活動レポート

味の素グループの提唱する「妥協なき栄養」とは②
「おいしい減塩」実現のためのアプローチ

味の素社は栄養へのアプローチとして「妥協なき栄養」というテーマを掲げ、世界の人々の健康を支えるために活動しています。

今回の記事では、とくに重要な取り組み項目の一つである「おいしい減塩」の実践について紹介します。

食事の中でついつい摂りすぎてしまう塩分。どうすれば、おいしさはそのままに、塩分を減らすことができるのでしょうか。

今や、世界の課題となっている"減塩"

世界規模で問題となっている過剰栄養。なかでも塩分の摂りすぎは多くの国の課題です。味の素社は現在世界7億人の人々と食を通して関わりを持っており、2030年までにその数は10億人にものぼると見られています。

日本人の塩分摂取量は、男女ともWHO(世界保健機関)が推奨する1日5gを大きく上回っているのが実情です。

おいしい減塩を実現できる「バイオ・ファイン技術」

味の素社では、塩分を抑えながらも「おいしい!」という声をもらえる食事を提供するために、先端バイオ・ファイン(※)技術を用いた製品づくりに取り組んでいます。

(※)
先端バイオ・ファイン技術とは、微生物や酵素の力を用いる「バイオ・テクノロジー」と、さまざまな原料から有用物質を生産する「ファイン・ケミカル」そして栄養・生理機能などを評価し、利用法を開発する「機能性評価技術」を基盤としたものです。

味の素社では、ほかではまねできないこの技術を使って、無理のない減塩を広めようとしています。

一つは減塩できる調味料の開発・提供です。うま味により塩分を抑えてもおいしく仕上がる調味料として、味の素社の製品では「味の素®」や「ハイミー®」がよく知られています。また摂りすぎが問題視される塩化ナトリウムを抑えて、塩化カリウムに置き換え、さらにまろやかな味をもたらすポリグルタミン酸を加えた「やさしお®」も、減塩できる調味料です。

もう一つは減塩レシピの開発です。たとえば取り組みの一つである「スマ塩」では味の素社の減塩製品の紹介とともに減塩のコツやさまざまなレシピを紹介し、一般消費者のみなさまにも広く利用されています。

さらにこんな動きもあります。味の素社は、古くから塩分の摂りすぎが心配されてきた東北地方で、2014年から行政や流通と連携して「減塩・適塩」活動をスタートさせています。

なかでも、とくに塩分を摂る量が多かった岩手県では、毎月行われる「いわて減塩・適塩の日」に店頭での減塩製品の紹介や、栄養士会での「減塩セミナー」の開催などを行ってきました。

2012年度と2016年度の岩手県の食塩摂取量を見比べてみると、4年間で10〜20%も塩分を摂る量が減っていて、味の素社の取り組みもこの良い結果に貢献できたのかもしれません。

また、有識者の方々とコラボする取り組みも始まりました。たとえば奈良女子大学の早渕仁美先生と、うま味調味料を使った「おいしい減塩」について、一緒に考えるセミナーを開催したこともその一つです。

グローバルに展開する「おいしい減塩」

味の素社の減塩の取り組みは、海外でも展開されています。たとえばマレーシア。2016年から、老人ホームへ、うま味を使った減塩メニューの提案を行っています。

この動きはさらに進み、2020年からは現地の大学と連携した研究も始まりました。今後は、さらに4つの老人ホームに向けて新しく減塩メニューのレシピ提供などを行っていく予定です。現在までに、減塩を実現した56の栄養バランスメニューを集めたレシピブックも2冊制作されています。味の素社のこれらの取り組みは現地メディアでも紹介され、注目を集めています。

今後は、マレーシア以外の国々に向けても減塩メニューのレシピ提供など、減塩を進めるためのさまざまな活動を展開する予定です。

塩分を減らしても、「おいしい!」と声が出てしまうような食を広めたい。味の素社の持つ最新技術と製品で、世界中の食卓で減塩を実現できるよう、さらに活動を進めていきます。

2021年10月の情報をもとに掲載しています。

味の素グループは、アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献します

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