活動レポート

スポーツ支援を通じて実現したい社会貢献とは
〜味の素社の「ビクトリープロジェクト®」担当者が語る想い〜

味の素社は、さまざまなスポーツ支援を行っています。2003年からトップアスリートに提供してきた健康とパフォーマンスを支える食事プログラムは、スポーツを楽しむみなさんの献立のヒントにもなります。ところで、味の素社はなぜスポーツ支援に力を入れているのでしょうか? 世界をめざすトップアスリートを支援する「ビクトリープロジェクト®」のチームリーダーにお話を聞いてきました。

なぜ味の素社がスポーツを支援するのか?

味の素社といえば、うま味調味料をはじめ、世界の食卓においしさを提供する食品メーカーですが、スポーツ支援に力を入れる理由も、「おいしく食べて健康づくり」という創業者の思いに根ざします。

アスリート支援の目的はアスリートの強化にとどまりません。すべての生活者へ、おいしくて栄養バランスにすぐれた食事の提案、まさに味の素社のめざす「食と健康の課題解決企業」へとつながっていくのです。

アミノ酸のリーディングカンパニーとして、「おいしく食べて健康づくり」の最先端を走るのが、世界をめざすトップアスリートをサポートする「ビクトリープロジェクト®」です。

そして「ビクトリープロジェクト®」から生まれた、アスリートの栄養環境を改善するために実施する栄養プログラムが「勝ち飯®」です。さて、どんなメニューでしょうか?

たとえば、スポーツ時の栄養補給に「ほんだし®」を使って簡単に作れる「パワーボール」や、受験生の体調管理にも役立つメニューなど、家庭ですぐに使えるメニューも盛りだくさんです。

では、「勝ち飯®」はどのように生まれたのでしょうか。「ビクトリープロジェクト®」のチームリーダー栗原秀文氏に聞いてみました。

「味の素さんならわかるでしょ?」に答えたい

栗原秀文
1976年、東京都生まれ。プロ野球選手を目指し、小学校から大学まで野球を続ける。
大学卒業後、1999年に味の素(株)に入社。2004年より「アミノバイタル®」部にて「ビクトリープロジェクト®」を担当。チームを牽引するキーマン。

写真左は広報の担当者であるグローバルコミュニケーション部の大住磨緒

日に焼けた肌に白い歯がキラッと光る栗原秀文氏は、大学野球で活躍したスポーツマン。現在は仕事が忙しく、スポーツを楽しむ時間は少ないそうですが、ジムでしっかり鍛えていることは、厚い胸板を見ればわかります。

「ビクトリープロジェクト®」とは、日本代表選手や、その候補になるトップアスリートを対象に、「食とアミノ酸」で国際競技会などでも勝てる体づくりを支援する取り組みです。

――「ビクトリープロジェクト®」はどのように始まったのでしょうか?
栗原:そもそものきっかけはアミノ酸サプリメント「アミノバイタル®」の認知度向上です。アミノ酸の機能を一番感じることができ、また必要とするのはアスリート、それも国際大会での活躍をめざすトップアスリートです。そこで味の素社は2003年にJOC(日本オリンピック委員会)のパートナーになり、アミノ酸で選手強化という切り口で選手の支援を開始しました。これが「ビクトリープロジェクト®」の始まりです。

――栗原さんはいつから関わっているのですか?
栗原:発足当時、私は 入社4年目で、名古屋支社にいました。まだチームメンバーではなかったのですが、すごいプロジェクトが始まったなーとワクワクして、アミノ酸や栄養について勝手に学び始めました。「アミノバイタル®」を大量に買ってきて、知り合いの選手や、地元の少年野球チームに所属する子の親御さんにサンプルを配ったり、勉強会を開いたり。ええ、自腹で。勉強会が終わると、親御さんたちから質問されるんですよ、「ウチの子に何を食べさせたらいいでしょう? 味の素さんだったらわかるでしょ?」と。必ず「味の素さんだったら」がつくんです。それで気づきました、みなさんの味の素社への期待はこれだと。栄養について知りたいんだ、と。

当時、私にはそれに答えるだけの知識がなかったので、支社や東京の本社の管理栄養士たちに聞きまくりました。でも、どうしても親御さんに納得してもらえそうな回答が出てこない。よし、それなら自分で答えてあげようと、栄養学をがんがん勉強しました。名古屋の親御さんたちが、まだ20代の私を味の素社の人間として見てくれることがうれしくもあり、責任も感じていたので。

――めちゃくちゃ栄養に詳しい社員になったのですね。
栗原:ええ、スポーツ栄養に関しては社内でいちばん詳しくなってやろうと(笑)。2004年の夏に念願がかない、「ビクトリープロジェクト®」の部署に配属されました。

さっそく支援する選手たちと話をしてわかったことは、選手にアミノ酸の話だけをしても、その大切さが伝わらないということ。もうひとつは、アミノ酸だけ摂っても強い体にはならないから食事とセットで考えてもらわないとダメだなということ。

「アミノバイタル®プロ」は1袋200円以上もします。でも、それを基礎的な栄養が満たされていない人が飲んでも、ただの18kcalの粉なんですよ。アミノ酸の機能を100%発揮させるには、日頃から栄養バランスが整っている必要があります。アミノ酸の大切さを食事とセットで伝えるにはどうしたらいいのか、考え続けました。

――栄養バランスの取れた食事のできていない選手がいるのですか?
栗原:ええ、かなり。だから味の素社に求められていることは、食事全体をハンドリングして、メニュー提案してあげることなんです。選手の競技力を高めるために、なりたい体になるために、栄養を意識しながら、かつ、おいしく食べることが大事です。おいしくなければ続きませんから。味の素社にはアミノ酸をはじめとした栄養に関する知見が蓄積され、管理栄養士たちもそろっています。そこで、アスリートのために栄養を意識した食事プログラムを作りました。それを具体化したのが「勝ち飯®」です。

少年野球の子の親御さんの「味の素さんならわかるでしょ」にも、これがひとつの答えになってくれるかな、と思います。

選手たちに人気の「勝ち飯®」メニュー「だし香る肉じゃが」。エネルギー源の糖質を多く含むじゃがいもと、糖質を効率よくエネルギーに変えるビタミンB1を多く含む豚肉が入っているので、エネルギー補給が大切な試合期にピッタリです。
https://sports.ajinomoto.co.jp/topics/19/_2022victory_road.html

スポーツを通して「おいしく食べて健康づくり」を発信

阿部一二三選手に栄養指導を行っている様子

――「勝ち飯®」は、私たちの献立のヒントにもなるのですか?
栗原:もちろんです。「勝ち飯®」がめざしているのは、じつはアスリートを超えて、みなさんの健康づくりにあります。なぜ味の素社がアスリート支援をするのかといえば、味の素社が、おいしさと栄養バランスの高い食事を提案できる会社であることを、みなさんに知ってもらいたいから。つまり、味の素社がアスリート支援をするのは、みなさんの「おいしく食べて健康づくり」を実現するためです。

おいしく食べるには、アミノ酸のうま味を上手に使わなくていけない。そして健康になるには、アミノ酸の機能をうまく取り入れないといけない。この2つをキチッと私たちの食生活に落とし込んでいくことが、私たちの仕事だと思っています。

――今後も「ビクトリープロジェクト®」は続くのですか?
栗原:ええ。スポーツは言葉も文化も人種の壁も取っ払って共有することができる、大きな力を持っています。だからこそ私は、スポーツ選手のニーズに合った食事を提案していきたい。そうすることで世界中の人たちにその意義が伝わるのではないかと思っています。継続してがんばることができるのは、精神力で乗り切ろうとしても保てて2、3日。やはり継続してがんばるには「健康」が重要で、それを支えるのは栄養ある食事です。味の素社のコーポレートスローガンは「Eat Well, Live Well.」ですが、アスリートにとってのEat Wellは「がんばるためにおいしく食べる」。Live Wellは「世界で勝つ」、です。

将来的には、世界のアスリートまでサポートを広げていきたいと、勝手に思っています(笑)。 海外のスポーツ選手にも「アミノバイタル®」は徐々に知られてきていますし、活用してくれている人も少しずつ現れています。アミノ酸の重要性を理解しているからでしょう。ですが、まだまだその広がりには課題を感じます。こうしたスポーツ選手を入り口に、アミノ酸の文化を世界に広げていきたいですね。なぜならそれが世界の人の「おいしく食べて健康づくり」の近道だと思うからです。

――アスリートにとっての「Eat Well, Live Well.」、心に響きました! 栗原さん、ありがとうございました。

アスリートそれぞれに合った栄養を考え、献立を立て、選手のコンディションを分析し、国際大会には帯同もする。そんなアスリートファーストの「ビクトリープロジェクト®」が、じつは私たちの食卓につながっているなんて、ちょっとうれしいです。たとえば、今日の献立をあの○○選手の「勝ち飯®」メニューにすることもできるというわけです。
このように、味の素社のスポーツ支援は、私たち一人一人の「おいしく食べて健康づくり」につながっているのですね。

ちなみに、栗原氏の取材当日の朝食メニューは、アジの開きと卵と納豆、そして味噌汁......と、まさに「おいしく食べて健康づくり」のお手本のような方でした。

2021年8月の情報をもとに掲載しています。

味の素グループは、アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献します

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