のちに「うま味」を発見することになる池田菊苗博士が、ドイツのライプチヒ大学に留学したのは1899年。ドイツ人の体格と栄養状態の良さに驚いた博士は、日本人の栄養不足を解決する一つの方法として、粗食でもおいしく食べられるような調味料の発見とその工業化について考えるようになりました。
そんな池田博士が"うま味"と出会ったのが、1907年の春。昆布のだしから"うまい"と感じる味(のちにうま味と命名)を発見し、翌年となる1908年早々にはその正体がグルタミン酸であることを突き止め、グルタミン酸を調味料として工業的に作るための画期的な製造法を編み出します。池田博士は早速この製造法についての特許を出願。特許を取得したのが、同年の7月25日だったというわけです。味の素グループ創業の基礎を築いた二代目鈴木三郎助との運命の出会いは、その直後となる9月の出来事でした。
のちに、日本味うま味調味料協会では、うま味調味料についての理解を促すため、特許取得の7月25日を「うま味調味料の日」と制定しました。
味の素グループ川崎工場にある「味の素グループうま味体験館」では、うま味やアミノ酸についての科学的な情報を楽しくわかりやすく知ることができます(入場無料・予約不要)。"うま味"をダイレクトに体験するなら、工場見学ツアー(全て要予約)「味の素®」コース(所要時間約90分)の"うま味体験"もオススメ。みそを溶いただけのお湯と、「味の素®」を加えたものを試食して、"うま味"による奥深い味わいの変化を体験することができます。
2019年8月の情報をもとに掲載しています。