でも、いつも同じラーメンだと飽きてしまいますよね。そこで、簡単に手に入る食材をちょい足ししていつものラーメンのおいしさをアップしてみませんか。
ラーメンのおいしさの鍵を握るのは「うま味」をいかに引き出すかです。ラーメンの種類によって含まれている「うま味」が違うので、適した「うま味」成分をもつものを足す必要があります。
では、どのようなラーメンに何を入れたれば「うま味」が増すか、見てみましょう。
裏ワザ1 「醤油ラーメンの魚介スープに昆布をちょい足し」
日本で最もポピュラーなラーメンといえば醤油ラーメンですね。特に人気のある魚介系醤油ラーメンは、出汁を取るのにカツオ節、サバ節、マグロ節、トビウオのアゴ節、カタクチイワシの煮干しなどがよく使われます。
魚介系のラーメンには「海の恵み」とも言われるグルタミン酸が豊富な昆布をちょい足しするととてもうま味が増しておいしくなります。
昆布で出汁をとったスープを足すもよし、とろろ昆布、おぼろ昆布、塩昆布などをひとつまみラーメンに乗っけて食べてもよし。駄菓子の定番おしゃぶり昆布もお手軽なのでおすすめです。
魚介系ラーメンのスープに多く含まれるうま味成分はイノシン酸で、昆布に多いのはグルタミン酸。複数のうま味成分が組み合わさることでぐっと味が深くなるのです。
裏ワザ2 「豚骨スープにキノコ類をちょい足し」
豚の骨を煮込んで作る白濁した豚骨スープは主に博多を中心とした九州全域に愛されています。
多くのラーメン店では豚骨ラーメンの上にキクラゲを細く切ったものがのせられています。これは、豚骨ラーメンにキノコ類をちょい足しすることで一気に味が豊かになるためです。
豚骨ラーメンのスープに含まれるうま味はイノシン酸で、グアニル酸の含まれるキノコ類との相性は抜群です。
一般家庭でラーメンにキノコ類をちょい足しする場合は、干し椎茸を使うと便利です。椎茸の戻し汁をラーメンのスープに混ぜたり、刻んだ干し椎茸を入れたりすることで味わいが一層深まります。
干し椎茸を戻すときは前日から水で戻した方がおいしいのですが、これではちょい足ししたいときに間に合いません。そんなときは水に入れた干し椎茸を30秒ほど(※)レンジでチンするとすぐに料理に使うことができますよ。
(※レンジの機種などによって時間は異なります)
裏ワザ3 「鶏白湯スープにネギやニンニクをちょい足し」
鶏ガラをぐつぐつ煮込むことによって、鶏ガラの中に含まれるゼラチンが乳化して白濁したスープを鶏白湯(ぱいたん)スープと言います。この鶏白湯を用いたラーメンはあっさりとしていながら鶏のうま味に溢れ、年代を問わず人気を集めています。
鶏白湯スープに含まれるうま味成分はグルタミン酸。鶏肉にはイノシン酸も含まれます。ちょい足しにはグルタミン酸が多く含まれる野菜のネギやニンニクが良いでしょう。
特にニンニクは野菜類の中ではグルタミン酸含有量がトップクラスで、様々な食材との相性がよく、うま味を引き出すのに最適です。
家庭でちょい足しするときは、ニンニクをいちいちすりおろしたりするのは面倒ですし、臭いもついてしまうので、チューブに入ったすりおろしニンニクや、さっと振りかけるだけで使えるニンニクチップスが使い勝手がよく、おすすめです。
また、ネギの風味を増したいときは、ネギのうま味が濃縮され、香ばしい香りがするネギ油がおすすめです。
ちょい足し裏ワザのポイントは「うま味」
今回はラーメンの中でも人気のある3種類のスープに「うま味」をちょい足しするアイディアをご紹介しました。気になったらぜひ試してみてくださいね。
料理をするとき、「うま味」を意識して複数の素材を上手に「ちょい足し」することで味に相乗効果が生まれ、より専門的な味を家庭でも楽しめます。また、「うま味」を足すことで塩や砂糖などで濃い味付けをする必要がなくなりので、美容や健康にも良い影響をもたらします。その際は、鰹節、鶏スープの素、干し椎茸や昆布などの加工品をうまく使うと手軽で便利です。
うま味ペディアでは「うま味」を活用するための情報をたくさんご紹介しています。
ぜひ、ご家庭でも「うま味」を上手に取り入れてみてくださいね。
2019年5月の情報をもとに掲載しています。