歴史・トリビア

インドネシアで超有名!「Masako」の正体とは?

インドネシアで有名な日本人、というと誰の名前が浮かぶでしょうか。「マサコ」「サオリ」「マユミ」と答えたあなた。インドネシアでスーパーに通っていましたね?そう、「Masako」「Saori」「Mayumi」は、インドネシアのキッチンには欠かせない名前なのです。

インドネシアの食卓に並ぶ「Masako®」「Saori®」「Mayumi®」

あなたの名前がマサコさんなら、インドネシアでは話題を独り占めできること間違いなし。試しに、ジャカルタのスーパーで店員さんに「Nama saya Masako(わたしの名前はマサコっていうのよ)」と話しかけてみましょう。店員さんからもお客さんからも、「マサコ!大好きだよ!」と言われ、あっという間に大人気になること間違いなしです。
なぜなら、Masakoはインドネシアのご家庭ではおなじみの調味料だからです。
味の素社はインドネシアの「Masako®」、タイ・カンボジアの「Ros Dee®」(ロッディー)、ベトナムの「Aji-ngon®」(アジゴン)、ブラジルの「Sazón®」(サゾン)、ナイジェリアの「MaDish」(マディッシュ)など、世界各国でその国の家庭料理に合わせた調味料を開発し販売しています。
肉・魚・野菜などのエキス、香辛料、塩・砂糖、うま味調味料をブレンドし、スープや煮込み料理から炒め物、料理の下味付けなど幅広い用途に使われています。日本でいえば「ほんだし®」の位置づけにあたる調味料です。

でも、「Masako®」という名前はちょっと不思議ですね。この商品名は、インドネシア語の「Masak=料理する」という言葉に由来しているのだとか。現地語を使った親しみやすさと、日本らしさの両方を意識した、技ありのネーミングですね。
発売は1989年。以来多くのお客様から支持をいただき、インドネシアのカラワン工場・モジョケルト工場で現地生産された「Masako®」は、インドネシアの調味料市場で60%以上のシェアを占めています。
さらに、サオリさんやマユミさんも、インドネシアの話題の中心になれるかも。
「Saori®」はてり焼きソースやオイスターソースなどの液体調味料、「Mayumi®」はマヨネーズ。どちらも今ではインドネシアの食卓には欠かせない一品です。

https://www.ajinomoto.co.id/id/produk-resep/produk-retail

「Masako®」開発秘話・インドネシア各地を食べ歩き

さて、この「Masako®」の生みの親ともいえるのが、当時インドネシア味の素社に駐在していた深見賢治さんです。
「Masako®」の開発がスタートした1980年代後半、インドネシアの調味料市場では欧米メーカー・ユニリーバ製の「Royco」が一世を風靡していました。しかし、消費者の動向を見てみると、購買層は都市部在住者が中心。そこで深見さんは、商品開発のターゲットを農村部に定めます。
コンセプトは「生活に余裕がなくても、毎日チキン味の料理を食べられる」。つまり、「Royco」より安くておいしいチキン風味調味料をつくることを目指しました。
当時のインドネシア味の素社には商品開発部門はなく、深見さんは日本とインドネシアを往復しながら開発に取り組みます。そもそも、「インドネシア料理とはどんなものか」という知識や、ハラル(インドネシアで多くの人が信仰するイスラム教の戒律で許されていること。この場合、食べてよいとされる食材・食品)についても認識も少ない時代。
深見さんはインドネシア料理の特性をつかむため、現地で徹底的に料理を食べ歩きました。

ついに完成!貧困な農村部でもおいしい食事を

完成した試作品を携えた深見さんは、現地スタッフとキャラバン隊を組み、最後の仕上げとしてジャワ島・バリ島の農村部4カ所、都市部2カ所を約1カ月かけて巡りました。電気・ガス・水道などの生活インフラもなく、質問を理解してもらうまで何人もの通訳を介する必要があるなど非常な困難を伴いましたが、「Masako®」がターゲットにしている農村部の皆さんの生活に直接触れる体験は得難いものだったとか。

深見さんと商品開発チームが3年の年月をかけて生みだした「Masako®」は、今でもインドネシアの豊かな食生活に貢献し続けています。
味の素グループならではの食とアミノ酸の知見を生かし、「おいしく栄養を摂ることを通じて世界各地の健康な社会に貢献したい」という思いが、結実したプロジェクトです。

2020年6月の情報をもとに掲載しています。