その不調、睡眠の質を上げることで改善できるかもしれません。
良質な睡眠をとることで集中力がアップし、パソコン作業の反応時間が向上するというデータもあるほど、睡眠の質は日中の仕事のパフォーマンスと密接に関わっているのです。
いつもの暮らしを少し改めるだけで、効果はてきめん!
今回は、今日から手軽に始められる快眠のための6つの習慣をご紹介します。まずは、できることから1つずつでも始めてみませんか。
今日からできる6つのおすすめ習慣 まずは就寝前のNG習慣を見直そう
毎日忙しく、夕飯タイムが遅くなることもしばしば。ベッドに入ってからもSNSや動画、明日のスケジュールのチェックでスマホを触ってしまう......そんないつもの習慣が「眠れない」「目覚めがスッキリしない」原因を生み出しているかも。
ぐっすり眠って朝スッキリ目覚めるためには、ちょっとしたコツがあるのです。
今回は、毎日忙しく過ごしているみなさんにぜひ知っていただきたい基本的な生活習慣をご紹介。
暮らしのルーティンを少し見直すだけで、睡眠に関する悩みが解消するかもしれません。
習慣1:"夕食は就寝2時間前まで"が鉄則
"満腹時に眠くなる経験をされた方は多いと思います。この経験から「寝る直前に食事をとればいいのでは?」と思われるかもしれませんが、これは大きな間違い!
なぜならば食事の直後は消化吸収のために内臓が忙しく動いているので脳も身体も休まりません。せっかく入眠しても、深い眠りにたどりつくことができないのです。
胃腸の働きがひと段落するまでには2~3時間ほどかかるので、食事は就寝の2時間前に済ませるのが理想。どうしても小腹が空いてしまったという場合は、消化のよい温かいスープなどを選んでください。
習慣2:寝酒は控えて! アルコールは就寝2時間前まで
入眠のために寝酒をたしなむ方がいますが、快眠のためには、じつはこれもNG!
確かにアルコールを飲めば寝付きはよくなりますが、浅い眠りが続き、途中で目が覚めたり、早朝に覚醒したりするなど、質の良い睡眠が得られにくいことがわかっています。これでは起床後も脱力感が抜けず、日中も眠気がとれません。
快眠を妨げるアルコールを飲むのは就寝2時間前に止めておくのがベスト。
「ニコチン」や「カフェイン」も覚醒を促す作用があるため、「ニコチン」の摂取は就寝2時間前まで、「カフェイン」の摂取は就寝の4時間前までにしましょう。
習慣3:ベッドでは考え込まない
「明日は何をしよう?」「あの問題はどうしよう?」など、あれこれ思いをめぐらせていると、考えが止まらず、眠れなくなってしまいます。とくに、夜は前向きな思考になりにくいため、ベッドで考え事をするのは禁物です。
また、睡眠時間が5時間ほどの状態が続くと、1~2か月ほどでプチうつ状態になるとも言われているので、心身の健康のためにも、就寝前はあまり考え込まずに早めに眠るように心掛けてください。
眠りの質を高めるカギは"光"と"体温"のコントロール
ここからは、スムーズな寝付きやスッキリした朝の目覚めのためにとても重要となってくる「光」と「体温」についてお話しましょう。
習慣4:太陽の光を浴びて体内時計をリセット
「朝、スッキリ目覚めにくい」という方は、朝日をたっぷりと浴びることを意識してください。太陽の光は体内時計をリセットしてくれます。朝日を浴びながらストレッチをしたり、窓際で朝食をとり、しっかりと身体を起こしましょう。また、朝にしっかり光を浴びると、夜、眠りのホルモン「メラトニン」分泌のリズムが整うので、ぐっすり眠りにつけるようになります。
習慣5:夜のスマホはNG! 朝のスマホで覚醒を刺激!
反対に、夜寝る前の光には注意が必要です。
とくに、コンビニやスーパーの照明のような強い光やスマホの強い光刺激は眠りを促す「メラトニン」の分泌を止めてしまうほか、覚醒を促進する働きもあるので、快眠を妨げる恐れがあるからです。
就寝前のスマホはNGですが、朝のスマホはむしろスッキリとした目覚めを促してくれます。スマホでのSNSや動画、スケジュールのチェックは、夜ではなく朝の習慣に取り入れるようにしてみてはいかがでしょうか。
習慣6:就寝前に体温を少し"上げる"
わたしたちの体の深部体温(体の中心の体温)には、朝から夕方に向けて高くなり、夜から朝にかけて下がるというバイオリズムがあるのですが、上昇期は眠りにくく、下降期は眠りやすくなるという性質があります。
とくに、急速に深部体温を下げると深い眠りにつきやすいことが分かっているため、たとえば、就寝の3時間ほど前に軽く運動をしたり、就寝の1~2時間前にぬるめのお湯に15分ほどゆっくり入浴をしたりして体温を上げておくと、入眠時の体温の落差が大きくなり、スムーズな寝付きと深い眠りを促せます。
深部体温の低下をサポートするアミノ酸「グリシン」
就寝前に摂取するだけで、睡眠の質の改善をサポートするアミノ酸があることはご存知ですか。
それが、「グリシン」です。
人のカラダは、就寝時に手足から体内の熱を放散することで深部体温を下げています。赤ちゃんが眠くなると手足が温まってくるのはこのためなのですが、味の素㊑の研究によると、睡眠アミノ酸と呼ばれる「グリシン」を就寝前に摂取すると、深部体温の低下をサポートする働きがあることがわかっています。
「グリシン」は、エビやホタテなどの魚介類に多く含まれているアミノ酸です。人の体内でも1日に数グラム~数十グラム作られている非必須アミノ酸で、睡眠の質を高めるほかにも、肌コラーゲンの1/3はグリシンで構成されるなど、さまざまな身体の機能にも関わっています。
爽快感のある目覚めや日中の眠気の改善、疲労感の軽減などの機能も期待できるため、「日中のパフォーマンスを向上させたい」というビジネスパーソンの方は、先の快眠のための6つの習慣と合わせて、「グリシン」の摂取を毎日の習慣に取り入れてみてはいかがでしょうか。
2020年12月の情報をもとに掲載しています。
睡眠の質を決める"眠り始めの90分"
睡眠には、「レム睡眠(浅い眠り)」と「ノンレム睡眠(深い眠り)」という2つの状態があります。この睡眠サイクルが、一晩あたり3~5回繰り返されることで、心身の疲れを癒やしたり、必要な記憶を固定できたりするといわれています。
中でもとくに重要なのが、眠り始めに現れる"深睡眠"。
ノンレム睡眠の中でももっとも深い眠りの深睡眠は、脳の休息や成長ホルモン分泌の大切な時間とされ、眠り始めの90分に集中しています。
その後は、レム睡眠、ノンレム睡眠を繰り返し、スッキリとした目覚めに導いていくので、いかに早く深い眠りに入るかが睡眠の質を高めるカギとなります。