活動レポート

手話の出前授業が話題に!地域密着型の食育をろう学校で開催

手話の出前授業が話題に!地域密着型の食育をろう学校で開催
2017年6月、川崎市立聾(ろう)学校小学部で手話と口話(読唇術、読術)※1による出前授業が実施された。出前授業は2006年からスタートしたものだが、耳が不自由な生徒を対象とするのは初めてのこと。実現した裏側には、味の素グループのある社員2人の熱い思いが隠されていた。
※1 くちびるの動きによって表現する伝え方。

地域密着型の取り組みである出前授業とは

出前授業は、「だし・うま味のひみつ」をテーマに展開。次世代を担う子どもたちに、「だし」「うま味」「味覚」について、楽しく学んでもらうための食育プログラムである。全国各地で勤務する味の素グループの社員が講師を務めるこの取り組みは、2006年度から年間約100校、300クラス、10,000人規模で行われている。

授業では、まず舌で感じる味にはうま味を含む5つの基本味があることを学び、実際にだしを試飲。和食のだし素材、昆布、かつお節、干ししいたけ、煮干しなどの観察が行われ、和食のだしの役割について理解を深める。

ろう学校での出前授業実現に向けて

今回、川崎市立聾(ろう)学校小学部の出前授業で講師を務めたのは、味の素グループ営業企画部の安達さん(先天性感音性難聴2級)と、東京支社業務用スタッフグループの渡辺さん(後天性感音性難聴2級)。2人の「国や性別、家庭環境、障害に関係なく、全ての子どもたちにうま味を広めたい!」という熱い思いが実った形だ。

ただし初めての取り組みとなるため、伝え方の工夫やろう学校へのアプローチ方法など、2017年6月にゼロベースで検討を開始。手話、口話での授業は、話し言葉での授業より1.5倍の時間がかかるため、より簡潔で伝わりやすい表現を工夫することとなった。

例えば、"うま味"という味覚を創作手話※2で子どもたちに伝わりやすいようにしたり、聴覚のハンデをカバーするため、みそ湯とだしの試飲の際にカップをシールで色分けして一目で分かるように工夫したり、視覚情報をふんだんに取り入れることを意識。安達さんの友人が教諭を務めている川崎市立聾(ろう)学校にアプローチし、その学校の先生方と授業内容について留意点を確認しながら準備を進め、実現に至った。
※2 従来から使われている手話ではなく、伝わりやすいように創った手話。

食育と同時にキャリア教育にもなった授業

川崎市立聾(ろう)学校小学部の出前授業の当日、手話と口話で授業をスタートすると、生徒たちは会話を弾ませ、授業に夢中に。授業の後半には高等部の生徒も参加し、安達さん、渡辺さんのこれまでのキャリアについて紹介。質問攻めになるほど大盛況となった。

手話と口話を交えながらの活動紹介を行っている様子。自身も難聴を持つスタッフのキャリアにまで話題が発展しました。

うま味という味覚を伝えるために用意した創作手話を使いながら、出前授業を進行する様子。

出前授業後に生徒が提出してくれた、だし・うま味の味覚教室 レポート。かわいい絵とメッセージが添えられています

出前授業終了後には、先生方から「キャリア教育にもなる、大変素晴らしい授業をありがとうございました」という感謝の声が。障害を持ちながら働くロールモデルと接する機会が少ない子どもたちに、「障害があっても実現できる!」と夢を持つことの大切さも伝える機会ともなった。

出前授業事務局は、従業員の講師体験による一人一人の成長と、企業の継続的な発展を通じて、全従業員の豊かで実りある人生と、会社の発展に貢献していくことを目指す。

2019年6月の情報をもとに掲載しています。

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