」とは?

「私たちが伝えたい!アミノサイエンス®」とは、味の素社のコーポレートサイトの中にあるスペシャルコンテンツです。

このコンテンツは、味の素社の若手研究員11名が集まり、彼らの自由な発想と工夫によって企画制作されました。

コンテンツの企画、原稿作成、構成、ディレクションはすべて若手研究員が担当しており、プロ顔負けのアイデアで個性的なコンテンツが展開するユニークなサイトとなっています。

「アミノサイエンス®についてわかりやすく伝える」というミッションのために、4つのチームが編成されました。4チームが制作するコンテンツテーマは「再生医療」「バイオ医薬」「味の素ビルドアップフィルム®(ABF)」「食品」です。

では具体的にどのようにコンテンツをつくっていったのか、その裏側についてインタビューを行いました。なかなか興味深い話でいっぱいです。

なにを伝える?どうやって伝える?各チームに聞く企画主旨

今回、「私たちが伝えたい!アミノサイエンス®」プロジェクトに参加したのは、味の素グループの先端技術を担う4つのチーム、再生医療チーム、バイオ医薬チーム、味の素ビルドアップフィルム®(ABF)チーム、食品チームです。

「私たちが伝えたい!アミノサイエンス®」プロジェクトは白神副社長からの提議がきっかけでした。

「研究者の自由な発想でアミノサイエンス®をわかりやすく伝えて欲しい。」という呼びかけに応え集まった研究員が今回取材した11名。4つのチームがそれぞれ伝えたいテーマを持ち寄り、一般の方々にも興味を持ってもらえるようなものをつくろうとミーティングを重ね、約半年ほどかけてコンテンツの構成、ページのデザインなどを詰めていきました。

「とくに意識したのは若い人たち」という寺井さん(バイオファイン研究所バイオマニュファクチャリンググループ)は再生医療チームを担当。中学生や高校生にも理解できるものを目指したそうです。さて、いったいどのようなアプローチを行ったのでしょうか。

後列左から:仲野(バイオファイン研究所電子材料グループ)、毛利(バイオファイン研究所サステナブルバイオプロダクショングループ)、髙杉(バイオファイン研究所バイオ医療ケミカルソリューショングループ)、丹羽(バイオファイン研究所遺伝子・細胞治療ソリューショングループ)、長瀬(バイオファイン研究所バイオマニュファクチャリンググループ)、寺井(バイオファイン研究所バイオマニュファクチャリンググループ)、安村(バイオファイン研究所ダウンストリームデザイングループ)
前列左から:泉(食品事業本部食品研究所技術・素材開発センター食感制御グループ)、五十嵐(食品研究所技術・素材開発センター風味制御グループ)、小林(食品研究所ウェルネスソリューション開発センター 機能性素材グループ)、岡本(バイオファイン研究所遺伝子・細胞治療ソリューショングループ)
※敬称略

「思いがけず夢が叶いました!」再生医療チームが描くのは「青春マンガ」

ーーーでは各チーム、その内容と特長を紹介していただきましょう。まず再生医療チームからお願いします。

寺井

味の素グループが再生医療を研究していることは、ほとんど知られていないと思います。そこで、一般的に認知度の高いiPS細胞を、今回のテーマに設定しました。

ーーー「ストーリー」でもiPS細胞に必須となる培地「StemFit®」を紹介する記事を公開しています。

ーーーアミノサイエンス®とは未来の医療を変えるといっても過言ではない画期的な取り組みですが、なかなか一般的に興味を持ってもらうことや説明をすることが難しい内容だと思います。今回は高校生を主人公にしたマンガ仕立てとなっていますが、これはどなたのアイデアですか?

安村

私です。マンガならコンパクトに、かつ親しみやすく伝えられると思いました。若者が共感しやすいスポーツや恋愛、友情といった要素を織り込みながら、当社の技術を仮体験してもらえるストーリーを考えました。マンガなので、将来的に印刷物にして配布することもできます。

ーーーマンガのストーリーも考えたのですか?

安村

はい、コマ割りも作りました。

ーーーコマ割りまで!もともとマンガを描く経験は?

安村

いえ、初めてのことです。

ーーーええっ!すごい!

安村

ただ、以前からマンガを描いてみたいと思っていたので、思わぬ形で夢が叶いました(笑)。

バイオ医薬チームはアジパンダ®登場の動画でポップに「AJICAP®」を解説

ーーーバイオ医薬チームによるコンテンツのテーマは医薬品づくりをサポートする「AJICAP®」という製品です。コンテンツは動画ですね。

髙杉

"バイオ医薬"というだけでかなり難しいイメージを持たれると思い、その最初の壁を低くするために動画を制作しました。AJICAP®は「薬を体内の目的の場所にきちんと届けるための技術」なのですが、その説明をイメージしやすいように、薬をアジパンダ®に見立てて、ポップなかわいらしさで表現してみました。動画のシナリオや絵コンテまで私たちが作りました。

ーーーシナリオ作成もすごいことですが、絵コンテまで?

丹羽

当初は制作会社の方にシナリオの趣旨を説明して絵コンテを描いていただこうと思っていたのですが、私たちの説明がヘタで、どうしてもうまく伝えられず......。結局、自分たちで絵コンテを描くことになったんです。

髙杉

アジパンダ®の位置をもう少し左にずらすとか、もう少し早いタイミングで動くとか、ちょっとした違いでわかりやすさが変わるので、すごく細かい調整を入れながら仕上げていきました。アジパンダ®には、コーポレートキャラクターとしてできること、できないことがあるため、ここは後ろ姿にしようとか、表情にも気を遣いました。

「AJICAP®」については、ストーリーでも紹介しています。あわせてご覧ください。

「抗がん剤の副作用」軽減の可能性を広げる最先端医療とは?世界中から注目される味の素グループの「AJICAP®

むずかしい半導体の解説を、兄のアジパンダ®が妹のアジパンナ®に教えてあげる!

ーーーでは次にABFチームにうかがいます。ABFは「味の素ビルドアップフィルム®」の略称ですね。味の素グループは食品、医薬品分野だけでなく、スマホやパソコン、電化製品、自動車などに不可欠な「半導体」の分野でも貢献していますが、味の素社と半導体、どういう関係?と思う人も多いと思います。そもそも半導体とは何か、じつはよく知らない人も多いですよね。

仲野

はい、まさにそこからでした。味の素ビルドアップフィルム®は半導体に不可欠な絶縁体ですが、こういう説明をすると、次は半導体って何?という疑問が生まれます。これが難関でした。

ーーーそうですよね......半導体っていう言葉は多くの人が知っていると思いますけど、じつは何なのかよくわからないですよね。

毛利

親しみやすさが大事なので、私たちもアジパンダ®とアジパンナ®に登場してもらうことにしました。私は、普段はうま味素材の生産プロセス開発を担当しており、ABFについては詳しくないため、私が見て、わかりにくいと思ったところは仲野さんと話し合って修正していきました。

仲野

アジパンダ®がお兄さんでアジパンナ®が妹なので、アジパンダ®は半導体のこともよく知っていて妹に教えてあげるという設定にしました。ただ、この説明でうまく中学生に伝えられたかどうかは⋯⋯ちょっと心配です。

ーーー「ストーリー」でもABFの記事を作成しているのですが、じつは取り掛かる前にこのコンテンツを見て参考にしました(笑)。楽しく学べるしわかりやすいと思います。

動画を見てクイズで学びが確認できるeラーニング方式を採用!

ーーーでは最後に食品チーム、お願いします。こちらは動画を見て、最後にクイズが出題される仕掛けになっています。

小林

私たちは、食品、フードロス、健康維持の3本の動画を作成しました。クイズを入れたのは、動画を見て終わりではなく参加していただきたいと思ったからです。

ーーー動画を見ないとクイズに回答できないというeラーニングに近い、しっかりと勉強できる内容でしたね。

小林

食品はバイオ医薬やABFなどと違って、中学生にも身近です。そこで、その中に使われている技術を深掘りして、味の素社ならではの技術に興味を持っていただこうと考えました。味覚の受容体、ペプチドなど、教科書には出てこない言葉や学術的な内容まで盛り込んでいますが、そこに新たな興味を感じていただければと思います。

「伝えたいこと」を「伝える」ことの難しさ

ーーー各チームの企画趣旨がわかりました。次に、形にしていく上で難しかった点、苦労した点などを教えてください。では、再生医療チームからお願いします。

岡本

いちばん悩んだのは、「どこまで言っていいのか?」でした。iPS細胞とは何か?を知ってもらうためには、その基礎になる再生医療の話をする必要がありますが、当社が行っているのは再生医療実現の"サポート"であり、医療行為そのものを行っているわけではありません。 再生医療を説明することで、当社があたかもすべてに関与しているかのように伝わってはいけません。わかりやすいけれども過大評価や誤解をされない、最適のラインを模索しました。

小林

私たち食品チームも、表現には注意を払いました。たとえば、「健康」の動画に登場したサプリメントは機能性表示食品なので、効能効果を正しく伝えなければいけません。ただ機能性表示食品として届け出ている効能効果を説明するとちょっと小難しくなるんです。「なんとなく良い」ではなく、科学的に効果を検証していることを、どうかみ砕いて伝えるか、表現に苦労しました。

私は「フードロス」動画を担当しました。食品のおいしさを長持ちさせる酵素技術を説明しています。酵素技術をケミカルなイメージなく伝えるにはどうするか悩みました。

身近な食品のおいしさに寄与している酵素の働きを利用した当社技術により、おいしさ+サステナビリティの両立に貢献していることが伝わっているとうれしいです。

五十嵐

私は「食品」のコクの動画を担当しました。コクは当社が最先端を行く分野のひとつ。「コクを付与することで食品のおいしさが向上するんです」という話を伝えたいのですが、そもそもコクって何?という説明が難しいということに気づきました。また、味覚の「受容体」の説明も必要です。中学生は学校で受容体を習うことはないので、この説明には悩みました。

ーーー正確に、ていねいに伝えようとすればするほど、逆に説明がわかりにくくなってしまうというジレンマを感じるお話です。「酵素」や「コク」については、改めて伝えようとすると難しいですよね。

髙杉

私は業務でもAJICAP®を担当しているので正確に伝えなければという責任感と、AJICAP®の素晴らしさを知ってほしい!という思いが重なり、とてもやり甲斐を感じたのですが、正確に素晴らしさを伝えることの難しさを感じました。難しい表現になって分かりづらくなってしまったら元も子もないので。

仲野

ABFを伝えるためには半導体の説明が......という話を先ほどもしましたけれど、ホントに難しい単語が多すぎるんです。ふだん私たちが使っている単語のほとんどが一般的ではありません。といって、これらを説明しようとすると、ものすごく長くなってしまって読みたくなくなる......どこまで説明し、どこを省けばわかりやすいのか。そのバランスが難しかった。

ーーー味の素社が半導体の材料を作っているという話だけで、読み手は、エッ、そうなの!? と驚きますよね。

毛利

そうなんです。なので、とっかかりはパソコンの中に入っている部品のひとつ、というザックリしたイメージでいいかなと。それで、はじめにABF本体の画像を出して、「このペラペラした布みたいなものは、なあに?」(アジパンナ®)で興味を持ってもらえればと。

仲野

けっこうしっかり説明しているので、ハードルが高いと感じた人もいると思います。そこが課題として残っています。今後は、もう一歩手前の、もっと軽い、科学やパソコンに興味がない人が見ても、ふーん、へぇ、おもしろそうと思ってもらえるものを作ってみたいと思います。

アミノサイエンス®の若手研究員に聞きたい!「あなたのASVは?」

ーーー最後に、今回のプロジェクトに携わったみなさん一人ひとりのふだんのお仕事と、ご自身のASVについてコメントをお願いします。

●再生医療チーム

岡本

私は再生医療の延長で「細胞治療」の研究をしています。より多くの患者さんに治療が行き届くようになる手法の研究開発です。「私たちが伝えたい!」プロジェクトで取り上げたiPS細胞による再生医療には高額な費用がかかり、受けられる人は限られてしまいます。もっとふつうに誰でも再生医療を受けられる世の中にしたい。そのための研究です。

寺井

私は再生医療に必須なバイオ素材である「成長因子」の研究開発と製造支援を担当しています。そもそも味の素社がなぜ再生医療関連事業をしているかというと、成長因子以外にも細胞にとってのごはんとなる「培地」開発に当社のアミノ酸技術が有効に活用できるからです。

寺井

一番のASVは、再生医療の実用化。より高品質で使いやすい成長因子を開発することが再生医療の発展に貢献し、患者さんのQOL向上に直結しますし、さらによりよい世の中になることにつながります。私はメーカーでモノづくりに携わり、自分の作ったもので誰かを幸せにしたり、助けたいと思っていました。今の研究は自分と会社のASVが重なり、大きなやり甲斐を感じています。

安村

私の業務は再生医療ではなく「MSG(グルタミン酸ナトリウム)の製造プロセス開発」をしています。当社が掲げている2030年までの目標に「環境負荷50%削減」があります。当社の温室効果ガス(GHG Scope1+2)排出量のおよそ6割がうま味事業からです。エコフレンドリーかつサステナブルなMSGの製造プロセスを開発できれば、全社の目標達成に近づくことができます。日々、ASV実現に邁進中です。

●バイオ医薬チーム

髙杉

私は「私たちが伝えたい!」プロジェクトで取り上げたAJICAP®の開発部署に所属しています。AJICAP®は医薬品ではなく、その製造をサポートする技術です。

髙杉

製薬会社が我々の技術を使って新薬を開発する。それが患者さんに届くことによって人々の健康に貢献することができるので、私たちの研究そのものがASVにつながっていると実感しています。個人的には、自分で作った技術で世界に貢献したいという思いがあったので、今はそのやり甲斐と会社のパーパスが一致して楽しく仕事できています。

長瀬

私は入社以来、CORYNEX®というたんぱく質やペプチドの受託生産サービスの育種開発を行っています。大学時代にも他の菌やシステムを使ってたんぱく質を合成していました。CORYNEX®を使うと本当にきれいなたんぱく質ができるのです。

長瀬

私たちもAJICAP®やAJIPHASE®と同じように、製薬会社から受託して医薬品の材料になるバイオ素材を生産していきます。その生産手法が効率的でサステナブルになればなるほど、製薬会社の先にいる多くの患者さんに必要な薬が行きわたることになり、患者さんの健康、幸せに結びつく研究だと感じています。これが私のASVです。

丹羽

私は最近、異動してきたのですが、前の部署では「核酸医薬の製造プロセスの開発」をしていました。今は、「遺伝子治療の薬の製造プロセスの開発」に携わっています。どちらも医薬品を、いかにきれいに安全に作れるかを極める仕事です。
とくに私が関わっている医薬品は、難病や希少疾患に向けた医薬品です。これまで治らなかった病気を治せるかもしれないと思うとわくわくします。ただ、まだものすごく費用が高いので、いかに生産プロセスを効率化して単価を下げられるか。そこに自分の研究が貢献できることがうれしく思いますし、ASVにつながっていると思います。

丹羽

先日、ある難病の学会に出席したとき、自力で立てなかった子が私たちの技術で製造した医薬品の投与で立てるようになったという報告を受け、こみ上げて来るものがありました。

ーーーAJICAP®もすごいけど、ほかのお二人の取り組んでいる技術もすごそうです。またあらためて取材させてください!ではABFチーム、お願いします。

●ABFチーム

仲野

私は「ABFの研究開発」をしています。現代社会は半導体なしでは成り立ちませんし、その半導体はABFなしでは成り立たないほど必要とされています。みなさんが使っているパソコンにも使われていますし、間接的にいろいろな分野の研究開発に貢献できていることが大きなやり甲斐になっています。


この分野の需要はこれからも伸び続けていきますし、我々に向けられている期待も並々ならぬものを感じます。さらに高性能の、次世代のABFを開発することが当社の価値を高めていく、ASVそのものだと感じています。

毛利

私の主業務はABFではなく、育種・発酵技術で核酸系うま味素材を生産するプロセス開発です。当社のうま味素材は全世界でシェアを持っています。その生産プロセス技術を向上させていくということは、単に生産量を伸ばすだけでなく、サステナビリティの面で貢献できることも大きく、会社の志やASV実現につながると思います。

毛利

私は大学時代には基礎研究をしていましたが、将来はメーカーに入って出口の見える仕事をしたいと思っていました。今開発しているプロセスが工場に導入される日が楽しみです。

●食品チーム

小林

私は、運動領域や女性の健康に関わる領域で「機能性食品の素材の開発やメカニズムの解明」を行っています。学生時代に理学療法士の資格を取り、整形外科で患者さんのリハビリに携わりました。リハビリを続けるのがつらそうな患者さんをたくさん見てきた経験から、おいしく楽しく続けられる、そして、毎日のことなので身近な「食」で健康に貢献したいという思いから入社を決めました。

小林

おいしくて健康に資する食品の研究開発は、味の素グループのパーパスである「アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献」することの実現につながり、私のASVでもあります。

五十嵐

私は入社してからずっと「嗅覚、においの受容体の研究開発」に取り組んでいます。受容体の抑制物質をスクリーニングして、たとえば、いやなにおいの抑制物質を使えば、そのにおいを感じにくくすることができます。現代は、食品においしさプラスアルファの価値が求められます。健康素材を添加したり、代替食品の利用が増えたりしていますが、それらの特有のにおいを受容体の抑制物質によって取り除くことが可能になります。

五十嵐

私は学生時代に健康機能をもつ食品成分の研究をしており、健康に資する食品でも、おいしくなければ食べられず、健康機能を得られないことを学びました。おいしさプラスアルファの追求が私のASVになります。

私は食感制御グループに所属し、「食品の食感を改善する技術開発」を行っています。たとえば、唐揚げのようなフライ食品の衣食感を長持ちさせるような技術開発や食感を定量評価する技術を開発しています。

私は味の素グループのパーパスに共感し、これに貢献したいという思いで入社しました。持病による食事制限で食事を楽しめなくなり悲しそうな祖父の姿を見て、食を通じて自然と心身ともに健康になれる社会に貢献したいと考えるようなりました。その私自身の夢とASVは共通していると思います。

ーーーありがとうございます。最後に「私たちが伝えたい!アミノサイエンス®」プロジェクトに参加しての感想はいかがですか?

仲野

私は参加できてよかったと思っています。自分たちの仕事をどうしたら伝えられるのか、考えるいい機会になりました。

髙杉

そうですね。自分たちの仕事を客観視する機会にもなりました。

安村

普段の業務とは違う仕事をするのもいいなと思いました。マンガのストーリーを考えるのも楽しかったです。

アミノサイエンス®は食品だけでなく、多岐にわたる分野で、世界最先端の研究開発に広く役立っているということを知らない方は多いと思います。

今回のコンテンツ制作を通じて、さらに若い世代の方にアミノ酸のすごさ、おもしろさといったところが興味関心となっていくことを期待したいですね。

また、みなさんの研究活動についても「ストーリー」で取材させていただくこともあると思います。本日は貴重なお話をありがとうございました。

<用語解説>

再生医療
再生医療とは、ケガや病気などの理由によって失われたからだの組織・機能を再生することを目指した医療技術です。現在、なかでも注目されているのが、iPS細胞やES細胞を使った再生医療です。
参照元:https://story.ajinomoto.co.jp/rd/010.html

iPS細胞
iPS細胞とは、人工多能性幹細胞(Induced Pluripotent Stem Cell)のことをいいます。人間の体の細胞に、数種の因子を導入して作ったさまざまな組織や臓器の細胞に分化する能力と増殖する能力を併せ持つ細胞です。

成長因子
成長因子とは、人間や動物の体内において、特定の細胞の増殖や分化を促進するたんぱく質の総称です。

QOL
QOLとは、「Quality of Life(クオリティ・オブ・ライフ)」の略で、人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる指標のひとつです。

AJICAP®
「AJICAP®」とは、味の素グループが開発した、高性能な抗体薬物複合体(ADC:Antibody-drug conjugate)の創出を可能にする技術です。味の素グループは、創業以来培ってきたアミノ酸研究の知見を応用し、2010年代半ばから、ADC合成技術開発に取り組んできました。その取り組みの成果がAJICAP®です。従来のADCと比較し、より副作用が少なく、効果が高いことが期待でき、がんなどの病気の治療につながる高性能なADCの創出を通じて、世界中のがん患者さんに希望を与えることができます。

バイオ医薬品
バイオ医薬品とは、遺伝子組み換え技術や細胞培養技術などを応用し、生物が持つたんぱく質(ホルモン、酵素、抗体など)を作る力を利用して製造される医薬品です。近年では、難治性疾患(がん、血液疾患、自己免疫疾患など)にもすぐれた治療効果を示す、抗体医薬品の開発が進んでいます。

2025年2月の情報をもとに掲載しています。

味の素グループは、アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献します

味の素グループは、

アミノサイエンス®で人・社会・地球の

Well-beingに貢献します

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