食と健康

必須アミノ酸BCAAと高たんぱく!メタボ予防に効く8食材

おいしい食事を食べすぎると、おなか周りが気になったり、「メタボ」という言葉が頭に浮かんだりする人も多いのではないでしょうか。また、40歳以上の人なら特定健康診査で、実際に保健指導を受けたことのある方もいるかもしれませんね。

人生100年時代と言われるようになった昨今ですが、健康的に長生きするためには高血圧・高脂血症・高血糖などの生活習慣病を引き起こすメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群・メタボ)を防ぐことが必要です。

でも、メタボを恐れて食事を控えるのは逆効果。むしろ適度な運動と食事のバランスを取ることがメタボ対策につながります。

では、どのような食事が効果的なのでしょうか。食材に含まれる成分から考えていきましょう。

必須アミノ酸BCAAで基礎代謝アップ

食事の量を減らすだけだと逆効果!

メタボ対策で特に意識したいのは、わたしたちの体温・心臓・呼吸などカラダを維持するために使われるエネルギーである基礎代謝です。

基礎代謝の量は加齢とともに下がります。年齢を重ねると若いときと食事の量は変わらなくても、基礎代謝の余剰分が脂肪として蓄えられてしまいます。これがメタボの原因の一つです。

日本人の1日当たりのエネルギー消費量・基礎代謝量の変化のグラフ。15歳~17歳時点で男性約2,700kcal・女性約2,200kcalの基礎代謝量は、70際以上になると男性約2,100kcal・女性約1,800kcalまで減少する。

しかし、食事の量を減らすダイエットでは、逆に栄養バランスの悪化や心理的ストレスの増加につながります。そのため、食事の量を減らすよりも、基礎代謝量を確保した方がより健康的なメタボ対策になります。

そこで大切なのは、適度な運動によるエネルギー消費です。筋肉を動かすエネルギー消費で、加齢による基礎代謝の減少を補うことができれば、脂肪の蓄積を防ぎ、メタボを防止することにつながります。

メタボの要因の図。身体の動きや運動によるエネルギー消費量よりも食事によるエネルギー摂取量が上回ってしまうため。

しかし、運動により筋肉を動かすと、カラダが不足したエネルギーを補給するため、筋肉に含まれるたんぱく質を分解してしまいます。そのため、逆に筋肉が減って身体的に損傷しやすい状態になってしまうことがあります。

とくにメタボ気味の方はそれまで普段の生活の中で、運動を行っていない場合が多いので、メタボ対策のために運動をはじめても怪我などの不調が起こりやすくなります。

そこで役立つのが必須アミノ酸BCAA(Branched Chain Amino Acids-分岐鎖アミノ酸-の略)です。必須アミノ酸BCAAを適切に摂取することで筋肉の回復が早まり、筋肉痛の軽減、運動パフォーマンスの向上、基礎代謝のアップにつながります。

運動時間に対する筋タンパク質の分解量を示した図。BCAA摂取群とBCAA非摂取群で比較した場合、BCAA摂取群の分解量が約半分に抑えられている。特に運動時間が15分を超えた際に差異が大きくなっている。

(出典:Maclean, et al., Am J Physiol 267, 1010-1022, 1994)
※筋たんぱく質の分解量:筋肉のたんぱく質に含まれる必須アミノ酸の総量からBCAA量を除いたアミノ酸量として計算

たとえば、60分間継続してスポーツ活動をした場合、運動開始前のBCAAの摂取は、運動後半における筋たんぱく質の分解を明らかに抑えることなどが報告されています。(上グラフ)

運動に大切なのは継続すること。健康的な生活を継続するためにも、運動とともに前出の必須アミノ酸BCAAが多く含まれる食材を意識して摂取し、カラダをいたわりながら長続きすることを心がけましょう。

低脂肪高たんぱくで筋肉量をアップ

必須アミノ酸が豊富な高たんぱく質な食事を摂ることでメタボを解消!

筋肉はたんぱく質からつくられていますが、口から取り込んだ肉などのたんぱく質が直接筋肉に変わるのではなく、一度アミノ酸に分解され、体内で再びたんぱく質へと再合成されます。

また、アミノ酸は非必須アミノ酸(11種)と必須アミノ酸(9種類)の二つに分けることが出来ます。

タンパク質を構成する20種類のアミノ酸。必須アミノ酸は、バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファンの全9種。非必須アミノ酸は、アラニン、プロリン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、システイン、チロシン、グリシン、セリンの全11種。

非必須アミノ酸は他のアミノ酸から体内で合成して不足を補うことができるアミノ酸で、必須アミノ酸は体内で補うことができないアミノ酸です。ですから、必須アミノ酸BCAAも食事から取る必要があります。

必須アミノ酸が豊富な高たんぱく質な食事を摂ることは効率的なカラダ作りにつながります。しかし、食材によっては脂肪分が多いものもあるため、低脂肪なものを選ぶとメタボ対策に効果的です。

また、たんぱく質の含まれている食材だけですと栄養のバランスが偏ってしまいます。野菜・イモ・果物などビタミン・ミネラル・食物繊維を多く含むものや、ごはん・パン・めん類などの糖質源など、いろいろな食材を組み合わせましょう。

栄養バランスの良い食事を取ることは、たんぱく質の効率的な摂取にもつながり、食卓も鮮やかになります。

メタボ予防に適した8食材とそのレシピ

基礎代謝アップに役立つ必須アミノ酸BCAAが多く含まれる低脂肪なおすすめ食材を使った人気レシピをご紹介いたします。

いずれもなじみのある食材ばかりですが、とくに鶏のささみやの豚のヒレやモモ、チーズはたんぱく質量が多く、かつ必須アミノ酸BCAAが多く含まれていますので、メタボ対策には積極的に取り入れていきましょう。

味の素レシピ百科では他にもたくさんのレシピをご紹介していますので、献立作りの参考にしてみてくださいね。

これまで見てきたように、メタボ対策と豊かな食生活は相反するものではありません。食材に含まれる成分をよく理解することが、あなたの健康的な生活につながります。

ぜひ、おすすめの食材を皆さんの日々の生活にうまく取り入れ、おいしく健康的な食生活を送りましょう。

必須アミノ酸BCAA

・鶏ささみ 人気レシピ

鶏ささみとキャベツのみぞれ煮

・豚肉 人気レシピ

豚バラと白菜の重ね鍋

・チーズ 人気レシピ

カッテージチーズディップ

低脂肪・高たんぱく

・豚肉 人気レシピ

野菜だし豚しゃぶ

・かつお 人気レシピ

かつおの竜田焼き

・納豆 人気レシピ

簡単納豆汁

・卵 人気レシピ

「ほんだし」流!おでん

・牛乳 人気レシピ

きのことほうれん草のミルクスープ野菜

2019年9月の情報をもとに掲載しています。

味の素グループは、アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献します

味の素グループは、

アミノサイエンス®で人・社会・地球の

Well-beingに貢献します

「最新記事」一覧を見る