食と健康

パスタ!冷しゃぶ!春巻き! 夏バテ対策に味も栄養もグレードアップ

パスタ!冷しゃぶ!春巻き! 夏バテ対策に味も栄養もグレードアップ
手軽で簡単な晩ごはんや、休日のランチ、毎日のお弁当に人気の定番メニューも、ちょっとしたアイデアで夏仕様にアレンジすれば、夏バテを予防する新メニューに。
今回は、暑い時期に人気の「冷製パスタ」と「冷しゃぶ」、そしてお弁当にも人気の「春巻き」をピックアップしました。
食欲が減退しがちな季節でも、もりもり食べられて、暑さや病気に負けない体を作るレシピを紹介します。

夏バテの原因は「冷え」と「栄養不足」

夏バテは、医学的な用語ではありませんが、高温多湿な日本の夏の暑さによる体調不良の総称です。
暑さが続くと「疲れがとれない」「食欲がなくなる」「よく眠れない」という方がいらっしゃいます。このような「だるさ」の原因の中に、「冷え」と「栄養不足」があげられます。

外は暑いのにオフィスや電車ではカラダが冷える...といった「夏の冷え性」も夏バテの原因の1つです。体が冷えると汗をかきにくくなり、体温調節がうまくできなくなるからです。

また、夏はそうめんや冷や麦など炭水化物にかたよった献立・レシピになりやすく、栄養バランスがくずれがちに。そこで、不足しやすいたんぱく質、ビタミン、ミネラルを意識したバランスの良い献立をご紹介します。

タコのガスパチョ風味で疲労回復パスタ

パスタソースは皮を湯むきしたトマトと玉ねぎをミキサーにかけ、調味料と混ぜ合わせるだけ!仕上げに茹でダコのスライスをトッピングすれば、超簡単冷製パスタの完成。バジルの風味が本格的な一品です。

夏の太陽を浴びた緑黄色野菜(トマト、かぼちゃ、ピーマンなど)は、カロテン、ビタミン、食物繊維、カリウムなどのミネラルが多く含まれています。
タコは良質のたんぱく質がたくさん含まれていて、疲労回復にもおすすめです。

さっぱりねぎ塩ダレで箸がとまらない豚しゃぶ

好きな野菜と豚のスライス肉をたっぷりのお湯で茹でるだけの冷しゃぶ。みじん切りにしたネギを調味料と混ぜ合わせるだけの、特製だれでいただきましょう。

豚肉に多く含まれるビタミンB群は、エネルギー代謝や疲労回復に効果的。
ビタミンB1は、にんにくやねぎなどのアリシンを含む食材と一緒に食べると、吸収が良くなります。

何個でも食べられる!梅肉風味の大葉春巻き

子ども大人も大好きな春巻き。ひき肉と玉ねぎ、調味料を準備して、市販の春巻きの皮を使えば、「混ぜて包んで焼くだけ」の時短料理です!

しょうがやしそなどの香味野菜は、食欲アップに効果的。夏にピッタリのさっぱりとした味のアクセントにもなります。梅干しに含まれるクエン酸も積極的にとり入れましょう!夏の疲れたカラダに◎

夏バテ対策の基本は、まず体を冷やさないように心がけること。そして、栄養バランスを意識した食事をとることです。
生活と食事を見直して、夏の体調不良を防ぎましょう。

ご紹介したレシピを、副菜や汁物とあわせた献立メニューは、こちらからチェックしてくださいね。

2020年9月の情報をもとに掲載しています。

旬のはなし

夏バテも食欲不振もさよなら!今年は「うなぎ」でパワーチャージ

夏バテも食欲不振もさよなら!今年は「うなぎ」でパワーチャージ

「旬のものを食べると、体にいい」
子どものころ、大人たちに言われてきました。

旬の時期に、市場に多く出回る野菜や魚介類。じつは、大量に収穫できるため値段が安く手に入りやすい、という理由だけではないようです。
ではなぜ、旬の時期に食べるといいのでしょうか?

露地ものの野菜は、旬の時期に栄養価が高くなります。
冬が旬のほうれん草の場合、ビタミンC量(100g中)、冬は60mgと、夏の約3倍に。
夏野菜のきゅうりやトマトは、水分も多く、汗で流れ出やすいカリウムも豊富なので、夏の体にぴったりです。

旬の食材を食べること。
それは、先人たちから受け継がれてきた、とても理にかなった、私たちの食の営みです。

本連載では、食材をとことん味わいつくす、健康的なレシピが人気の管理栄養士・牧野直子さんに、
旬食材の魅力と、うれしい健康効果について教えていただきます。
8月は、夏こそ食べたい「うなぎ」と「トマト」。

『万葉集』にも登場し、古くから日本で食べられているうなぎも、夏の私たちの体に、たくさんの栄養をもたらしてくれます。

夏バテ予防には、たんぱく質、ビタミン、クエン酸!

夏バテとは、気温の変化に体がついていけず、自律神経が不安定になり睡眠不足や倦怠感、食欲不振などの症状を起こすことです。
食欲不振になると、体を維持するために必要なエネルギーや栄養素が不足するため、 倦怠感や疲れがとれない状態が続く悪循環になります。

もっともエネルギーになるのは、ごはんやパンなどに多く含まれる糖質です。これをエネルギーに換えるのに必要なのが、豚肉、うなぎや紅サケ、たらこ、青魚、そして卵や納豆などのたんぱく質源に豊富に含まれるビタミンB群です。

食欲がないからそうめんだけ、お茶漬けだけというような主食のみの食事で、たんぱく質源が不足すると、ビタミンB群が足りずエネルギーを生み出すことができません。

また、クエン酸や酢の酢酸は、糖質をエネルギーに換える代謝サイクルの中で、スムーズにエネルギーを生み出す助けをします。

夏の最強食材「うなぎ」と「トマト」

夏に食べたくなるうなぎは、脂質を多く含み、カロリーも高いため、少量でも効率よくエネルギーを補うことができます。夏バテで食欲がないときや、もともと食が細い人の栄養補給にむいています。

そしてうなぎには、炭水化物をエネルギーに変えるときに必要なビタミンB1、脂質をエネルギーに変えるのに必要なビタミンB2が豊富で、それぞれが互いの働きを助け合うことができるため、夏バテや疲労回復にかかせない食材です。

その他、日焼けによる肌のダメージを和らげるビタミンA、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも多く含まれます。

クエン酸を含むトマトも、エネルギーを速やかに作るのに欠かせません。
トマトは赤い色が濃いほどリコピンが豊富です。リコピンは抗酸化作用が強く、紫外線から肌を守る、HDLコレステロールを増やす、高めの血圧を下げる、などの働きも期待できます。

旬の栄養素 「うなぎ」

■糖質や脂質をエネルギーに変えるビタミンB1、B2
■日焼けによる肌のダメージを和らげるビタミンA
■カルシウムの吸収を助けるビタミンD
■血液中の脂質の酸化を防いで動脈硬化を予防するビタミンE
■血液中のLDLコレステロールや中性脂肪を減らす不飽和脂肪酸

夏に食べたくなるうなぎは、すべての年代の体の悩みをサポートするまさに栄養の宝庫!

【旬レシピ】蒲焼きだけじゃもったいない!うなぎアレンジメニュー

うなぎというと、「蒲焼きに白いごはん」が王道ですが、もっと気軽に、日々の食卓で楽しめるメニューもたくさんあるんです。

たとえば、一口大に切ったうなぎとくし形に切ったトマトを炒め合わせ、ざく切りのシソを散らすだけで完成の「うなぎとトマトの炒め物」は、ごはんが進む一品となります。

トマトの酸味と旨味が調味料代わりになりますし、トマトのリコピンは脂溶性のためうなぎの脂肪分と一緒にとることで吸収がよくなるという、とても相性の良い掛け合わせです。

そのほか、おすすめのうなぎメニューはこちら

「うなぎときゅうりの酢のもの」

「うなぎとピーマンのピリ辛チャンプルー」

日本の美しい四季を感じさせてくれる、旬の食材。
店頭に並ぶ、色とりどりの旬の食材を見つけるたびに、
またこの季節がやってきたと、うれしくなりますね。

日々、栄養バランスや品数に気を取られがちですが、
ただシンプルに「旬の食材を食べる」ことを意識するだけで、

自然と体の調子が整ってくるのかもしれません。 自然の恵みに感謝して、
今日もおいしく、旬をいただきましょう。

旬の食材を知る
ーうなぎ編ー

1.選び方
かばやきや白焼きに加工してあるものは、焼きすぎていないもの、できるだけ作りたてが◎。横から見て皮と身が平らになっていて(丸まりすぎていない)、幅広いものが皮の軟らかいうなぎです。堅い場合は、酒蒸しして刻み、ひつまぶしにすると食べやすくなります。
真空パックの場合、型崩れしていないものを選びましょう。
生きているものを買う場合は、青みを帯びた黒色の背に、真っ白な腹をしているものを選びます。

2.保存方法
一切れずつラップで包み、さらにビニール袋などに入れ、できるだけ空気に触れないように密閉して冷蔵庫で保存して下さい(2~3日)。
冷凍保存の場合は、1か月を目安に早めに食べきってください。

3.トリビア
天然のうなぎは5~12月に獲れ、脂がのるのは冬なので、本来の旬は秋から冬でした。
しかし、現在、日本で流通しているうなぎは養殖がほとんど(約99%)で、夏の土用の丑の日に合わせて出荷されるため、夏に旬を迎えます。

監修:牧野直子(まきの・なおこ)

管理栄養士、料理研究家、ダイエットコーディネーター。「スタジオ食(くう)」代表。おいしくて体にやさしいレシピや健康的なダイエット法などを提案し、テレビ、雑誌、料理教室、健康セミナーなどで幅広く活躍中。共著に『2品おかずで塩分一日6g生活』(女子栄養大学出版部)ほか。

2020年9月の情報をもとに掲載しています。