旬のはなし

ビタミンC、βカロテン、ビタミンP!やっぱりすごいピーマンの栄養

旬の食材の魅力、おいしい食べ方をご紹介する連載「旬のはなし」。今回は、きれいな緑色が料理に彩りを添える、ピーマンです。

ピーマンの肉詰め、青椒肉絲(チンジャオロース)、煮びたし、焼きびたし、ソテーやサラダ、和え物など、 ピーマンは、和洋中のジャンルを問わず、多種多様な料理に取り入れられていますね。

そんなピーマンの魅力をたっぷりとご紹介します。

戦後、私たちの食卓に。栄養満点のピーマン

ピーマンの旬は、露地栽培のもので6〜9月頃です。この時期、ピーマンは安価になり、たくさん店頭に並びます。

ピーマンは熱帯アメリカの原産で、日本では戦後、広く食べられるようになりました。漢字では青椒や甘唐辛子と書きますが、これといった和名での呼び方が一般的でないのも納得できますね。

日本でおもに食べられている緑のほかに、カラーピーマン(赤、黄、橙色)、品種は違いますがパプリカ(赤、黄、橙色、黒[紫])があります。

私たちが普段食べているピーマンは緑色ですが、これは未熟な状態で収穫されたもので、完熟するとカプサンチンという赤い色素が増えて赤ピーマンになります。

ビタミンC、βカロテン、ビタミンP!ピーマンのすごい栄養

ピーマンはβカロテンやビタミンCを豊富に含んでいます。ピーマン3個(約100g)で、成人男女が1日に必要なビタミンC量の約2/3を補うことができます。

細胞を丈夫にするコラーゲンの生成に、ビタミンCは必要不可欠です。風邪の予防や肌トラブルに効果を発揮します。また、ピーマンには毛細血管を丈夫にし、ビタミンCの吸収を助けるヘスペリジン(ビタミンPの1種)や、コレステロール低下作用があるといわれる葉緑素(クロロフィル)も含んでいます。
βカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換され、皮膚や粘膜などの上皮組織を正常に保つことで、感染症から身体を守る働きがあります。

ピーマン独特の青臭さは、ピラジンという香り成分によるもので、おもに種やわたに多く含まれます。ピラジンは血液の流れをよくすることが分かっており、種やわたごと食べるのがベストですが、口当たりや見栄えが気になるようならとってもよいでしょう。

βカロテンの吸収を高めるなら、油との組み合わせが効果的です。ビタミンCは加熱すると壊れてしまいますが、ピーマンの組織は丈夫なため、調理による損失が比較的少ないという特徴を持っています。炒めるなど加熱をしてもよいでしょう。

Pick Up!元気をくれる「ピーマン」の栄養素

■肌トラブルに効果を発揮するビタミンCがたっぷり。100g中76mgと豊富に含まれています。
■感染症から身体を守るβカロテンも豊富。黄色いパプリカと比べると約2倍です。
■毛細血管を丈夫にするビタミンPも。
そのほか、葉緑素、ピラジン、ヘスペリジンなど、さまざまな栄養素を含んでいます。

〝元気をくれる〟ピーマンをおいしく食べましょう!

【旬のレシピ】アレンジ自由自在!マスターしたいピーマンレシピ

ピーマンを選ぶ際には、以下のポイントをチェックしましょう。
・全体的に緑色が濃く色が均一で、肉厚でやわらかいもの。
・ハリとツヤがあり、しわがないもの。
・へたの部分の色が鮮やかでピンとしているもの。

ピーマンの独特の食感や香りを楽しむには、繊維に沿って大きめに切るのがおすすめです。

苦みが苦手な方(とくにお子さん)には、繊維を断つように細切りにして、一度茹でてから調理するとよいでしょう。また、ピーマンは、ベーコンやバラ肉など脂の多い肉と一緒に調理すると、油脂でコーティングされ、苦みを感じにくくなります。

ビタミンCの損失を抑えるには、蒸したり、ホイル焼きにしたりするのがおすすめです。

ピーマンがおいしいこの季節には、私は「ラタトゥイユ」や「ピーマンの佃煮」を作り、さまざまな料理に活用しています。

牧野先生のスペシャルレシピ

<ラタトゥイユ>
ピーマン、パプリカ、ナス、セロリ、にんにくなどをオリーブ油で炒め、トマトまたはトマト水煮缶を加え、煮込みます。朝食時、卵料理に添えたり、お弁当の1品として肉や魚のソテーに添えたりしています。

<ピーマンの佃煮>
細切りのピーマン4~5個を炒めて、だし汁、しょうゆ、みりんで煮て、いりごまを加えます。便利な常備菜です。

「レンジで簡単!ピーマンのうま味ナムル」

調理時間5分!手軽につくれる絶品副菜です。

「ピーマンのひき肉詰め」

コンソメで煮込む洋風肉詰め!スープと一緒にどうぞ。

そのほか、わが家ではこんなメニューが人気です。

<丸ごとピーマンのホイル焼き>
手で軽くつぶしたピーマンをホイルで包んで魚焼きグリルで焼き、かつお節、しょうゆをかけていただきます。

<ピーマンたっぷりドライカレー>
みじん切りのピーマンを多めに入れるドライカレー。

<ピーマンの塩昆布和え>
細切りのピーマンをレンジで加熱して塩昆布、ごま油と和えます。お弁当のおかず向き。

ピーマンは調理しやすく、常備菜にも向いている万能食材ですね。

アレンジ自由自在のピーマン。
あるときはメインディッシュに、あるときはお弁当に......。

独特の食感、香り、味わいを生かした新メニューにも挑戦して、
ピーマンの新たな魅力を再発見したいものです。

自然の恵みに感謝して、
今日もおいしく、旬をいただきましょう。

「パプリカのはなし」

パプリカは、植物学的にはトウガラシの仲間です。ピーマンに比べ、肉厚で甘味がある大型種です。1993年頃にオランダから輸入したのを皮切りに、日本でも流通するようになりました。現在では、ニュージーランドや韓国からの輸入だけでなく、国内でも栽培されています。

果実の色は、未熟果では緑色をしていますが、完熟すると品種によって赤やオレンジ、黄、紫、白、茶、黒などカラフルです。赤はカプサンチン色素、黄色はカロテノイド色素、紫はアントシアニン色素によって発色します。

パプリカは苦味や青臭さがなく、果物のような甘味があるため、サラダやマリネなど生で食べてもおいしいです。また、炒め物などに入れると、彩りも鮮やかで甘味もアップします。

ピーマンに比べてビタミンCの量も2倍以上(100g中170㎎)あります。赤パプリカはβカロテンも豊富です。色が濃いものほど、ビタミンCやβカロテンの含有量が多いので、赤>オレンジ>緑>黄色となります。パプリカもピーマン同様、加熱調理によるビタミンCの損失はほとんどありません。

肝心の味はというと、赤は熟しているので、オレンジ、黄色に比べて甘味が感じられます。黄色は少し酸味が感じられ、さっぱりしています。オレンジは赤・黄の中間といったところでしょうか。そのときの料理や献立の色合いで選ぶのでよいと思います。

おいしいパプリカは、色が鮮やかでツヤがあり色むらがなく、へたはみずみずしいきれいな緑色をしています。ハリがあって、ずっしりと重みがあるものを選びましょう。

新鮮なパプリカは一週間ほど保存できます。また、パプリカは冷凍保存が可能です。食べやすく切って水気をよくふき、冷凍保存袋になるべく平らに入れて空気をぬいて冷凍してください。凍ったまま調理できます。

パプリカは、1年中出回っているので上手に料理に取り入れましょう。

監修:牧野直子(まきの・なおこ)

管理栄養士、料理研究家、ダイエットコーディネーター。「スタジオ食(くう)」代表。おいしくて体にやさしいレシピや健康的なダイエット法などを提案し、テレビ、雑誌、料理教室、健康セミナーなどで幅広く活躍中。共著に『2品おかずで塩分一日6g生活』(女子栄養大学出版部)ほか。

2021年8月の情報をもとに掲載しています。

旬のはなし

夏バテも食欲不振もさよなら!今年は「うなぎ」でパワーチャージ

「旬のものを食べると、体にいい」
子どものころ、大人たちに言われてきました。

旬の時期に、市場に多く出回る野菜や魚介類。じつは、大量に収穫できるため値段が安く手に入りやすい、という理由だけではないようです。
ではなぜ、旬の時期に食べるといいのでしょうか?

露地ものの野菜は、旬の時期に栄養価が高くなります。
冬が旬のほうれん草の場合、ビタミンC量(100g中)、冬は60mgと、夏の約3倍に。
夏野菜のきゅうりやトマトは、水分も多く、汗で流れ出やすいカリウムも豊富なので、夏の体にぴったりです。

旬の食材を食べること。
それは、先人たちから受け継がれてきた、とても理にかなった、私たちの食の営みです。

本連載では、食材をとことん味わいつくす、健康的なレシピが人気の管理栄養士・牧野直子さんに、
旬食材の魅力と、うれしい健康効果について教えていただきます。
8月は、夏こそ食べたい「うなぎ」と「トマト」。

『万葉集』にも登場し、古くから日本で食べられているうなぎも、夏の私たちの体に、たくさんの栄養をもたらしてくれます。

夏バテ予防には、たんぱく質、ビタミン、クエン酸!

夏バテとは、気温の変化に体がついていけず、自律神経が不安定になり睡眠不足や倦怠感、食欲不振などの症状を起こすことです。
食欲不振になると、体を維持するために必要なエネルギーや栄養素が不足するため、 倦怠感や疲れがとれない状態が続く悪循環になります。

もっともエネルギーになるのは、ごはんやパンなどに多く含まれる糖質です。これをエネルギーに換えるのに必要なのが、豚肉、うなぎや紅サケ、たらこ、青魚、そして卵や納豆などのたんぱく質源に豊富に含まれるビタミンB群です。

食欲がないからそうめんだけ、お茶漬けだけというような主食のみの食事で、たんぱく質源が不足すると、ビタミンB群が足りずエネルギーを生み出すことができません。

また、クエン酸や酢の酢酸は、糖質をエネルギーに換える代謝サイクルの中で、スムーズにエネルギーを生み出す助けをします。

夏の最強食材「うなぎ」と「トマト」

夏に食べたくなるうなぎは、脂質を多く含み、カロリーも高いため、少量でも効率よくエネルギーを補うことができます。夏バテで食欲がないときや、もともと食が細い人の栄養補給にむいています。

そしてうなぎには、炭水化物をエネルギーに変えるときに必要なビタミンB1、脂質をエネルギーに変えるのに必要なビタミンB2が豊富で、それぞれが互いの働きを助け合うことができるため、夏バテや疲労回復にかかせない食材です。

その他、日焼けによる肌のダメージを和らげるビタミンA、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも多く含まれます。

クエン酸を含むトマトも、エネルギーを速やかに作るのに欠かせません。
トマトは赤い色が濃いほどリコピンが豊富です。リコピンは抗酸化作用が強く、紫外線から肌を守る、HDLコレステロールを増やす、高めの血圧を下げる、などの働きも期待できます。

旬の栄養素 「うなぎ」

■糖質や脂質をエネルギーに変えるビタミンB1、B2
■日焼けによる肌のダメージを和らげるビタミンA
■カルシウムの吸収を助けるビタミンD
■血液中の脂質の酸化を防いで動脈硬化を予防するビタミンE
■血液中のLDLコレステロールや中性脂肪を減らす不飽和脂肪酸

夏に食べたくなるうなぎは、すべての年代の体の悩みをサポートするまさに栄養の宝庫!

【旬レシピ】蒲焼きだけじゃもったいない!うなぎアレンジメニュー

うなぎというと、「蒲焼きに白いごはん」が王道ですが、もっと気軽に、日々の食卓で楽しめるメニューもたくさんあるんです。

たとえば、一口大に切ったうなぎとくし形に切ったトマトを炒め合わせ、ざく切りのシソを散らすだけで完成の「うなぎとトマトの炒め物」は、ごはんが進む一品となります。

トマトの酸味と旨味が調味料代わりになりますし、トマトのリコピンは脂溶性のためうなぎの脂肪分と一緒にとることで吸収がよくなるという、とても相性の良い掛け合わせです。

そのほか、おすすめのうなぎメニューはこちら

「うなぎときゅうりの酢のもの」

「うなぎとピーマンのピリ辛チャンプルー」

日本の美しい四季を感じさせてくれる、旬の食材。
店頭に並ぶ、色とりどりの旬の食材を見つけるたびに、
またこの季節がやってきたと、うれしくなりますね。

日々、栄養バランスや品数に気を取られがちですが、
ただシンプルに「旬の食材を食べる」ことを意識するだけで、

自然と体の調子が整ってくるのかもしれません。 自然の恵みに感謝して、
今日もおいしく、旬をいただきましょう。

旬の食材を知る
ーうなぎ編ー

1.選び方
かばやきや白焼きに加工してあるものは、焼きすぎていないもの、できるだけ作りたてが◎。横から見て皮と身が平らになっていて(丸まりすぎていない)、幅広いものが皮の軟らかいうなぎです。堅い場合は、酒蒸しして刻み、ひつまぶしにすると食べやすくなります。
真空パックの場合、型崩れしていないものを選びましょう。
生きているものを買う場合は、青みを帯びた黒色の背に、真っ白な腹をしているものを選びます。

2.保存方法
一切れずつラップで包み、さらにビニール袋などに入れ、できるだけ空気に触れないように密閉して冷蔵庫で保存して下さい(2~3日)。
冷凍保存の場合は、1か月を目安に早めに食べきってください。

3.トリビア
天然のうなぎは5~12月に獲れ、脂がのるのは冬なので、本来の旬は秋から冬でした。
しかし、現在、日本で流通しているうなぎは養殖がほとんど(約99%)で、夏の土用の丑の日に合わせて出荷されるため、夏に旬を迎えます。

監修:牧野直子(まきの・なおこ)

管理栄養士、料理研究家、ダイエットコーディネーター。「スタジオ食(くう)」代表。おいしくて体にやさしいレシピや健康的なダイエット法などを提案し、テレビ、雑誌、料理教室、健康セミナーなどで幅広く活躍中。共著に『2品おかずで塩分一日6g生活』(女子栄養大学出版部)ほか。

2020年9月の情報をもとに掲載しています。