透明のガラス瓶に赤いキャップの「味の素®」。今ではおなじみですが、発売当初は、もともと取引のあった薬種問屋を通じて販売したため、薬品用ガラス瓶に入っていました。ローマ字を用いたハイカラなデザイン、ラベルに「TOKYO JAPAN」との印字もあり、海外進出を見据えていた創業者の意気込みが感じられます。
世の中に普及しはじめると、より使い勝手に着目した容器へと進化。1926(昭和元年)、アルミ製、ガラス製、陶器製の食卓容器が相次いで登場すると、調理時だけでなく、食卓で使う調味料として日々の食卓に浸透していきました。
「味の素®」の容器史上、もっとも大きな変化が訪れたのが戦後。人々の生活が落ち着きを見せはじめた1951(昭和26)年でした。
それまで容器からスプーンですくって使用していたものをサッサッサッと振りかけて使えるよう、瓶の中蓋に穴を開けたのです。この〝穴〟には、普段のすまし汁1杯分のおいしさを誰もが手軽に実現できるようにと設計された、こんな秘密が隠されていたのです。
2019年3月の情報をもとに掲載しています。