食と健康

食事で高める免疫力! ウイルスに負けない身体づくり

食事で高める免疫力! ウイルスに負けない身体づくり
人間の身体には、生まれつきウイルスや細菌などの外敵から自分を守るための仕組みが備わっています。それが「免疫」です。免疫の働きの強さを「免疫力」と呼びます。
つねに免疫力の高い状態をキープできたら……というのは、誰も同じ思いでしょう。
そんな免疫力にはアミノ酸も関係することをご存じですか?

今回は、免疫力に貢献するアミノ酸とビタミンの働きと、それらを食事で上手に取り入れる方法をご紹介します。

免疫力アップにはたんぱく質を!

「免疫」とは、私たちの身体がウイルスや細菌に侵されたとき、血液中の白血球の一種であるマクロファージやT細胞、NK細胞などが外敵を攻撃し、身体の健康を保とうとする働きのことです。

免疫力を高めるためには、「睡眠」「運動」「食事」の三つの要素が大切といわれています。とくに毎日の食事のバランスは重要ですが、なかでも身体のもとになるたんぱく質と抗酸化作用をもたらすビタミンの摂取は欠かせません。

たんぱく質は、のどや鼻などの粘膜を作ってくれる大事な栄養素です。さらに、たんぱく質からは免疫力に貢献するアミノ酸を摂取することができるのです。

免疫力に貢献!アミノ酸「シスチン」「テアニン」

鶏肉などの肉類や大豆に豊富に含まれる「シスチン」と、緑茶のうま味成分として知られている「テアニン」は、私たちの免疫力に働きかけてくれるアミノ酸です。

シスチンは体内で分解され、人体に重要なグルタチオンを構成するシステインに変化します。システインは解毒作用や抗酸化作用を持ち、医薬品としてさまざまな皮膚疾患の治療にも使われています。

テアニンは、新茶の若芽や玉露に豊富に含まれ、お茶に含まれるアミノ酸の半分以上を占めています。カフェインによる興奮を適度に抑え、脳の神経細胞を保護してリラックスを促す効果があるといわれています。

シスチン、テアニンともに、体内で免疫に重要なグルタチオンの材料になります。

味の素グループの実験では、シスチンとテアニンを同時に摂取すると、摂取していない場合よりも風邪をひきにくくなるという結果が出ています。風邪を引いた場合でも、悪寒や発熱、鼻水、のどの痛みなどの症状が少なくなったということです。

身近なビタミンA、C、E、いま注目のビタミンDも大切

身体の調子を整える機能を持つビタミン類にも、免疫細胞の機能低下を防ぎます。
ビタミンA、C、Eはそれぞれ健康な細胞を傷つける活性酸素の働きを妨げる、抗酸化作用があります。

ビタミンAは、食品のなかにはβカロテンという形で含まれ、小腸から吸収されて効果を発揮します。皮膚や粘膜を強化し、白血球の増殖を早める機能も持ちます。ビタミンAを多く含む食品は、野菜ならにんじんやかぼちゃ。動物性食品ならうなぎやレバーなどです。

ビタミンCは、免疫作用にかかわる白血球細胞の機能を高める作用があります。果物や緑黄色野菜に多く含まれます。

ビタミンEには強力な抗酸化作用があり、免疫細胞自体を活性化させる作用もあります。ビタミンEを多く含む食品は、かぼちゃやアーモンド、鮭などです。

ビタミンDは、近年免疫システムの働きに影響を与えていることがわかってきました。日常生活のなかで日光を浴びる時間を確保できていれば不足することは稀ですが、リモートワークなどで外出の機会が少ない場合は鮭、いわし、うなぎなど脂質を多く含む魚を摂るといいでしょう。

アミノ酸とビタミンのバランスメニューで
ウイルスに負けない身体に!

さて、ここまで免疫に貢献するアミノ酸とビタミンについてみてきました。
それでは、実際にこれらを効率よく摂取するためには、どのような献立がよいでしょうか。

豚ロースの緑茶しゃぶしゃぶ

緑茶に多く含まれるテアニン、にんじんに豊富に含まれるβカロテン(ビタミンA)、緑黄色野菜に多く含まれるビタミンCをしっかり摂取することができます。ビタミンCは加熱に弱いので、薄く切ってだし汁をさっとくぐらせて食べるのがオススメ。また、豚肉に多く含まれるビタミンB1は疲労回復に良いといわれています。

ポテトとチキンといんげんのソテー

メインのチキンにはシスチンが、さやいんげんやじゃがいもにはビタミンCが豊富に含まれます。たんぱく質と野菜、食物繊維をバランスよく摂れるメニューです。

アミノ酸とビタミンを効率よく摂取して、ウイルスに負けない身体をつくりましょう。

他にも、免疫力アップに貢献するレシピは、こちらからチェックできます。ぜひトライしてみてください。

2020年9月の情報をもとに掲載しています。

食と健康

風邪予防に効くアミノ酸「シスチン」「テアニン」

風邪予防に効くアミノ酸「シスチン」「テアニン」

アミノ酸は、うま味を構成する成分のひとつです。味の素グループの最新の研究により、シスチンやテアニンといったアミノ酸は、免疫にも深いかかわりがあることがわかってきました。

免疫とは、病原性の細菌やウイルスが体内に侵入したときにそれを排除しようとして働く、カラダの自己防衛機能のことです。つまり免疫力とは、カラダを守る基本的な力であり、ヒトが本来持っているものです。
ところが、ヒトの免疫力は、加齢とともに徐々に低下します。また、激しい運動を行ったり、過剰なストレスがかかったりしても一時的に低下すると言われています。

ここでは、ヒトの免疫力に貢献するアミノ酸「シスチン」と「テアニン」に関し、詳しく解説していきます。

シスチンとは?

シスチンとは、タンパク質を構成するアミノ酸のひとつで、システインが2個結合してできています。成人は体内で合成することができますが、乳幼児はそれができず、栄養素として摂取する必要がある重要なアミノ酸(必須アミノ酸)です。シスチンは、硫黄を含んでいる含硫アミノ酸の一種でもあり、独特のにおいを持っています。

シスチンはアミノ酸システインが2個統合してできたアミノ酸であることを示した図

シスチンを摂取すると、解毒作用や抗酸化作用に役立つシステインになる!

シスチンをヒトが摂取して体内に取り込むと、メチオニンからシスタチオニンへと変換されていき、やがてシステインに分解されます。システインは、ヒトを含め生体にとって重要なグルタチオンの構成アミノ酸のひとつで、解毒作用や抗酸化作用に役立ちます。

また、システインは日本国内では医薬品として扱われており、湿疹、蕁麻疹、薬疹、中毒疹、尋常性瘡などのあらゆる治療にも使われています。

テアニンとは?

テアニンとは、グルタミン酸とエチルアミンが結合したアミノ酸で、お茶の葉に多く含まれるうまみの成分です。

テアニンはグルタミン酸とエチルアミンが統合したアミノ酸であることを示した図

お茶にはたくさんのアミノ酸が含まれていますが、その半分以上がテアニンです。テアニンはお茶の葉固有のアミノ酸で、特に新茶の若芽や玉露には、より多く含まれるとされています。

テアニンは、脳のα波を上昇させ、リラックス効果をもたらす!

テアニンをヒトが摂取して体内に取り込むと、グルタミン酸とエチルアミンに分解されます。テアニンには、カフェインに対する興奮抑制作用があり、カフェインの劇的な作用を適度な作用に変え、興奮を穏やかに和らげます。

また、テアニンは脳の神経細胞を保護する働きをもち、脳のα波を上昇させることでリラックス効果をもたらすとも言われています。

シスチン・テアニンの「抵抗活力」を実証

食物の中に含まれる、シスチンとテアニン。このふたつのアミノ酸を組み合わせて摂取することにより、「抵抗活力」をサポートできることが、味の素グループの研究によって明らかになりました。これは、世界で初めての発見です。味の素グループは、このシスチンとテアニンをあわせて「抵抗活力アミノ酸」と名付け、日夜その有用性やメカニズムについての研究を続けています。

味の素グループは、風邪をひきやすい冬の時期に、成人男子176人を対象にシスチン・テアニンの風邪予防効果を実験しました。その結果、シスチン・テアニンを摂取したグループでは、シスチン・テアニンを摂取しなかったグループに比べて、風邪をひいた人の割合が少なくなりました。

風邪をひいたとしても、シスチン・テアニンを摂取したグループは、悪寒や発熱、鼻水、のどの痛みなどの症状を訴える人の数が少なくなったことも実証されています。
(シスチン・テアニンのカゼ予防効果に関する実験結果は、よく深く知るアミノ酸のヒミツ!免疫とアミノ酸をご覧ください)

この実験結果などから、シスチン・テアニンを定期的に摂取していると、マクロファージやNK細胞といった体内の免疫細胞が活性化することが考えられます。そしてその免疫細胞の働きを維持することによって、ヒトのカラダの免疫力をアップし、風邪にかかるのを防ぎ、カラダを調子よく保つことが期待できると言われています。

シスチン・テアニンを豊富に含む食材・レシピ

では、抵抗活力を高めてくれるシスチン・テアニンは、どうすれば上手に摂取できるのでしょうか。
シスチンを豊富に含む食材は、鶏肉などの肉類や、大豆などの豆類、テアニンはお茶の葉とされています。

シスチンは肉類に大きく含まれる テアニンはお茶の葉に多く含まれる

ここに、シスチン・テアニンを効率よく、美味しく摂ることのできるレシピの一例を紹介します。風邪をひきやすい冬に、特におすすめの温かい料理です。

・鶏むね肉 人気レシピ

鶏むね肉のとろみ肉じゃが

・鶏むね肉 人気レシピ

やわらか鶏むねステーキ 月見てり焼きソース

・豚肉・緑茶 人気レシピ

豚ロースの緑茶しゃぶしゃぶ

まとめ

アミノ酸は、ヒトのカラダの健康のために多様な形で貢献しています。なかでも、味の素グループの最新の研究で明らかになった「抵抗活力」をサポートする働きを持つアミノ酸が、「シスチン」と「テアニン」です。
加齢、激しい運動、そして日々のストレス......毎日頑張っているヒトの免疫力をアップして、風邪に負けない健やかなカラダをつくるアミノ酸として、「シスチン」「テアニン」はその注目を集めています。
日常の食生活の中で効率的な摂取を行い、健康な生活にお役立てください。

2019年3月の情報をもとに掲載しています。