活動レポート

Vol.1「髙市未来」~アスリートに聞く!
パリ2024オリンピックまでの道のりとこれから

味の素社では、日本代表選手団「TEAM JAPAN」の国際競技力の向上と、メダル獲得のための「食とアミノ酸」によるコンディショニングサポート活動「ビクトリープロジェクト®」を行っています。

パリ2024オリンピックに向けて、「ビクトリープロジェクト®」メンバーは、アスリートのサポート活動を行ってきました。そのサポート活動について、パリ大会に出場した髙市未来選手(柔道女子63kg級)、Shigekix選手(ブレイキン男子)の2人のアスリートへのインタビューを行いました。
インタビュー映像はこちらからご覧になれます。
【味の素KKビクトリープロジェクト 髙市未来インタビュー】三度のオリンピック挑戦で得たものとは

この記事では、リオデジャネイロ2016オリンピックから3大会連続でオリンピックに出場した髙市未来選手のインタビュー内容を抜粋してお届けします。

自分の中ではやり切れたオリンピックになった

髙市 未来 氏パリ2024オリンピック出場種目:
柔道女子63kg級、混合団体

栗原 秀文「ビクトリープロジェクト®」
プロジェクトリーダー/サポートディレクター

パリ2024オリンピック柔道女子63キロ級に出場した髙市未来選手。個人ではメダルの獲得はなりませんでしたが、混合団体の2回戦に出場し、一本勝ちするなど、2大会連続で銀メダルを獲得しました。

この映像では、髙市未来選手と「ビクトリープロジェクト®」プロジェクトリーダー栗原秀文さんとの取り組みが語られています。

2016年のリオデジャネイロ大会からパリ大会まで3大会連続で出場し「パリ大会は最初の1大会目、2大会目とは全然気持ちが違っていて、体も心も万全な状態で出場できたオリンピック。結果としてみたら本当に残念で、力が出し切れなかったという悔しさが残ったんですけど、自分の中ではやり切れたオリンピックになった」と語る髙市選手。

その髙市選手の栄養課題をサポートしたのは、栗原秀文プロジェクトリーダーです。

そもそも自分にとっての栄養課題がわかっていなかった

ーーーご自身の中で何か課題を感じられていて、この栄養戦略に取り組まれることになったのでしょうか?

髙市選手

まず栄養課題が自分にとってなんなのかということ自体がわかっていなかったので、栗原さんに教えていただいて、こんなこともあるんだ、こういうことも足りないんだというのを教えていただきました。

これまで深く考えてなかったところを細かく教えていただいて、コンディションとしてはすごく良くなったというか。もっとできることがあるんだっていうのを教えていただいて、オリンピックの準備期間がすごく充実していたなと思います。

ーーー栄養や動きに関してでも、栗原さんのアドバイスを受けたことで印象に残っていることはありますか?

髙市選手

栄養もそうなんですけど、とにかくいつも前向きにいろいろと言ってくださいました。自分自身が結構ネガティブな気持ちの持ち主なのでそういったところで、これじゃだめだなとか。でも栗原さんからはダメだとか否定的なことを一度も言われたことがなくて。自分の中でこれでいいんだなっていうのと、もう少しこうしていきたいなっていうのを自分の中で考えつつ。

私自身も前向きにオリンピックまでの期間を過ごせたので、ホントにすごく、たくさんのいい影響をいただいて取り組むことができました。

ーーーなぜ「ビクトリープロジェクト®」のサポートを受けたいと思ったのですか?

髙市選手

コンディションが上手く整えきれずに、オリンピックも三大会目を迎えるにあたって戦う準備が難しくなってくるなと感じていまして、サポートをしていただきながら学ばせてもらって、コンディションを整えて、それでいい状態で、試合に挑みたいっていう気持ちはとても強かったかなと思います。

担当トレーナー 三富陽輔氏と

「健康な体あっての柔道」というのを感じた

ーーー期間中のメニューで好きなものってあったんですか?

髙市選手

試合前に味の素社につくっていただいたなかで「エネとん(エネルギー豚汁)とウナギ」をとても美味しくいただきましたし、「パワーボール®」はとてもありがたく、食べやすく美味しいし、しっかりエネルギーを摂れるっていうところが私の中でとても印象に残っていますし、大好きなメニューです。

パワーボール®ってなに?

パワーボール®とは。緊張や疲労のある選手でも食べやすいように「ほんだし®」でだしをきかせた小分けのおにぎりです。

ビクトリープロジェクト®管理栄養士 寺田智子氏と

ーーー食事管理によってよい効果が出たかと思います。ご自分の体や心の変化にはどういったものがありましたか?

髙市選手

いろいろと食事のサポートをしていただいてから、体も心も大きく変化しました。一番はパリ2024オリンピックを目指すために自分が何をしたらいいのか、それこそさっきも言った課題が何かっていうこと自体もわからない状態でいたんですけど、まずは一番大切なことは健康でいて、それで柔道をするっていうところを教えていただきました。

いままでは頑張ればいいと、ただ頑張って強くなればいいということを考えてやっていたんですけど、今回の期間は「健康な体あっての柔道」というのを本当に感じました。しっかりと自分の体っていうのを大切にしようっていうことを一番に考えて、取り組んできましたし、それがしっかりできたら、柔道も伸びてくるんだろうなって感じながらやっていました。

髙市選手

自分ひとりで歩んでいるときは、さまよっている迷子の状態で、柔道と向き合うことができないんじゃないかなと思った時期があったんですが、今回「ビクトリープロジェクト®」にサポートしていただき、ともに歩んでいったなかで、柔道と戦うのでなく、柔道と向き合ったり、柔道の楽しさをより感じられる準備ができ、勝つことだけでなく、柔道の楽しさや取り組み方の道を新たにつくっていただいたと思います。歩んできた道の中で、可能性というのは本当に広がりました。また、競技者でなくなった人生でも必要なこと、大切なことを教えていただいたと思います。

オリンピックまでやってきたことに対する充実感や誇りが得られた

ーーー帰ってきてから、栗原さんと会ったんですか?

髙市選手

試合の次の日の朝にお会いしました。

ーーーどんな会話をされましたか?

髙市選手

まずは、ありがとうございますということと、オリンピックは技術的なところでは負けてしまったんですけど、コンディションは過去一番よかったと思いますし、いつも栗原さんが健康で戦ってほしいといつも言ってくださっていたので。その健康な状態で体が暖かくて、その状態で試合に挑めたということをしっかり伝えました。栗原さんの力があったので感謝を述べさせていただきました。本当にそれがいつも支えになっていました。

担当トレーナー 三富陽輔氏と

ーーー髙市さんにとって栗原さんはどんな存在ですか。

髙市選手

何かにたとえると、太陽のような、お花でいうとひまわりのような人だなと思っています。温かくて、いつも前向きにしてくださった方だったし、近くに寄り添ってくださったと感じていました。ちょっと恥ずかしいんですけど、私がオリンピックに向かうのに、欠かせなかった人というか。ともに歩んでくださってありがたかったです。

ーーー3度戦ったオリンピック、出場される選手はそれぞれがそれぞれの価値を見出していると思います。髙市さんは出場され、そして届かなかったということも含めて、オリンピックにどういった価値や重さを感じていますか。

髙市選手

オリンピックでの金メダルを目指して常にやってきたんですけど、そこには届かず。今回も負けてしまって、個人戦ではメダルを取れなかったんですが、オリンピックまでやってきたことに対する充実感や誇りが得られたと思ってます。それは本当にオリンピックがなければそういうことも感じられなかったと思いますし、オリンピックがあって成長もできたと思います。

あとは、オリンピックを目指さなかったら見えなかったものが常に見えていました。オリンピックというのは、自分自身を前進させてくれたものでもあるし、成長させてもらったものであったという風に思っています。

髙市選手

とくに柔道は練習をしっかりたくさんやって鍛えていくところに重点的なものを置いてるかもしれないですけど、いい練習だったり、いいトレーニングをするためには何が必要かって考えたときに、栄養、コンディション、体重調整が、すごく大きく左右すると私自身は感じています。がんばるためにまず何が必要かっていうところをこれからの選手、今後トップを目指して頑張る選手には伝えていけたらなと思っています。

「おかげさまで最高の人生です」

髙市選手は、パリでの戦いを終えた2024年10月、現役引退を表明しました。

ーーーオリンピック後に、栗原さんに記念品をお渡ししたそうですね?

髙市選手

あ、サインを。

ーーーなんて書きました?

髙市選手

なんて書きましたっけ?

栗原さん

「おかげさまで最高の人生です」って。

髙市選手

本当に栗原さんには、柔道人生だけじゃなく人生そのものっていうのが・・・たぶん栗原さんと出会ってなかったら、落ち込むだけだったのかなと。試合に負けたことだけにフォーカスしてしまっていたと思うんですけど。今回はそうじゃなくて、挑めたことだったりとか、取り組めたことっていうものに対して後悔がなかったです。

髙市選手

負けも含めていい人生を歩んでいるんだなということを感じて、その言葉を書いたのかなと思います。そこはすごく、強く思えることだなと、思ってます。

ーーートレーニングは100点でも、食が70点だったら70点だという話をよくトレーナーの方から聞くんですけど。選手からするとどうなんですか、今回こういうプロジェクトを体験してみて。

髙市選手

今回「ビクトリープロジェクト®」を体験して、はじめて食に対しての興味や大切さを感じました。本当にいままでは偏った食事の摂り方をしていたんだなって感じます。バランスよく摂ることの大切さ、自分ではできていると思い込んでいたんですが、そうじゃないんだよと。もっとそこが充実すると練習や試合も充実するんだよっていうところを教えていただきました。

今までは、単に脂質を減らせばいいと思っていたし、お米を食べると太るんでしょ、っていう勝手な考え方があったんですけど、そうではない。体を動かすのに一番必要なエネルギーを私はいままで全部なくしていたんだなと・・・よくそれで戦えていたなって感じました。

ーーー摂ってもちゃんと減量できると。

髙市選手

そうですね、摂った方が逆に動きやすくもなりましたし。体重もスムーズに落ちるようになりましたし。

ーーーこれから世界を目指す柔道家や子どもたちにどういうアドバイスをしたいですか?

髙市選手

もちろん勝つこととか負けることというのはありますし、そこに一番フォーカスしがちなんですけど、それだけでなく、何事もバランスよくやっていくことは大切だと思っていて。そこの中で何かが飛びぬけるだけでなく、総合的にレベルアップできると、柔道っていうものがより楽しく充実したものになると思います。栄養もそうですし休養もそうですし、楽しむことっていうのもそうですし。そういったところを総合的にレベルアップしていくことが大切だと伝えていけたらなと思っています。

ーーー「ビクトリープロジェクト®」のサポートを受けて、実生活でご飯を作られる際に、自分で作ってみたいメニューなどはありますか。

髙市選手

もう「パワーボール®」を。これから生きていくのにもパワーは必要なので。「パワーボール®」は主人にもしっかり食べさせたいなと思います。

【味の素KKビクトリープロジェクト 髙市未来インタビュー】 三度のオリンピック挑戦で得たものとは

髙市 未来(たかいち みく)

パリ2024オリンピック出場種目:柔道女子63kg級、混合団体
1994年4月7日、東京都生まれ。コマツ所属。小学校2年の時に警察官の父親と兄の影響を受け、柔道を始める。ジュニア時代から国際大会優勝を経験し、2013年2月のヨーロッパオープン・ソフィアではシニアの国際大会で初優勝。2015年4月、2019年4月の全日本選抜柔道体重別選手権大会でも優勝を飾るなど、国内外の大会で何度も優勝を経験している。リオデジャネイロ2016オリンピック、東京2020オリンピック、パリ2024オリンピックと三大会連続出場を果たす。

栗原秀文

「ビクトリープロジェクト®」プロジェクトリーダー/サポートディレクター
1999年、味の素株式会社入社。名古屋支社にて家庭用の営業職に従事。2004年から「アミノバイタル®」部(現スポーツ&ヘルスニュートリション部)にて「アミノバイタル®」の開発・販売マーケティングと共に、「ビクトリープロジェクト®」を担当。2016年からは、プロジェクト専任に。羽生結弦選手、阿部一二三選手、阿部詩選手、入江陵介さんをはじめ、数多くのアスリートたちをサポート。選手と本気でぶつかり、向き合い、現在の「ビクトリープロジェクト®」の基盤を作るとともに、進化させている。

※味の素㈱は、 TEAM JAPANゴールドパートナー(調味料、乾燥スープ、栄養補助食品、冷凍食品、コーヒー豆)です。

2025年2月の情報をもとに掲載しています。

味の素グループは、アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献します

味の素グループは、

アミノサイエンス®で人・社会・地球の

Well-beingに貢献します

「最新記事」一覧を見る