旬のはなし

独特のぬめりの正体は食物繊維! 知られざるオクラの栄養パワー

旬の食材の魅力、おいしい食べ方をご紹介する連載「旬のはなし」。今回は、独特のねばり気がクセになるオクラです。

日本では下処理して生食したり、塩ゆで後刻んでネバネバサラダにしたり、そのほか、炒め物、煮浸し、肉巻きにしたりなど、さまざまなメニューに取り入れられていますね。

これから旬を迎えるオクラの底知れぬ魅力をたっぷりとご紹介します。

1970年代に普及! 栄養満点のオクラ

オクラの旬は、6月~9月ごろです。旬のオクラは露地物のため価格が安定していますが、それ以外の時期は、ハウス栽培のため価格が少々高めです。

オクラは、寒さに弱いため、鹿児島や高知、沖縄など暖かい地域のものが多いです。また、フィリピンやベトナム、タイなどアジア圏の輸入品も多く見られます。

オクラの原産地はアフリカの北東部で、エジプトでは紀元前2世紀から栽培されていたというほど、歴史のある野菜です。オクラが日本に入ってきたのは幕末と言われていて、当時は、青臭さとぬめぬめした食感が日本人に好まれなかったといいます。1970年ごろから、一般家庭に普及しはじめました。

ガラクタン、アラバン、ペクチン! ネバネバの正体は食物繊維

オクラは独特のぬめりがあるため、好き嫌いがはっきりと分かれる食材かもしれません。このぬめりの正体は、ガラクタンやアラバン、ペクチンなどの食物繊維。これらには整腸作用やコレステロールの吸収を抑えるという働きがあります。またペクチンは、血糖値の急上昇を抑えます。

オクラに含まれるβカロテンには、日焼けによる炎症を抑える働きがあります。また、カリウムにはナトリウムを体外に排出する働きがあります。この季節、汗で失われがちなカリウムを補えるのもうれしいですね。

店頭でオクラを選ぶときには、以下の3つのポイントをチェックしましょう。

1 濃い緑色で、切り口が新しいもの。
2 全体がきれいに産毛に覆われているもの。
3 さやの角がはっきりしていて、やわらかいもの。

角が茶色いものは育ちすぎか、鮮度がよくないので避けます。また、大きすぎるものは、苦くておいしくないので、6~10B程度のものを選びましょう。

またオクラは、調理法によってぬめりを調整できます。

・ぬめりを生かす調理
オクラを刻み、水を少し加えて混ぜると粘りが出ます。刻んだオクラを汁物に入れると粘りが出るので、かき玉汁のたまごなどは、水溶き片栗粉を加えなくてもとろみがつき、ふわっと仕上がります。

・ぬめりを出さない調理
オクラはそのまま切らずに使うとぬめりが出にくいので、肉で巻いて焼いたり、フライにするのがオススメです。

元気をくれる「オクラ」の栄養素

■ぬめりの正体=食物繊維がお腹の調子を整え、コレステロールの吸収を抑制。
■日焼けによる炎症を抑えるβカロテンが豊富。
■ナトリウムを体外に排出するカリウムも。
そのほか、カルシウム、鉄など、さまざまな栄養素を含んでいます。

夏バテかな?と思ったら、T元気をくれるUオクラをおいしく食べましょう!

【旬のレシピ】バリエーション豊富! マスターしたいオクラレシピ

オクラに豊富に含まれるβカロテンは、油と一緒に食べることで吸収率が上がります。和え物やサラダならオイルの入ったドレッシングやチーズやごまなど脂質を含むものと合わせるとよいでしょう。

オクラは、下準備が大切です。へたの部分が固いので少し切り落とし、がくは包丁でむきます。まな板に置き、塩を振って手のひらで転がして、表面の産毛を取り、さっと洗います。こうすると舌触りや茹であがりの色もよくなります。種が気になる人は半分に切って、種を取り除いてから調理するとよいでしょう。

オクラは、乾燥と低温に弱い野菜です。10℃以下になると、黒ずむなど劣化してしまうため、保存する場合はポリ袋に入れて野菜室に入れましょう。

「おくらとアスパラのピリ辛照り煮」

甘辛い味が最高! ごはんが進むメインディッシュ。

「オクラとトマトのふわたまみそ汁」

オクラの粘りを生かしたスープ。彩りもきれい!

「サーモンとオクラの丸鶏ナムル」

ごま油と鶏ガラスープで和えるだけ! 手軽な副菜です。

きれいな緑色で、さまざまなメニューに彩りを添えてくれるオクラ。
塩ゆでして刻んで副菜にしたり、肉で巻いてメインディッシュになったりと、
この季節、なくてはならない食材ですよね。

この夏は、これまで試したことのない新たなレシピに挑戦し、オクラの新たな魅力を再発見したいものです。

自然の恵みに感謝して、今日もおいしく、旬をいただきましょう

監修:牧野直子(まきの・なおこ)

管理栄養士、料理研究家、ダイエットコーディネーター。「スタジオ食(くう)」代表。おいしくて体にやさしいレシピや健康的なダイエット法などを提案し、テレビ、雑誌、料理教室、健康セミナーなどで幅広く活躍中。共著に『2品おかずで塩分一日6g生活』(女子栄養大学出版部)ほか。

2021年6月の情報をもとに掲載しています。

旬のはなし

栄養たっぷり!更年期に悩む方にも「かつお」をおすすめしたいいくつかの理由

旬の食材の魅力、おいしい食べ方をご紹介する連載「旬のはなし」。
夏に向けて体力をつけておきたい季節に、良質なたんぱく質やビタミンB群がたっぷり含まれたかつおが旬を迎えます。

かつおのレシピはたたきだけではありません。角煮や竜田揚げ、手こね寿司など、さまざまなレシピで味わいたい海の幸です。
古くから日本人に愛されてきたかつおについて、バリエーション豊かなレシピとともにたっぷりとご紹介します。

うま味成分がたっぷり! あっさり食べやすい初がつお

かつおの旬は、春から初夏です。春になると、南の暖海にいるかつおが北上を始め、初夏に関東近海に現れます。これを「初がつお」と呼びます。身が淡泊であっさりしているのが特徴です。
9月下旬から10月頃、南下するかつおを「戻りがつお」と呼びます。十分えさを食べ、脂がのっておいしいと言われています。

回遊魚のかつおには血合い部分が比較的多く、良質なたんぱく質とともにイノシン酸などのうま味成分が多く含まれています。

また、疲労回復や神経に作用するビタミンB1、骨に良いとされるビタミンD(カルシウムの腸からの吸収を助ける)、悪玉コレステロールを作りにくくするEPA、貧血を防ぐ鉄などを含んでいます。

体力をつけておきたいこれからの季節、たんぱく質やビタミンB群を豊富に含んでいるかつおをたっぷりいただきましょう。

知って得する! かつおのはなし

かつおは、縄文時代の貝塚から骨が発見されており、『日本書紀』にはかつお漁に関する記述があって、日本人には古くからなじみのある魚です。しかし、腐りやすいため、流通が発達していなかった頃の内陸部では、おもにかつお節として利用していました。

かつおに含まれる水溶性ビタミン(ビタミンB群)は水に溶け出るため、栄養素を無駄なく食べる場合は、生食がおすすめです。
香りが独特で強いので、気になる場合はしょうがやにんにく、ねぎなどの香味野菜を添えるとおいしくいただけます。
また、ビタミンDは、脂溶性ビタミンなので、油を使うと吸収がよくなります。焼いたり煮たりする場合は、栄養素が煮汁に溶け出るので、煮汁ごと食べると無駄がありません。

店頭では、鮮やかな赤紅色のものを選びましょう。血合いが酸化して黒ずんでいるものや、身が褐色に変化しているものは鮮度が落ちているので生食は避けます。

元気をくれる「かつお」の栄養素

■筋肉をつくる良質なたんぱく質が豊富。
■疲労回復に役立つビタミンB1が含まれます。
■骨粗しょう症を予防するビタミンDも。
そのほか、EPA、鉄など、さまざまな栄養素を含んでいます。

更年期症状でお悩みの方にもおすすめ! かつおをおいしく食べましょう!

【旬のレシピ】バリエーション豊富! マスターしたいかつおレシピ

かつおは傷みやすいので、購入した日に食べきりましょう。新鮮なものはしょうがなどを添えて刺身でいただいたり、洋風にカルパッチョにするのもおすすめです。

しょうゆや酒、みりん、おろししょうがを合わせたものに漬けて「づけ」にするのもよいですが、やはり翌日には食べきりましょう。保存をする場合は、甘辛く煮たり、油でオイル煮(自家製ツナ)にしたりして、加工しておくとよいでしょう。

そのほか、竜田揚げ(しょうゆ、酒、しょうが汁、おろしにんにくを合わせたもので下味をつけ、片栗粉をまぶして揚げる)、洋風だとレアステーキ、レアカツ、にんにくをたっぷり使ったソテーなどが一般的です。内臓は塩辛として酒の肴によく合い、酒盗と呼ばれて珍重されています。

「かつおのコチュジャンあえ」

コチュジャンとごま油の最強コンビ! 調理時間5分のカンタンレシピ。

「かつおの竜田揚げ」

鶏ガラスープを下味に。お子様にも人気の主菜です。

「かつおのひゅうが飯」

かつおを存分に味わうメニューです。

独特の風味がくせになる、薬味を添えていただきたいかつお。

かつおのたたきやお刺身、づけ丼などで生食を存分に味わったあとは、竜田揚げや角煮など、これまで作ったことのないレシピにも挑戦してみたいですね。

自然の恵みに感謝して、
今日もおいしく、旬をいただきましょう。

「かつお節のはなし」

かつお節は昔から日本食には欠かせないものでした。春から初夏にかけての脂が少なめのかつおが使われ、春節と呼ばれているそうです。

作業工程は複雑で地方によっても若干異なりますが、頭と内臓を取り除き、水洗いをして、背皮はぎ、3枚おろし、身わり、煮熟、冷却、骨抜き、焙乾、整形、焙乾、削り、カビ付け、日乾、カビ付けの工程を経てかつおぶしになります。また、かつおぶしの製造工程で骨抜きをした後、軽く焙乾しただけのものをなまり節といいます。なまり節は日持ちしにくいので、その鮮度には注意が必要です。

監修:牧野直子(まきの・なおこ)

管理栄養士、料理研究家、ダイエットコーディネーター。「スタジオ食(くう)」代表。おいしくて体にやさしいレシピや健康的なダイエット法などを提案し、テレビ、雑誌、料理教室、健康セミナーなどで幅広く活躍中。共著に『2品おかずで塩分一日6g生活』(女子栄養大学出版部)ほか。

2021年6月の情報をもとに掲載しています。

旬のはなし

夏バテも食欲不振もさよなら!今年は「うなぎ」でパワーチャージ

「旬のものを食べると、体にいい」
子どものころ、大人たちに言われてきました。

旬の時期に、市場に多く出回る野菜や魚介類。じつは、大量に収穫できるため値段が安く手に入りやすい、という理由だけではないようです。
ではなぜ、旬の時期に食べるといいのでしょうか?

露地ものの野菜は、旬の時期に栄養価が高くなります。
冬が旬のほうれん草の場合、ビタミンC量(100g中)、冬は60mgと、夏の約3倍に。
夏野菜のきゅうりやトマトは、水分も多く、汗で流れ出やすいカリウムも豊富なので、夏の体にぴったりです。

旬の食材を食べること。
それは、先人たちから受け継がれてきた、とても理にかなった、私たちの食の営みです。

本連載では、食材をとことん味わいつくす、健康的なレシピが人気の管理栄養士・牧野直子さんに、
旬食材の魅力と、うれしい健康効果について教えていただきます。
8月は、夏こそ食べたい「うなぎ」と「トマト」。

『万葉集』にも登場し、古くから日本で食べられているうなぎも、夏の私たちの体に、たくさんの栄養をもたらしてくれます。

夏バテ予防には、たんぱく質、ビタミン、クエン酸!

夏バテとは、気温の変化に体がついていけず、自律神経が不安定になり睡眠不足や倦怠感、食欲不振などの症状を起こすことです。
食欲不振になると、体を維持するために必要なエネルギーや栄養素が不足するため、 倦怠感や疲れがとれない状態が続く悪循環になります。

もっともエネルギーになるのは、ごはんやパンなどに多く含まれる糖質です。これをエネルギーに換えるのに必要なのが、豚肉、うなぎや紅サケ、たらこ、青魚、そして卵や納豆などのたんぱく質源に豊富に含まれるビタミンB群です。

食欲がないからそうめんだけ、お茶漬けだけというような主食のみの食事で、たんぱく質源が不足すると、ビタミンB群が足りずエネルギーを生み出すことができません。

また、クエン酸や酢の酢酸は、糖質をエネルギーに換える代謝サイクルの中で、スムーズにエネルギーを生み出す助けをします。

夏の最強食材「うなぎ」と「トマト」

夏に食べたくなるうなぎは、脂質を多く含み、カロリーも高いため、少量でも効率よくエネルギーを補うことができます。夏バテで食欲がないときや、もともと食が細い人の栄養補給にむいています。

そしてうなぎには、炭水化物をエネルギーに変えるときに必要なビタミンB1、脂質をエネルギーに変えるのに必要なビタミンB2が豊富で、それぞれが互いの働きを助け合うことができるため、夏バテや疲労回復にかかせない食材です。

その他、日焼けによる肌のダメージを和らげるビタミンA、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも多く含まれます。

クエン酸を含むトマトも、エネルギーを速やかに作るのに欠かせません。
トマトは赤い色が濃いほどリコピンが豊富です。リコピンは抗酸化作用が強く、紫外線から肌を守る、HDLコレステロールを増やす、高めの血圧を下げる、などの働きも期待できます。

旬の栄養素 「うなぎ」

■糖質や脂質をエネルギーに変えるビタミンB1、B2
■日焼けによる肌のダメージを和らげるビタミンA
■カルシウムの吸収を助けるビタミンD
■血液中の脂質の酸化を防いで動脈硬化を予防するビタミンE
■血液中のLDLコレステロールや中性脂肪を減らす不飽和脂肪酸

夏に食べたくなるうなぎは、すべての年代の体の悩みをサポートするまさに栄養の宝庫!

【旬レシピ】蒲焼きだけじゃもったいない!うなぎアレンジメニュー

うなぎというと、「蒲焼きに白いごはん」が王道ですが、もっと気軽に、日々の食卓で楽しめるメニューもたくさんあるんです。

たとえば、一口大に切ったうなぎとくし形に切ったトマトを炒め合わせ、ざく切りのシソを散らすだけで完成の「うなぎとトマトの炒め物」は、ごはんが進む一品となります。

トマトの酸味と旨味が調味料代わりになりますし、トマトのリコピンは脂溶性のためうなぎの脂肪分と一緒にとることで吸収がよくなるという、とても相性の良い掛け合わせです。

そのほか、おすすめのうなぎメニューはこちら

「うなぎときゅうりの酢のもの」

「うなぎとピーマンのピリ辛チャンプルー」

日本の美しい四季を感じさせてくれる、旬の食材。
店頭に並ぶ、色とりどりの旬の食材を見つけるたびに、
またこの季節がやってきたと、うれしくなりますね。

日々、栄養バランスや品数に気を取られがちですが、
ただシンプルに「旬の食材を食べる」ことを意識するだけで、

自然と体の調子が整ってくるのかもしれません。 自然の恵みに感謝して、
今日もおいしく、旬をいただきましょう。

旬の食材を知る
ーうなぎ編ー

1.選び方
かばやきや白焼きに加工してあるものは、焼きすぎていないもの、できるだけ作りたてが◎。横から見て皮と身が平らになっていて(丸まりすぎていない)、幅広いものが皮の軟らかいうなぎです。堅い場合は、酒蒸しして刻み、ひつまぶしにすると食べやすくなります。
真空パックの場合、型崩れしていないものを選びましょう。
生きているものを買う場合は、青みを帯びた黒色の背に、真っ白な腹をしているものを選びます。

2.保存方法
一切れずつラップで包み、さらにビニール袋などに入れ、できるだけ空気に触れないように密閉して冷蔵庫で保存して下さい(2~3日)。
冷凍保存の場合は、1か月を目安に早めに食べきってください。

3.トリビア
天然のうなぎは5~12月に獲れ、脂がのるのは冬なので、本来の旬は秋から冬でした。
しかし、現在、日本で流通しているうなぎは養殖がほとんど(約99%)で、夏の土用の丑の日に合わせて出荷されるため、夏に旬を迎えます。

監修:牧野直子(まきの・なおこ)

管理栄養士、料理研究家、ダイエットコーディネーター。「スタジオ食(くう)」代表。おいしくて体にやさしいレシピや健康的なダイエット法などを提案し、テレビ、雑誌、料理教室、健康セミナーなどで幅広く活躍中。共著に『2品おかずで塩分一日6g生活』(女子栄養大学出版部)ほか。

2020年9月の情報をもとに掲載しています。

料理ビギナー

「ゆでる」は地味だが役に立つ~ 
メリットだけじゃない!そばが鍋底にくっつかない方法も教えます

料理ができたらいいな……と思ってはいるものの、レシピを見てもどこから手をつけていいのかわからない。スーパーマーケットに行ってもどんな食材や調味料を買えばいいのかわからず、ただただ立ち尽くす……。

そんな“非料理男子”のフリーライターMさんが、予備知識以前のギモンや謎を解明し、料理男子を目指します。

今回のテーマは「ゆでる」。沸騰した湯に入れるだけ、という、わざわざ注目するまでもない調理法のように思われますが、そこには思わぬ底力が秘められていました。

そばが鍋底にくっつかないゆで方のポイント3つ

こんにちは。「非料理男子ライター」のMです。

挨拶もそこそこにいきなり本題に入りますが、今回は「ゆでる」について学びます。

「え? なんで『ゆでる』なの?」

そう戸惑う読者がいても無理はありません。料理の世界には様々な調理方法が存在します。「煮る」「焼く」「揚げる」......などなど。

そんななか「ゆでる」はどちらかというと地味なイメージ。ポピュラーな調理方法を差し置いてなぜ「ゆでる」なのか。経緯はこうです。

ことの発端は昨年の大晦日。この日は年越しそばが欠かせません。ハロウィンやクリスマスなどと違って、私のような単身世帯でも関わることのできるありがたいイベントです。
さっそくスーパーで生そばとめんつゆを調達することにしました。

ぐらぐらとお湯が煮立った小鍋に生そばを投入。数分後にはおいしい年越しそばとご対面のはずが――。

そばを湯切りしようとザルにキャッチしたところ、なんと! そばが鍋底にがっしりとくっついているではありませんか。おまけにそば同士がくっつきダマ状になり喉越し最悪! なんともUnhappy New Yearな幕開けとなりました。

さっそく調べたところ、そばのゆで方にもコツがありました。

・できるだけ大きな鍋を使う
・たっぷりのお湯に入れる
・箸でほぐしながらゆでる
の3点。

「ゆでる」のメリットとは

新年早々、「ゆでる」について興味がわいてきました。じつは底知れぬ可能性を秘めているのかも......。ということでさらに掘り下げることに。

「ゆでる」とは

熱水(常圧で最高100℃)中で食品を加熱する操作。熱の移動から見て湿式加熱の煮る操作の一つ(『調理用語辞典』より 抜粋)

だそうです。

「湿式加熱」は水分を使った調理方法のこと。「蒸す」や「煮る」も同じカテゴリーです。

油を使う調理方法よりもヘルシーに仕上がるのが特徴です。野菜はゆでると柔らかくなってカサが減るので、生よりもたくさん食べることができるのだとか。

健康が気になりだした私にはなんとも耳よりな情報。たしかにキャベツ半玉を生で食べるのは苦行でしかありませんが、ゆでてしんなりしたものなら結構イケそう。

読者の皆さんも徐々に「ゆでる」の"バイプレイヤーぶり"に気づいてきたころでしょうか。しかし、まだこんなものではありません! 「ゆでる」にはさまざまなバリエーションがあるのです。

たとえば、食材のアク抜きや味を染みこませやすくする下準備としての「下ゆで」、短時間だけ加熱する「湯通し」、魚や鶏肉の表面にだけ熱を通す「湯引き」など、これらの工程なくして完成しない料理は数知れず。じつは侮れないんです!

たっぷり、ひたひた、かぶるくらい......水の量も要注意!

ゆで料理のレシピを見ていると、水の量が表示されていないケースもちらほら。その代わりに「鍋にお湯をひたひたに注いで~」とか「お湯の量はかぶるくらい~」といった表現を目にします。

たっぷり、ひたひた、かぶるくらい......。う~む、違いがまったくわかりません!

水の量が多い順に、

たっぷり:鍋の容量の8割程度まで水を入れて、材料がすっかり沈んだ状態。乾麺やタケノコ、山菜などをゆでる際に使われる。

かぶるくらい:材料の頭が水面の下に沈むくらいの量。じゃがいもや大根などをゆでるときの適量とされる。

ひたひた:材料の頭が水面から見え隠れするくらいの量。どちらかというと煮物のレシピで見かける表現。

といった目安があるそうです。なるほど、これも覚えておきたい表現です。

さて、次に気になるのがゆであがりのタイミング。

お湯から引き上げる見極めポイントはあるのでしょうか? いくつかのレシピを調べたところ料理や食材によって判断基準は多種多様です。

「沸騰してから3分で火をとめる」というゆで時間の具体的な指示から「しんなりするまで」「竹串がすっと通るくらい」など作り手の感覚に頼った指示まで、あらゆる料理に当てはまる最適解はありません。

ビギナーのうちは勘に頼らず、レシピ通りに調理するのがよさそうです。

アク抜きの「アク」ってなに?

今回の記事でもたびたび登場する「アク」。いかにも悪そうな名前ですが、これは食品に含まれている苦味やえぐみ、臭みといった"不要な味"の総称です。

アクの成分になる物質は水溶性が多いため、食品を水にさらしたり、ゆでたりすると「アク抜き」ができます。ゆでているとアクが薄茶色い泡になって浮かんでくるのでおたまやスプーンですくい取りましょう。

しかし、アクは素材独自の風味ともいえます。アクをすべて取り除くのがよいと一概にいえないのがおもしろいところです。

ちなみに、「タケノコはアクが強い」。料理ビギナーでも一度は聞いたことがあるはずです。
だからタケノコも調理前にゆでてアク抜きするのが定番なのだそう。おいしく調理するために「ゆでる」は欠かせない工程なんですね!

「タケノコはアクが強い。だからゆでる!」
ひとつ賢くなりました。

いつかなりたい「ゆでに覚えあり」の上級者

それではもう少し実践を意識して、「AJINOMOTO PARK」の「レシピ大百科」を見てみましょう。作り置きに便利な「しっとりゆで鶏」にはじまり「シンガポール風チキンライス」「ゆで豚のごまだれかけ」というメニューもあって、豊富なバリエーションに驚かされます。

スパゲティのレシピもよく見かけます。冒頭で触れたそばをゆでるコツはスパゲティにも使えるので、ぜひ参考にしてみてください。

スパゲティといえば、なんとなく聞いたことがある「アルデンテ」。
こちらはパッケージに表記されているゆで時間より1分早めにお湯から引き上げたらよい、とのこと。髪の毛一本分の芯を残した理想のゆで方です。

また、ゆで野菜も定番ですが、ほうれん草や小松菜は、余熱による火の通りすぎを防ぐため、ゆでたらすぐに水にさらすこと。
一方で、ブロッコリーやキャベツ、そら豆などは水にさらさなくてもOK。ゆであがったらザルにとりましょう。

「ゆでる」には料理の幅を広げる底力があるようです。それに、ある種あいまいな部分が多いため、忠実にレシピと向き合う大切さも教えてくれます。

う~む、シンプルに見えてなかなか奥が深い。「ゆでる」をさらに突きつめていけば、「ゆでに覚えあり」もとい「腕に覚えあり」の料理男子にグっと近づけそうです!

2021年2月の情報をもとに掲載しています。