グリーンアスパラガスは、ソテー、ポタージュなど洋風のものから、煮びたしのような和風のもの、魚介や肉と炒め物にする中華風など、多種多様な料理に使える便利な野菜ですね。
どんな料理にも合う、色鮮やかなグリーンアスパラガスの魅力を、バリエーション豊かなレシピとともにたっぷりとご紹介します。
旬は春~初夏。甘みと香りが魅力のアスパラガス
グリーンアスパラガスの旬は春~初夏です。旬を迎えたアスパラガスは、水分を多く含んで甘みがあり、食感や香りもとても良いので季節を味わう食材としてもおすすめです。
国内では北海道や長野、福島、岩手産のもの、輸入物ではアメリカやオーストラリア、メキシコ産のものが市場に出回ります。
グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスが同じ品種だということ、ご存知ですか?
違いは栽培法。若茎が伸びるときに高く土盛りをして、茎が地上に出る前に収穫するとホワイトになり、土盛りをせず、日に当てて成長させて収穫するとグリーンになるのです。
もともとアスパラガスは、江戸時代に観賞用として日本に伝わりました。
明治以降、アメリカから食用を目的に移入し、栽培するようになりました。一般家庭に広く定着したのは、昭和30年代です。北海道を中心に冷涼地で栽培されていましたが、近年は暖地でも広く栽培されています。
アスパラギン酸だけじゃない! グリーンアスパラガスの栄養
グリーンアスパラガスに含まれるβカロテン(体内で必要に応じ、ビタミンAに変わる)は、粘膜を正常に保ち、病気に対する抵抗力を高め、体を守ってくれる働きがあります。アスパラギン酸は新陳代謝を促し、たんぱく質合成を高める働きをし、疲労回復や滋養強壮に役立ちます。
また、血管を丈夫にし、高血圧や動脈硬化の予防効果もあるルチンが含まれます。さらに、赤血球をつくるのに必要な葉酸も含んでいるため、貧血予防にも効果が期待できます。葉酸は妊娠を望む女性や妊娠中、授乳中にも必要なビタミンB群の一つとしても知られていますね。
店頭では、穂先がしまっていて茎が太くまっすぐなものを選びましょう。緑が鮮やかで、切り口が乾燥していないものが良品です。
また、時間がたつとかたくなり、苦みも出るため、なるべく新鮮なうちに食べましょう。すぐに食べない場合は、さっとゆでて冷蔵庫で保存するのがおすすめです。
βカロテン、葉酸、食物繊維、アスパラギン酸、ルチン。免疫力を高めるグリーンアスパラガスの栄養素
- ■病気に対する抵抗力を高める、βカロテン(必要に応じてビタミンAに変わる)が豊富
- ■疲労回復に役立つ、アスパラギン酸を含む
- ■血管を丈夫にし、高血圧、動脈硬化予防効果のあるルチンも
そのほか、葉酸や食物繊維など、さまざまな栄養素を含んでいます。
貧血気味や疲れやすい人におすすめ! グリーンアスパラガスをおいしく食べましょう!
香りと食感を楽しむ!栄養を効率よく摂るためのグリーンアスパラガスレシピ
グリーンアスパラガスを調理する際は、なるべく長いまま、もしくは大きめに切って使うと、シャキッとした食感が楽しめるのでおすすめです。少しかたいものは、小口切りや斜め切りなど、繊維を断つように切ると食べやすくなります。また、ホイル焼きにすると香り、甘みが楽しめます。
ゆでるより焼くほうが、水溶性ビタミン(ビタミンB群、ビタミンCなど)の流出が少なくすみます。ソテーやフライの場合は、生のまま調理したほうが香りよく仕上がります。
βカロテンは、油と一緒に摂ると吸収が良くなりますので、豚バラ肉やベーコンを巻いて焼いたり、フライにしたりするのも良いでしょう。
ドイツでは、ホワイトアスパラガス(シュパーゲル)は春を告げる野菜。「貴婦人の指」、「白い金貨」などと呼ばれています。アスパラガス専用の縦に長い鍋があるほど親しまれ、ゆでてオランデーズソース(バターや卵黄、レモン汁をベースにしたソース)をかける食べ方が主流。生ハムやサーモンと合わせてもおいしいです。
「豚肉のオイバタアスパラ巻き」
お弁当にも最適! バター×オイスターソースの最強コンビ。
「アスパラガスとベーコンのリゾット」
お子さんにも人気! 大満足の主食レシピ。
「アスパラガスの中華きんぴら」
あと1品ほしいときにオススメ! 色鮮やかな副菜。
香り豊かで、甘みのあるグリーンアスパラガス。
おいしくて栄養豊富なだけでなく、鮮やかなグリーンが食卓に彩りを添えてくれます。
和・洋・中、さまざまなレシピに挑戦して、
グリーンアスパラガスの魅力を再発見したいですね。
自然の恵みに感謝して、
今日もおいしく、旬をいただきましょう。
監修:牧野直子(まきの・なおこ)
管理栄養士、料理研究家、ダイエットコーディネーター。「スタジオ食(くう)」代表。おいしくて体にやさしいレシピや健康的なダイエット法などを提案し、テレビ、雑誌、料理教室、健康セミナーなどで幅広く活躍中。共著に『2品おかずで塩分一日6g生活』(女子栄養大学出版部)ほか。
2021年4月の情報をもとに掲載しています。