舌が感じるのは5つの基本味
私たちは、どのように食べたものを「おいしい」と感じるのでしょうか。
人は、舌で「甘味」、「塩味」、「酸味」、「苦味」、そして「うま味」という5つの基本味を感じます。これら基本味は、危険な食物を避け、安全に栄養を摂るという、生きるためにとても大事な情報です。たとえば、食べたときに「甘味」を感じれば、その食べ物はエネルギーのもと、「塩味」を感じればミネラルのもとと感じ、好ましい味として認識します。反対に、食べ物は腐敗すれば「酸味」を、毒であれば「苦味」を持つため、人はそれらを体にとりこむ前に危険を察知することが出来ます。さらに、「うま味」は、生きていくのに必要なたんぱく質を摂っていることを体に知らせるシグナルのような役目をしているため、人は「うま味」を好ましい味として認識するのです。
「うま味」=「おいしさ」?
では、この「うま味」が「おいしさ」なのでしょうか?
実は、これら2つは似ているようで必ずしも同じではありません。
「うま味」は基本の味の1つであり、昆布やトマト、チーズなど様々な食品に含まれる「おいしさ」を作り出すとても大事な要素です。
私たちは、「おいしさ」を、この「うま味」を含む味(味覚)に加え、料理の香り(嗅覚)、見た目(視覚)や食感(触覚)、噛む時の音(聴覚)、さらには食事をする際の雰囲気や環境など、五感をフルに使って感じているのです。
2019年 3月の情報をもとに掲載しています。
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