旬のはなし

βカロテンってなに? 小松菜は冬に摂りたい栄養満点の緑黄色野菜!

βカロテンってなに? 小松菜は冬に摂りたい栄養満点の緑黄色野菜!
旬の食材とその魅力、おいしい食べ方をご紹介する連載「旬のはなし」。今回は「小松菜」です。
栄養価が高くクセがないため、最近ではスムージーに利用する人も多いですね。

小松菜は「おひたし以外に調理法を知らない」「子どもが喜びそうなレシピが思いつかない」など、定番ではあるものの、存在感が薄い野菜のイメージがある方もいらっしゃるのでは?
今回は、栄養満点でテーブルにも彩りを添える緑の野菜の小松菜の魅力を、バリエーション豊かなレシピとともにたっぷりとご紹介します。

のどや鼻の粘膜を守る! βカロテンのちから

冬は感染症の流行シーズン。のどが痛い、せきや鼻水が出る......。風邪かな? と思ったときには、
・免疫力を高めるビタミンC
・のどや鼻などの粘膜の健康を保つβカロテン
を意識して補うことなどが大切です。

βカロテンとは、体内で必要に応じビタミンAに変わり、のどや鼻などの粘膜の新陳代謝を高めることでウイルスから体を守る、この時期に注目すべき栄養素です。

じつはこのビタミンCやβカロテンを豊富に含む食材こそが、冬の緑黄色野菜の代表、小松菜なのです。

知っていると便利!小松菜の選び方と保存のコツ

小松菜の旬は冬です。最近はハウス栽培などで一年中店頭に並びますが、露地物は秋に種をまき12月~3月に収穫されます。
せっかくの旬の時期には、風邪をひきそうだから、ひいたからではなく、日頃からおいしく食べながらβカロテンやビタミンCを十分に摂取しておくことが重要です。

おいしい小松菜を選ぶポイントは、以下の3つです。
①葉は濃い緑色でみずみずしく厚みがある
②葉柄(細い柄の部分)が短い
③根が白くて細い
店頭で、ぜひチェックしてください。

ただ、小松菜は非常に傷みやすいためできるだけ早く使いきりましょう。
ざく切りにして冷凍用保存袋に入れれば冷凍庫で2週間ほどもちます。凍ったまま炒めたり、汁物に入れることができるので便利ですね。

ところで、小松菜の名前の由来をご存じですか?
古代中国では、年始に松の実と若菜を食べて健康長寿を願う風習がありました。日本に伝わった際に松の実が手に入らなかったため、冬の若菜に「松」の意を込めて小松菜と名付けたという説があります。
一方、もともと小松菜が、小松川(現在の東京都江戸川区付近)の特産品だったことから、五代将軍徳川綱吉が名付けたという説もあります(※八代将軍吉宗という説もあります)。

冬の緑黄色野菜「小松菜」の栄養素

■のどや鼻、小腸などの新陳代謝を促す、βカロテンが豊富。
■白血球の働きを強化するビタミンCも。
■葉酸、ビタミンK、カルシウム、鉄、カリウム、食物繊維など、多くの栄養素をまんべんなく含んでいます。

風邪予防&回復のために、小松菜をおいしくたくさん食べましょう!

【旬のレシピ】肉や魚と一緒に! マスターしたい小松菜レシピ

小松菜に含まれるカルシウムや鉄は、肉や魚と組み合わせる、βカロテンは油で炒めたりすることで効率よく摂取することができます。
また、ゆでることでかさが減り食べやすくなる分、食物繊維を補いやすい食材と言えます。

ただし、ビタミンCはゆでることで失われるので、株のままゆでる、加熱は短時間で行うのがポイントです。

そして意外と知られていないのが小松菜のサラダ。
あくが少ないので新鮮なものが手に入ったときは、生で食べるのもおすすめです。

「豚肉・しめじ・小松菜のオイスターソース炒め」

オイスターソースのコクがお肉と小松菜、しめじを包み込む。ごはんが進む一品。

「小松菜としらす干しのおにぎり」

小松菜をさっとゆでて、しらすと混ぜるおにぎり。小松菜のシャキシャキ感がクセになります。

「小松菜のふわ玉スープ」

鶏がらスープに、干し桜えびの風味をプラス。野菜をもりもりいただくスープです。

クセもなく、調理しやすい小松菜。
この冬は、豊富に含まれる栄養素をあますところなくいただきたいですね。

自然の恵みに感謝して、
今日もおいしく、旬をいただきましょう。

風邪の原因と食事のアドバイス

1.かぜの原因
かぜ症状を引き起こす病原体の9割以上はウイルスです。細菌による感染症には抗生物質が効きますが、ウイルスを直接攻撃する薬はありません。私たちの体内で免疫システムが働き、ウイルスを攻撃します。免疫システムが働くまでには一定の時間がかかります。そのため、かぜ症状が出たあと1週間程度は症状が続きます。

2.食生活
ウイルスに感染しないよう、日頃から健康状態を良好にしておくことが大切です。そのためになにか特別な食品を食べるというより、自分に適したエネルギー量と栄養素を摂取するよう心がけましょう。

◎無理なく続ける! 健康的な食生活の心得
・体格や活動量に見合ったエネルギー量を十分に摂取する
・1日3回、一汁三菜を心がける
・その日とり損ねた栄養素を夕食で意識して摂取する

3.カルシウム摂取に小松菜!?
カルシウムはどの年代でも不足している栄養素です。ゆでた小松菜100gあたり、カルシウムは150mg含まれます。同じ量の牛乳に含まれるカルシウム量110mgを上回るのです。カルシウム=牛乳というイメージがありますが、カルシウム補給に野菜も大いに活用しましょう。小松菜やかぶはカルシウムを多く含み、調理しやすいので便利な食材ですね。

監修:牧野直子(まきの・なおこ)

管理栄養士、料理研究家、ダイエットコーディネーター。「スタジオ食(くう)」代表。おいしくて体にやさしいレシピや健康的なダイエット法などを提案し、テレビ、雑誌、料理教室、健康セミナーなどで幅広く活躍中。共著に『2品おかずで塩分一日6g生活』(女子栄養大学出版部)ほか。

2021年1月の情報をもとに掲載しています。

旬のはなし

牡蠣で免疫力アップ! 鉄、亜鉛、ビタミンB

牡蠣で免疫力アップ! 鉄、亜鉛、ビタミンB

旬の食材とその魅力、おいしい食べ方をご紹介する連載「旬のはなし」。今回は「牡蠣」です。
「調理法がわからない」「子どもが食べない」などを理由に、献立に取り入れていない方が多いかもしれません。
昔から「R」のつかない月(5月~8月)には食べないと言われている牡蠣。
日本でもっともポピュラーである真ガキは、11月~1月にうま味が凝縮し、もっともおいしくなると言われています。

牡蠣には、うれしい栄養素がたくさん含まれています。
バリエーション豊かなレシピとともに、おいしい牡蠣の魅力をたっぷりとご紹介します。

疲労回復の救世主! グリコーゲン&タウリン

寒い季節、朝晩の気温差や外気と室内の寒暖差によって、体は思いのほか疲れを溜め込んでしまうことをご存知でしょうか?
疲労によって免疫力が低下すると風邪や感染症にもかかりやすくなります。疲れを溜めないためにしっかり睡眠をとることも大切ですが、日頃から温かくておいしくてバランスのとれた食事を摂ることを心がけたいものです。

冬に旬を迎える牡蠣には、グリコーゲンやタウリンなどの栄養素がたくさん含まれています。
ブドウ糖が集まってできたグリコーゲンや、栄養ドリンクの成分としても知られるタウリンは、エネルギーを作ったり内臓の機能を高める効果があり、疲労回復にもってこいの栄養素なのです。

食べ過ぎも気になる季節ですが、じつは必要なエネルギー量が足りないことでさまざまな代謝機能が滞り、それこそが疲労の原因となることもあります。
1日に必要なエネルギー量(※)を意識しながら、バランスの良い食事をとりましょう。

※1日に必要なエネルギー量:成人の場合 男性2500~3000kcal程度/女性2000~2300kcal程度

ミネラルもたっぷりで食べなきゃ損

牡蠣に含まれる、栄養素はグリコーゲンとタウリンだけじゃありません。
牡蠣に豊富に含まれるビタミンB群は、炭水化物、たんぱく質、脂質という三大栄養素を、エネルギーや生命の維持に必要な物質に変換します。
ビタミンB1の不足は、乳酸などの疲労物質が体に溜まる原因にもつながります。

そのほか、鉄、銅、亜鉛、マンガンなどのミネラルを豊富に含んでいます。
牡蠣3~4個で1日に必要な量を摂取できる亜鉛には、免疫力アップやエネルギー代謝の促進などの働きがあります。
また、鉄は、体内に酸素や栄養素を運ぶヘモグロビンをつくります。そのため体内の鉄が不足すると酸素や栄養分を十分に運べず、疲れやだるさを感じやすくなります。いずれも私たちの体にとって重要な栄養素ですね。

旬の栄養素「牡蠣」

■三大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)の代謝に欠かせないビタミンB群が豊富
■肝機能を高めるグリコーゲン、タウリンが含まれ、疲労回復をサポート!
■さらに鉄、銅、亜鉛、マンガンなどのミネラルも豊富

牡蠣は疲労回復の救世主!

【旬のレシピ】便利な常備菜も! マスターしたい牡蠣レシピ

牡蠣に豊富に含まれる鉄は、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率がアップします。パプリカと一緒に炒めたり、ブロッコリーとパスタにするなど、ビタミンCの多い野菜と組み合わせるのがオススメです。
加熱用の牡蠣にはとにかくしっかりと火を通すようにしてください。

フライパンでじっくりソテーした後、オリーブ油に漬ければ、常備菜として保存することも。この際、牡蠣が空気に触れないよう、多めのオリーブ油に漬けるのがポイントです。
そのほか、酒蒸し、ワイン蒸しなどもぜひ試してみてください。

「牡蠣と長ねぎのガーリックバター」

牡蠣を焼くように炒めたあと、「Cook Doきょうの大皿」ガリバタ鶏用で和えるシンプルメニュー。 忙しいときにオススメ!

「牡蠣とほうれん草のチャウダー」

牡蠣のうま味がつまった、濃厚なスープ。お子さんにも人気のミルク仕立て。

「牡蠣の混ぜピラフ」

炒めた牡蠣としめじにごはんを混ぜ合わせる、かんたんピラフ。献立の主役になる豪華な一品です。

お鍋にしたり、フライやワイン蒸しにしたり......。
牡蠣のおいしさのピークを迎えるこの時期に、これまで試したことのないメニューに挑戦してみてはいかが?

感染症シーズンの冬、免疫力を高め、心身ともにパワフルに乗り切りたいですね。

自然の恵みに感謝して、
今日もおいしく、旬をいただきましょう。

旬の食材を知る
ー牡蠣編ー

1.選び方
むき身の場合は、白か、青みがかった白色で光沢があり、外側の黒いひだが鮮やかで、ふっくらしているものを選びましょう。生で食べるものは、必ず「生食用」と明記されているものを買いましょう。

2.保存方法
私たちがスーパーなどでよく見かける牡蠣の品種は、真ガキです。真ガキは、北海道から九州の各地に分布。ほとんどは養殖施設で生産されており、海面養殖の中では海苔に次ぐ生産量です。
三陸沿岸など、プランクトンの多い水域では1年で収穫できますが、通常は2~3年かけてで収穫されます。

3.トリビア
「生食用」と「加熱用」の違い、ご存じですか? これには、単純に鮮度の差ではなく、育った環境の水質をはじめとしたさまざまな基準が設けられています。
食品衛生法によって、牡蠣が持つ細菌数や、生育環境(海水)の大腸菌数、加工方法や保存基準、容器に至るまで、細かく規定基準が設けられており、クリアしたものだけが「生食用牡蠣」として市場に流通しています。

監修:牧野直子(まきの・なおこ)

管理栄養士、料理研究家、ダイエットコーディネーター。「スタジオ食(くう)」代表。おいしくて体にやさしいレシピや健康的なダイエット法などを提案し、テレビ、雑誌、料理教室、健康セミナーなどで幅広く活躍中。共著に『2品おかずで塩分一日6g生活』(女子栄養大学出版部)ほか。

2020年12月の情報をもとに掲載しています。

食と健康

意外と知らない!?薬味の効能と健康パワー

意外と知らない!?薬味の効能と健康パワー

おそばにわさび、うどんに七味唐辛子、さんまに大根おろし・・・・・・と当たり前のように添えられる薬味たち。味全体を引き締めるだけでなく、香りや風味を添えるなど、料理を上手に引き立てる「名脇役」です。

決して主役ではないけれど、ないとどうも物足りない・・・・・・。そんな不思議な魅力を持つ薬味は、いまや私たちの食卓になくてはならない存在になっています。

そんなごく身近な薬味ですが、薬味のすごさついては、じつはあまり知られていないのではないでしょうか?

いま改めて、薬味の種類や効能を知ることで、これまでよりもっと体に良くて楽しい食卓になるかもしれません。

今日からあなたも「ハッピー薬味ライフ」を始めてみませんか。

薬味が「くすりのあじ」と書く理由

「薬味」と聞いて、思い浮かべる食材は何ですか?
わさび、七味唐辛子、大根おろし、ねぎ、ゆず、海苔、しょうが、にんにく、山椒、大葉、みょうが、ごま、鰹節・・・・・・など、おなじみの食材が思い浮かびますね。地域によっては、すだち、かぼす、ゆずこしょうなどもあるかもしれません。季節を感じさせてくれるものもあれば、一年中食卓に欠かせないものもあります。また、粉末やチューブなど気軽に入手できるものもあるので、以前よりぐっと身近な存在になっています。

そもそも「薬味」とは何でしょうか。
薬味は料理に添える香辛料のこと。この「添える」というのが、ポイントなのですね。刻んだり、すりおろしたり、絞ったりして、あくまでも主役に「少量添える」ことに徹する。そんな健気な薬味は、なぜ「くすりのあじ」と書くのでしょうか。

もともと「薬味」という言葉は医学用語だったそうです。中国最古の薬書『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』によると、食物には五味「甘・苦・酸・辛・鹹(塩味)」があり、それぞれに効能があるとされ、体質などに応じて取り入れることが大切だと考えられていました。この五味を『薬味』と呼ぶようになり、次第に主薬(おもな効力をもつ成分)に調合する成分のことを「薬味」というようになったそうです。

今でも、人の好みやその日の体調によって、薬味を入れる量を調整するところは、当時の「薬味」を彷彿とさせますね。

ちなみに日本では、なんと約3000年前の縄文時代の遺跡から山椒の化石が出ているそうです。はるか昔の縄文人も薬味を使っていた可能性があるとはおどろきです。

湯豆腐だって冬のおすすめ健康メニューに!薬味の効果あれこれ

普段、何気なく添えている薬味。「香りを添える」「風味を添える」「季節やいろどりを表す」のほかにも、「食欲増進」「臭いをやわらげる」「毒消しや防腐効果」「消化を助ける」など、さまざまな作用があることがわかります。

しかし薬味の底力はそんなものではありません。
たとえばいつもの湯豆腐に薬味をプラスするだけで、味のバリエーションが広がるだけでなく、寒さや感染症から身を守る効果まで期待できてしまいます。

それでは、これから迎える冬にぴったりの薬味の効能をご紹介しましょう。

ねぎ

ねぎには消臭効果があり、肉や魚の臭みを取ってくれます。
ねぎの強い香りには、血行をよくし、疲労物質を分解する成分が入っているため、肩こりや疲労回復にも効果が期待できるそうです。

風邪をひいたときに「焼いた白ねぎをのどに当てると良い」という話を聞いたことのある方もいるのではないでしょうか。これは、ねぎに含まれる硫化アリルという成分に強力な殺菌作用と鎮静効果があるためで、理にかなった処方なのですね。

大根おろし

大根にはビタミンCのほか、ジアスターゼという消化酵素が豊富に含まれています。この酵素は、胃もたれを防止する効果があります。
脂ののったさんまの塩焼きに添えられた大根おろしや、おろしポン酢でいただくとんかつも、さっぱりして食べやすくなるだけでなく胃もたれまで軽減してくれる組み合わせなんですね。
ビタミンCとジアスターゼは熱に弱いですが、薬味の場合は大根おろしとして生で使うので栄養素を壊しません。

しょうが

しょうがは消臭効果や抗菌作用があることから、青魚などの刺身などによく添えられています。
しょうがに含まれる辛み成分には、発汗を促して熱を下げ、新陳代謝を促進して体を芯からあたためる作用があるので、かぜの初期や、冷え性の方にはぜひしょうが湯をおすすめしたいです。
さらにしょうがには弱った胃を元気にしてくれる効果もあるといわれ、漢方薬などにも多く使われる食材です。

ゆず

ゆずの果汁や皮には、レモンを上回るほどの豊富なビタミンCが含まれています。
ビタミンCは、風邪や感染症予防はもちろん、美容にも欠かせません。
さらに香りの精油成分には、神経をリラックスさせる効果や血行を促進させるはたらきがあるそうです。

このように、薬味は風味や香りを添えてくれるだけでなく、その名にふさわしく、さまざまな効能を発揮しながら、私たちの健康のサポートもしてくれていたのです。

薬味ライフは、いいことづくめ。
いろいろな薬味を積極的に取り入れて、今年の冬も元気に乗り切りたいですね。

冬の新定番! 体あたたまる薬味たっぷり鍋レシピ

薬味の隠れたパワーを知ったところで、さっそく薬味を使ってみましょう。

季節によって、またその日の体調によって、微妙に調整できるのも薬味のうれしいところ。組み合わせを自由にアレンジしながら、味や香りのバリエーションも楽しむことができます。同じメニューも薬味を変えて、新鮮さをプラス。忙しい人の強い味方です。

この機会に、新たな薬味の可能性をどんどん開拓して、あなたなりの「ハッピー薬味ライフ」を楽しんでください!

「しょうが鍋」

薄切り+すりおろしのダブルしょうがで味わい倍増!
心も体もポカポカのあったかお鍋。

「くずし豆腐と豚こまの薬味鍋」

ごまの香ばしさでワンランクアップ!
汁ごと食べたいヘルシー鍋。

「柚子みぞれ鍋」

輪切りのゆずがお出迎え! たらとかきのフワトロ鍋を、
香り豊かに召し上がれ。

 

2020年12月の情報をもとに掲載しています。

食と健康

食事で高める免疫力! ウイルスに負けない身体づくり

食事で高める免疫力! ウイルスに負けない身体づくり

人間の身体には、生まれつきウイルスや細菌などの外敵から自分を守るための仕組みが備わっています。それが「免疫」です。免疫の働きの強さを「免疫力」と呼びます。
つねに免疫力の高い状態をキープできたら……というのは、誰も同じ思いでしょう。
そんな免疫力にはアミノ酸も関係することをご存じですか?

今回は、免疫力に貢献するアミノ酸とビタミンの働きと、それらを食事で上手に取り入れる方法をご紹介します。

免疫力アップにはたんぱく質を!

「免疫」とは、私たちの身体がウイルスや細菌に侵されたとき、血液中の白血球の一種であるマクロファージやT細胞、NK細胞などが外敵を攻撃し、身体の健康を保とうとする働きのことです。

免疫力を高めるためには、「睡眠」「運動」「食事」の三つの要素が大切といわれています。とくに毎日の食事のバランスは重要ですが、なかでも身体のもとになるたんぱく質と抗酸化作用をもたらすビタミンの摂取は欠かせません。

たんぱく質は、のどや鼻などの粘膜を作ってくれる大事な栄養素です。さらに、たんぱく質からは免疫力に貢献するアミノ酸を摂取することができるのです。

免疫力に貢献!アミノ酸「シスチン」「テアニン」

鶏肉などの肉類や大豆に豊富に含まれる「シスチン」と、緑茶のうま味成分として知られている「テアニン」は、私たちの免疫力に働きかけてくれるアミノ酸です。

シスチンは体内で分解され、人体に重要なグルタチオンを構成するシステインに変化します。システインは解毒作用や抗酸化作用を持ち、医薬品としてさまざまな皮膚疾患の治療にも使われています。

テアニンは、新茶の若芽や玉露に豊富に含まれ、お茶に含まれるアミノ酸の半分以上を占めています。カフェインによる興奮を適度に抑え、脳の神経細胞を保護してリラックスを促す効果があるといわれています。

シスチン、テアニンともに、体内で免疫に重要なグルタチオンの材料になります。

味の素グループの実験では、シスチンとテアニンを同時に摂取すると、摂取していない場合よりも風邪をひきにくくなるという結果が出ています。風邪を引いた場合でも、悪寒や発熱、鼻水、のどの痛みなどの症状が少なくなったということです。

身近なビタミンA、C、E、いま注目のビタミンDも大切

身体の調子を整える機能を持つビタミン類にも、免疫細胞の機能低下を防ぎます。
ビタミンA、C、Eはそれぞれ健康な細胞を傷つける活性酸素の働きを妨げる、抗酸化作用があります。

ビタミンAは、食品のなかにはβカロテンという形で含まれ、小腸から吸収されて効果を発揮します。皮膚や粘膜を強化し、白血球の増殖を早める機能も持ちます。ビタミンAを多く含む食品は、野菜ならにんじんやかぼちゃ。動物性食品ならうなぎやレバーなどです。

ビタミンCは、免疫作用にかかわる白血球細胞の機能を高める作用があります。果物や緑黄色野菜に多く含まれます。

ビタミンEには強力な抗酸化作用があり、免疫細胞自体を活性化させる作用もあります。ビタミンEを多く含む食品は、かぼちゃやアーモンド、鮭などです。

ビタミンDは、近年免疫システムの働きに影響を与えていることがわかってきました。日常生活のなかで日光を浴びる時間を確保できていれば不足することは稀ですが、リモートワークなどで外出の機会が少ない場合は鮭、いわし、うなぎなど脂質を多く含む魚を摂るといいでしょう。

アミノ酸とビタミンのバランスメニューで
ウイルスに負けない身体に!

さて、ここまで免疫に貢献するアミノ酸とビタミンについてみてきました。
それでは、実際にこれらを効率よく摂取するためには、どのような献立がよいでしょうか。

豚ロースの緑茶しゃぶしゃぶ

緑茶に多く含まれるテアニン、にんじんに豊富に含まれるβカロテン(ビタミンA)、緑黄色野菜に多く含まれるビタミンCをしっかり摂取することができます。ビタミンCは加熱に弱いので、薄く切ってだし汁をさっとくぐらせて食べるのがオススメ。また、豚肉に多く含まれるビタミンB1は疲労回復に良いといわれています。

ポテトとチキンといんげんのソテー

メインのチキンにはシスチンが、さやいんげんやじゃがいもにはビタミンCが豊富に含まれます。たんぱく質と野菜、食物繊維をバランスよく摂れるメニューです。

アミノ酸とビタミンを効率よく摂取して、ウイルスに負けない身体をつくりましょう。

他にも、免疫力アップに貢献するレシピは、こちらからチェックできます。ぜひトライしてみてください。

2020年9月の情報をもとに掲載しています。