日本代表選手団からも高い評価を集め、多くのアスリートの活躍をサポートする新素材とは、いったいどんなものなのでしょうか。
非必須アミノ酸ってなに?
最初に、私たちのからだの約2割がたんぱく質でできていることはご存知ですか。
このたんぱく質を構成している成分がアミノ酸です。私たちのからだをつくるたんぱく質は、20種類のアミノ酸でできています。そのうち体内で合成できるアミノ酸は11種類と限られています。これらのアミノ酸が「非必須アミノ酸」と呼ばれているのに対し、体内で合成することができない9種類のアミノ酸は「必須アミノ酸」と呼ばれています。
「非必須アミノ酸」という呼び方は誤解を与えやすいのですが、決して〝なくても困らない〟というものではありません。むしろ、その逆。生命活動を維持するうえで欠かせないものだからこそ、体内で合成できるようになっているのです。
関節や腱のための「6種アミノ酸ミックス」とは?
味の素社では、これまでも、アスリートがかかえる筋肉疲労、コンディション低下、エネルギー不足、体づくり(増量・減量)の失敗といった、さまざまな課題にアプローチするためのアミノ酸ミックスを開発してきました。
このたび、日本代表選手団に向け、トレーニングに伴う関節・腱のダメージに着目し、非必須アミノ酸のはたらきを活用した「関節・腱コンディショニング向け6種アミノ酸ミックス」の開発に成功しました。
アスリートは日々激しい運動をしているため、骨と骨をつなぎクッション材として働く「関節」と、筋肉と骨をつなぐ「腱」に、大きな負荷がかかっています。今回開発された「関節・腱コンディショニング向け6種アミノ酸ミックス」は、①関節の状態を良好に保つ(関節の違和感・こわばり・痛みを改善する)、②腱の状態を良好に保つ(腱の構造の均一性や硬さを保つ)という二つの面から、アスリートのコンディションやパフォーマンス維持に貢献をし、激しい運動で関節や腱を酷使するアスリートのからだのケアに、効果的に働きかけることができるようになりました。
今後、アスリートの競技力向上はもちろん、高齢者を中心とする幅広い世代が抱える関節や腱のトラブル改善にも貢献が期待されています
味の素社で100年以上続くアミノ酸研究のこれから
味の素社には、100年以上のアミノ酸研究の歴史があります。これまでは、食事などで摂取をしなければ必要量を満たすことができない必須(不可欠)アミノ酸を活用したアプローチを行ってきましたが、近年、体内で合成することができる非必須(可決)アミノ酸の機能が明らかになり、アミノ酸の活用の幅がぐんと広がりました。
食べ物をおいしくする呈味機能、消耗を回復する栄養機能、体調を整える生理機能など、アミノ酸のはたらきはじつに多彩。調味料としての利用だけでなく、医薬品やアミノ酸を活用した甘味料、化粧品の原料など、その開発分野は多岐に渡ります。
アスリートのみならず、一般生活者の課題解決にも期待が寄せられている味の素社のアミノ酸ミックス。アミノ酸がもたらすさまざまなはたらきが、今後ますます私たちの暮らしをよりすこやかに、豊かにしてくれそうです。
味の素社ではこれからも、アミノ酸のはたらきによる可能性を追求し、「食と健康の課題解決企業」として、アスリートの競技力の向上と一般生活者の健康の課題解決に貢献していきます。
2021年12月の情報をもとに掲載しています。