うま味調味料「味の素®」が一般向けに発売されたのは、今から110年前の1909(明治42)年5月20日のこと。味の素グループではこの日が創業記念日となっています。
当初「味の素®」は小瓶14g(40銭)、中瓶30g(1円)、大瓶66g(2円40銭)の3品種。この小瓶14gの40銭はいまの価格に換算すると1,600円相当になります。現在の私たちには高額に感じられますが、当時原価から算出した価格はもっと高く、なんと小瓶で50銭(現在価格2,000円)相当。さすがに50銭では高すぎるとの懸念から、「とりあえず40銭と決めた」と言われています。これは、これまでにない製品を世に出すに当たり、当面は儲けを度外視してでも、一度買って使ってもらいたいという意図があったためでした。
しかし、それでも全く売れない状況が続いたため、発売の年の12月には大幅に値下げを敢行。小瓶は25銭になり、なんと40%近くダウンという採算度外視の価格設定を行いましたが、それでも一般家庭から見るとかなり高額で、ぜいたく品の位置づけでした。
価格設定と同時に、販売店でも試行錯誤が行われました。
発売当時、「味の素®」は薬の販売店で売られていましたが、新しい薬と間違える人もいたそう。そこで、創業者である二代鈴木三郎助は酒店で販売することを思いつき、このアイデアにより全国で売られることになっていきます。
明治時代に創業された日本の企業の多くに、このように価格や販売店を工夫しながら拡大して行った背景があります。
さあ、ここでクイズです。
日本には、味の素グループのように創業100年を超える企業はいくつあるでしょう?
答えはこちらのページでチェックしてみてください。
2019年5月の情報をもとに掲載しています。