活動レポート

「食」から広がるアイデアで地域課題を解決!
味の素社の営業部門におけるASV

味の素グループでは、事業を通じて社会価値と経済価値をともにつくる取り組みを「ASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)」と名付け、従業員一人ひとりがASVを「自分ごと化」しさまざまな挑戦をしています。



今回は、味の素社の営業部門である東北支社・九州支社・大阪支社が挑戦した3つのASVの取り組みをご紹介。それぞれの担当者に、取り組みの背景にあった地域の課題や特にこだわったポイント、今後の目標などをインタビューしました。

東北のお米を応援!オリジナルレシピブックで地産地消をサポート

―――まずは東北支社でのASVの取り組みについて、簡単に紹介をお願いします。

山田

私たちが今回挑戦したのは「東北米祭り」というプロジェクトです。東北地方のブランド米の魅力を発信するため、東北6県の県庁と協力して、レシピブックを作成しました。また、地元のスーパーとも連携し、当社の商品を生かした「お米のおいしい」食べ方を提案しました。

―――取り組みをスタートさせたきっかけは何だったんですか?

藤本

日本では今、全国で米の消費量が落ち込んでいます。全国の米の生産量の4分の1を占めるなど、米づくりがさかんな東北地方にとって、これは大きな課題でした。また、私たちが普段地元で生活している中でも、農家の高齢化や農業を取り巻く政策や環境の変化、急激な気候変動による不作などもあり、「東北の米」を応援したいという思いがありました。

小林

東北支社ではこれまで、各県庁と協力して減塩や野菜の摂取促進に向けて協力を進めていました。東北の地域のお米にフォーカスすれば、東北6県をまたいだ横展開もできるのではと考えました。

―――なるほど。東北の米づくりを応援したいという思いから、今回のプロジェクトが始まったのですね。では、具体的に取り組んだことを教えてください!

山田

「東北米祭り」では大きく分けて2つの施策を行いました。1つは東北6県それぞれの地域のお米の特徴や魅力を発信するためのレシピブックの作成。もうひとつは当社の商品を生かした地元スーパーの店頭での活動です。スーパーのチラシへの掲載や売り場での展開、そして料理教室イベントも実施しました。

「東北米祭り」で制作したレシピブック。各県のブランド米の特徴や、当社の商品と組み合わせたレシピなどが掲載されている

―――取り組みの中で特に注目してほしい点はどこですか?

小林

特に力を入れた部分は、レシピブックの東北のブランド米の味や特徴をまとめた「食味マップ」です!それぞれのお米の魅力がよりわかりやすく伝わるよう、東北支社のメンバーで実際にお米の勉強会をしたり、各県の担当者の方と何度も打ち合わせを重ねたりして、なんとか完成させることができました。制作を通じて、東北のお米の良さをあらためて知ることができたと思います。

「食味マップ」では、「甘い・あっさり」「しっかり・もちもち」の2軸で特徴を表現

―――取り組みの手応えと今後の目標を教えてください!

藤本

まずはレシピブックの配布を通して、東北6県のお米の魅力をぎゅっと凝縮して発信できた点は良かったと思います。味の素社商品の売り上げなど数字面でも結果が出ており、地域のブランド米のことをより消費者の方に知っていただきつつ、当社の商品と組み合わせて楽しんでいただける提案をすることができました。

山田

こうした地産地消の取り組みは、農家の収入確保や流通の売り上げ拡大、安定的な食糧生産にもつながる重要なテーマだと思います。今後も当社商品の販売促進と地産地消の推進を両立できるようなアイデアを考えていきたいです!

スポーツを食から盛り上げる!

SAGA2024 アスリートメニューの監修

―――九州支社でのASVの取り組みについて、まずは簡単に紹介をお願いします!

北村

佐賀県で行われた「SAGA2024」を食の分野から盛り上げるべく、当日アスリートや指導者の方に提供されるお弁当のメニュー監修などを行いました!

―――「SAGA2024」というと、全国からアスリートが集まる大きな大会ですよね。取り組みがスタートしたきっかけは何だったんですか?

北村

元々佐賀県と味の素社は、県民の「健康増進」をテーマに長い間協力を続けていました。そうした中、「SAGA2024」は国体(国民体育大会)から、国スポ(国民スポーツ大会)へ名称が変わって初めての大会ということもあり、広く「スポーツ」として大会を盛り上げたいというお話を伺ったんです。味の素社は以前から「ビクトリープロジェクト®」や「勝ち飯®」を通じ、食からアスリートを支援する取り組みを続けていたので、そのノウハウを活かして、一緒に大会を盛り上げることができるのではと考えました。

―――大会に向けてどのような準備をされたんですか?

北村

大会当日開会式などで提供された弁当の開発では、「勝ち飯®」のノウハウを活かし、アスリートにとって必要なエネルギー・栄養バランスを備えたメニューの監修を行いました。監修したメニューは県庁の食堂や県内の高校でも提供し、「SAGA2024」を県民全体で盛り上げられるよう、食を通じた一体感の醸成を目指しました。

(写真左)「SAGA2024」開会式の様子 (写真右)監修したアスリート向け弁当

浅野

また、レシピブックの作成協力や、地元スーパーでの「勝ち飯®」弁当の販売など、「SAGA2024」を中心に、一般の消費者の方向けにもさまざまな展開を行いました。

―――アスリート向けのメニュー開発では、エネルギーや栄養素などのバランス調整が難しそうですが、今回の取り組みで特に苦労された点について教えてください。

北村

提供するお弁当のメニューの開発には苦労しましたね。県庁のご担当者だけでなく、栄養士をはじめ、各分野の専門の方も同席する検討会議にも参加しました。それぞれの視点から意見をいただきつつ、地元佐賀県の食材のよさを取り入れながら、アスリートがしっかりごはんが進む味付けを工夫するなど、一つの形にしていくのはかなりの時間が必要でした。主菜や副菜の組み合わせを含めると100パターン以上の提案から絞り込んでいきました。

五明

地元スーパーで販売したお弁当は、当社の栄養プログラム「勝ち飯®」の考え方に添いながら、一般の生活者の方にも楽しんでもらえるお弁当に仕上げるために、社内のアドバイスも受けながら調整を進めていきましたね。売り場のポップには当社と契約しているアスリートを掲載する工夫もしました。最終的に「ダブルしょうがのスタミナ豚丼」として形になった際は達成感もひとしおでした。

地元スーパーで一般向けに販売された「ダブルしょうがのスタミナ豚丼」。

―――今回の取り組みの手応えと今後の目標を教えてください!

北村

監修したお弁当は「SAGA2024」に参加したアスリートや指導者などに約27,000食を提供し、多くの方に楽しんでいただくことができました。参加者の多くが同じメニューを食べることで、大会の盛り上がりにも貢献できたと思います。また、佐賀県内の高校にもレシピを提供することで、将来のアスリートに向けた食育にも関わられたことは重要なポイントだったと考えています。

浅野

地元スーパーでのお弁当販売も、計画以上の売り上げを達成することができ、今回の取り組みの反響を感じています。佐賀県では、アスリートを育成するSAGAスポーツピラミッド構想(SSP構想)というプロジェクトが進んでおり、今後も佐賀県庁と協力しながら、食からスポーツを盛り上げる取り組みを続けていければと思います。

和歌山県の魅力を再発見!「キャンプ飯」+ブラインドサッカー®

イベント開催

―――まずは今回の取り組みについて、簡単に紹介をお願いします!

塩澤

和歌山県の地元スーパーで、「キャンプ飯」をテーマにしたキャンペーンや、味の素グループの商品を組み合わせた売り場の訴求、レシピの作成に挑戦しました。また、同じく和歌山県のキャンプ場で、「キャンプ飯」やブラインドサッカー®が楽しめるリアルイベントを開催しました。

―――「キャンプ飯」やブラインドサッカー®など、さまざまなキーワードがありますが、取り組みをスタートさせたきっかけはなんですか?

塩澤

和歌山県では少子高齢化が地域課題となっています。県外に和歌山県の魅力を発信し、その良さをぜひ知ってほしいと思っていました。そのために味の素社でできる切り口やテーマはないかと探す中で、当社の調味料を生かした「キャンプ飯」をテーマにしようと考えたんです。また、DE&Iの視点から、大阪支社の社内イベントで体験したブラインドサッカー®にも興味を持っていて、これらを組み合わせたキャンペーン・イベントを計画しました。

―――具体的には、どのように今回の取り組みを展開していったのでしょうか。

松本

味の素グループ各社、そして地元アウトドアショップ「Orange」とコラボし、和歌山県内のスーパーにて商品の売り場展開やオリジナル「キャンプ飯」のレシピ紹介、キャンプグッズやグランピングのチケットなどが当たるキャンペーンを実施しました。また、キャンプ場でのイベントを開催し、参加者に「キャンプ飯」レシピの調理やキャンプ講座、ブラインドサッカー®教室などを体験いただきました。

「アウトドアスパイスほりにし」を使用したオリジナルキャンプ飯「しらすのペペロンチーノ」

同じく「みかんどりの鶏がらアヒージョ」

―――取り組みの中で特に注力したのはどのような点ですか?

塩澤

このプロジェクトはステークホルダーが多く、行政、流通、アウトドアショップ、日本ブラインドサッカー®協会など、さまざまな人を巻き込みながら進めていきました。私自身、こうした大きなプロジェクトに関わるのは初めての経験だったので、手探りで進めていった感覚です。「食」を中心にさまざまなテーマを巻き込んで大きなチャレンジができるのは、味の素グループならではだと思います。

松本

コラボしたアウトドアショップ「Orange」が開発した「アウトドアスパイスほりにし」と味の素グループ各社の商品を使い、それぞれの商品のよさが出ていて、つくってみたくなるレシピになるようこだわりました。また、和歌山県産食材をふんだんに使い、子どもから大人まで誰でも楽しく簡単につくれるよう、調理工程も工夫しています。

イベントには多くの家族連れが参加。趣味が料理という元ブラインドサッカー®日本代表鳥居選手には、自慢の腕前も披露していただきました!

―――取り組みの手応えと今後の目標を教えてください!

松本

キャンプ場でのイベントでは、和歌山県内の方だけでなく、県外からも多くの方にご参加いただき、コンテンツを楽しんでいただくことができました。また、いつもと違う場所で一緒に料理をすることの楽しさ、和歌山県産食材やキャンプの魅力を体感していただくことができました。今後もさまざまなテーマでASVを継続的に実践し、より多くの方に情報発信をしていきたいと考えています。

塩澤

少子高齢化をはじめとする地域課題に対して、当社の商品の販売促進とDE&Iを組み合わせて取り組めたのは、非常に手ごたえを感じました。こうした企画を今後も継続的に進めていくことが、ASV を実践していくうえで重要なことだと捉えています。

ASVの取り組みは、全国各地で進行中!

今回は全国の営業支社でのASVの取り組みについて、3つの事例を取り上げました。しかし、今回ご紹介したのは全国で進んでいる取り組みのごく一部... 現在も全国各地の味の素グループの社員が、ASVを「自分ごと化」し、経済価値と社会価値を両立させていくべく、日々さまざまなアイデアを生み出しています。今後もストーリーでは、ASVの取り組みについて、皆さまにご紹介していきます!

2025年4月の情報をもとに掲載しています。

味の素グループは、アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献します

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